CD Review アニメ系

2020年10月11日 18:16

gundambeyond 2020年6月24日発売、「機動戦士ガンダム」放送開始40周年を記念してリリースされたコンピレーションアルバム。完全生産限定盤はDISC1(全13曲)+DISC2(全8曲)+特典映像入りのBlu-ray+ブックレット、初回限定盤はDISC1、2の2枚組CD+ブックレット、通常盤はDISC1のみという形態での発売。なお、完全受注生産でDISC1の内容を2枚組にしたアナログ盤も同年9月8日に発売。本エントリーは通常盤のレビューとなります。

 元々は「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインを手掛けた安彦良和のコミック「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のアニメ化として、2015年〜2018年にかけて劇場上映+OVAソフトとして発表された全6作品を、2019年4月よりNHK総合で全13話に再編集し、タイトルも「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」と改めてオンエア。その際に制作されたオープニング、エンディング全7曲を本作に一挙収録し、加えてガンダム40周年のテーマ曲、さらに本作用に制作された新たなカバーソングを5曲収録したという内容構成。ブックレットにはスタッフクレジットの一番上にSupervisorとして、LUNA SEAのギタリスト・SUGIZOの名前が冠されています。彼は「〜赤い彗星」の各主題歌や40周年のテーマ曲のプロデュースも担当しており、また今回追加のカバー曲に関してもアーティストの選考や選曲、曲によってはアレンジやマスタリングにも関わっているそうで、トータルではSUGIZOのガンダム系プロデュースの集大成的な作品と言えるのかも。

 LUNA SEAとしても「〜赤い彗星」のオープニング3曲(「宇宙の詩」「悲壮美」、カバーで「BEYOND THE TIME」)、そして40周年テーマソングの「BEYOND」を担当するなど、全体的にLUNA SEA色(?)が散りばめられた中、エンディングテーマにはアイナ・ジ・エンドコムアイmiwaといった女性シンガーを起用し、歴代ガンダム曲のカバーやオリジナルをアコースティックから打ち込みも取り入れたバンドサウンドまである程度の幅で味付け。新作カバーも含めて様々なアーティストを起用していることもあり、同じガンダムソングカバー系でもこちらとはまたひと味違ったバラエティに富んだ楽曲が楽しめます。中でも原曲を現代的な音色で再現したSUGIZO feat. GLIM SPANKY名義の「めぐりあい」や、SUGIZO自身がインストでカバーした「ビギニング」などが出色。個人的にはOAUによって「機動新世紀ガンダムX」のエンディングだった英詞バラード「HUMAN TOUCH」がカバーされたのにはガンダムXファンとして大変感激しました(正直あまり人気のある作品ではないので…)。

 なお、完全生産限定盤ならびに初回限定盤に付属のDISC2は「〜THE ORIGIN」の劇場公開/OVA発売時の主題歌6曲と挿入歌2曲を収録した「OVA『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』SONGベストCD」。こちらには柴咲コウ山崎まさよしなどの結構意外な(?)アーティストも参加しています。21世紀以降のシリーズでリリースされている各作品のコンプリートベストに類するコンセプトのディスクで、配信のみや限定販売だった曲もあるようで、主題歌系を一気に揃えたいガンダムファンには絶好のコンピレーション。ライトに楽しむなら通常盤を、ディープに楽しむならそれ以外を、といったところでしょうか。

2020年09月19日 22:14

evabox 1995年10月より放送を開始したTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」は来たる2020年の10月でちょうど25周年。そのアニバーサリー企画として、2020年10月7日にTVシリーズ(全26話・1995〜1996年)、劇場用映画(2作・1997年)関連の既発サウンドトラックを5枚組のCD-BOX「NEON GENESIS EVANGELION SOUNDTRACK 25th ANNIVERSARY BOX」に収めて発売されます。今回の「CD Review Extra」では、BOX発売を記念して、鷺巣詩郎が手掛けた収録5作のサントラ+劇場版公開前に発売された番外編CD1枚の計6枚を1枚ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2020年08月01日 21:25

gundam40th2 2019年12月11日発売、ガンダムシリーズ放送開始40周年を記念したプロダクトの一つ、DJシーザーによる歴代ガンダムシリーズ主題歌のミックスCD第2弾。

 コンセプトとしては同年4月にリリースされた第1弾の延長戦的な本作ですが、ジャケットは歴代のガンダムがズラリと並んだ前作とうって変わり、シャア専用ザクを筆頭に各作品のライバル機や敵の親玉(笑)が不規則に並んだガヤガヤっぷり。そして内容に関しても、ほぼ作品の顔的な主要オープニングテーマを選び尽くした感があった前作と対になるかのように、普段あまり陽の目の当たらないオープニング(後半話数の主題歌など)やエンディング、番外編的な映画の主題歌などファンは知ってるけど一般的には知名度はそれほど…な楽曲を取り揃えるなど、前作と好対照。これらの曲を40曲、ほぼ1コーラス程度、約67分に渡ってノンストップで収録しています。

 選曲は40周年の前半にあたる20世紀までの楽曲は40曲中12曲と、後半年代の21世紀以降の曲が圧倒的で、第1弾よりもバランスが偏りがち。まあこれは20世紀作品の映画を含む主題歌が前作で大体出尽くしてしまった一方、1クールごとに交代する傾向のある21世紀以降の作品主題歌のストックはまだ潤沢にあるから、という理由なのかもしれませんが、それもあって懐かし需要的要素は比較的薄く、「ガンダムNT」や「ガンダムUC RE:0096」といった最近の作品からのセレクトもあって、全体的には割りかしマニアックな印象を受けました。
 前作と変わらないのは、ポップ色の強い80年代、それにロック色が加わり後半になるとデジタルサウンドに移行していく90年代、各アーティストの色に基本的にお任せしているようにも見える00年代以降と、各年代ごとのサウンドが行ったりきたりで流れが進行するのを聴く楽しさでしょう。ちなみに一番落差があって衝撃的だったのは中盤に出てくる「Meteor -ミーティア-」からの「永遠にアムロ」。同じバラードでもいかにも浅倉大介なデジタルサウンドの前者と、牧歌的サウンドの後者の対比には結構クラクラしました(笑)。

 前作の中盤であったセリフの引用演出は今回はないのかな?と思いきや、一番最後、40曲目の「めぐりあい」の序盤で待望の登場。使いどころの分かっている演出が嬉しいところです。総じて前作よりは敷居が高め、むしろ21世紀以降のガンダム作品がリアルタイム、という世代が懐かしむミックスCDかな、と思いました。さすがに玉を打ち尽くした感はあるので、第3弾は出ないとは思いますが、個人的には劇中挿入歌縛りの超マニアックなミックスCDもあったら面白いな、などと思っております(笑)。

2020年05月17日 12:43

ggundam5 久々更新の「今週の1枚」は、これまた久々(でもないか?)のアニメ作品モノ。90年代中盤に制作されたガンダムシリーズの一つ、「機動武闘伝Gガンダム」の関連CD「GUNDAM FIGHT-ROUND 5」をご紹介いたします。

 1979年に第一作「機動戦士ガンダム」を放送開始以降、基本的にはテレビシリーズ作品においては原作者であり総監督の富野由悠季(と、制作会社のサンライズ)が携わり、「宇宙世紀」を舞台に物語が展開されていたのが90年代中盤までのガンダムシリーズであったのですが、本作「機動武闘伝Gガンダム」(以下「Gガン」と表記)の総監督には80年代末に「ミスター味っ子」の監督を務めた経験のある今川泰宏が富野氏の推挙で就任。非富野系では初のテレビシリーズでのガンダム作品、物語もそれまでとは設定がガラリと異なる「未来世紀」を舞台とし、ガンダムシリーズ上では大きな転換点となった一作でした。
 大まかな話の流れとしては「四年に一度、世界の覇権を巡って開催される各国代表のガンダム同士の武術大会(=ガンダムファイト)」を縦軸に、主人公ドモン・カッシュと因縁のある「デビルガンダムの追跡」を横軸にし、1994年の4月から翌年3月末までの一年間にわたってオンエア。この時点で既にブランドと化していた「ガンダム」への斬新な角度からのアプローチは当時賛否両論を招いたようですが、今川監督の癖のある演出や魅力的な各キャラクター、そして熱い展開を見せるストーリーによって新規のファンも多く獲得、関連商品の売り上げも上々で、その後に繋がるアナザーガンダムシリーズの処女作として評価を受けた作品となりました。

 本CDは、そんな「Gガン」関連CDアルバムのラストを飾り、最終話直前の1995年3月24日に発売。それまでのCD作品はサウンドトラックやドラマ編などでしたが、今回は主人公やヒロイン、各国の主要ライバルキャラの総勢9名が一堂に会したキャラクターソングCD+α。担当声優がボーカルを担当するキャラソンCDは80年代の頃から既にあり、発売元のキングレコードのアニメ専門スターチャイルドレーベルもキャラソンに関してはお家芸(?)的な貫禄がありましたが、ガンダムシリーズにおいてはここまで各キャラクターをフィーチャリングしたボーカルCDは作られていなかったはずで、ここでも新機軸を試そうとする制作陣の心意気を感じます。
 キャラクターソングは全部で11曲。基本的には主人公以外は1人1曲で、総じて歌詞もサウンドも物凄くベタ!(褒めてます・笑)。要するにアニメ本編で描かれた各キャラの特徴や生き様などをそのまんま描いた曲ばかりで、以前に同カテゴリーで紹介したこの作品にも相通じるものがありますが、これはこのアニメ本編自体がそういうノリ(例:ネオオランダ代表のガンダムが風車背負っている・等)なので、全く問題なし。曲調は如何にも90年代中盤のノリのポップソング「GET THE WIN」から、ド演歌「男道、獣道/マスターアジアの恨み節」、アイドルチックな「アレンビーの初恋」、実に渋い「ゲルマンブルース」、そして「Gガン」の世界観を象徴するような「戦闘男児〜鍛えよ勝つために〜」「勝利者達の挽歌」など多彩。各声優陣のボーカルレベルも総じて安定しており、中でも主役のドモンを演じた関智一、そして彼を作中で導いたシュバルツ・ブルーダーを演じた堀秀行の両者は抜群の歌唱力。欲を言えばキャスト全員で1曲歌う曲なんかもあったら…とも思いましたが、まあそれは贅沢というものでしょう。

 なお、キャラソン11曲以外には鵜島仁文が歌う後期オープニングの英訳詞バージョン「I'LL TRUST YOU FOREVER」や、劇中音楽担当の田中公平の手による主題歌のインストアレンジバージョンなども収録された、「Gガンの総まとめ」的な内容。発売時期からして、これまでこの作品に付き合ってくれた、楽しんでくれたファンへ向けた最終回への前夜祭といったところでしょうか。
 キャラソン収録のCDは次作以降のガンダムシリーズでもスタンダードなものとなり、00年代の作品になるとキャラクター別のマキシCDなども多数リリースされるようになるなど、本編のみならず歴代ガンダムシリーズの音楽史的にも後から振り返るとエポックメイキング的な立ち位置で実績を残した「機動武闘伝Gガンダム」。既に21世紀に突入し20年、年号も変わりましたが、時代が移ろっても記憶に残る、ワンアンドオンリーのガンダム作品(まあ模倣しようがない強烈な作風ですし・笑)の総決算として、「Gガン」ファンには是非聴いていただきたい1枚です。

2019年12月14日 13:49

gundam40 2019年4月3日発売、今年で40周年を迎える「ガンダムシリーズ」の各主題歌を中心に構成されたノンストップミックスアルバム。演奏時間約68分、全40曲収録。

 1979年4月に富野喜幸総監督のもとで放映がスタートした「機動戦士ガンダム」。日本のアニメブームを牽引し、続編TVシリーズや劇場版、OVA、果てはSDガンダムまでと、富野監督の手を離れてまで現在まで続き、鉄板のブランドアニメコンテンツとして成り立っているガンダムシリーズ。本作は過去にも週刊少年ジャンプ原作のアニメの主題歌ミックスCDも手掛けたDJシーザーによる選曲で40周年なだけに40曲をミックス。発売元はSONY系列からですが、キングレコード、ビクター、avexなど、各シリーズのサウンドトラックを担当したレコード会社からの協力も得てオリジナル音源での構成が実現しています。

 選曲は20を超えるシリーズタイトルの中から、基本的にオープニングテーマの1コーラス分を最低でも1曲はチョイス(総集編等の非新作系タイトルは除く。一部エンディングテーマも有)。収録順は1曲目こそ「機動戦士ガンダム」のオープニング「翔べ!ガンダム」ですが、その後は色々な年代を行ったりきたりと法則性はなく完全にランダムで、次に何が飛び出してくるかは分からない楽しさがあります。今回のミックスにあたっては新しい音を付け加えたりは特にしていないようですが、元々勢いのある(=同じテンポぐらいの曲が多い)オープニングテーマが圧倒的な数なので、曲と曲の間の繋ぎも比較的自然に聴ける印象。クロスフェードもあまり使わず、例えばアップテンポ→バラードの並びでもアップテンポの曲をきっちり終わらせてからバラードのイントロを流し始めるなど、不自然さを無くすための工夫がなされているのには感心。一聴した感じでは「ガンダムSEED」系の曲が何か多いな…とは思いました(5曲+挿入歌で計6曲)が、半年間同じオープニングを流し続ける20世紀作品とは違って、1クール3ヶ月で主題歌が変わる、という事情(2年で8曲)を考えるとこんなものでしょうか。

 10年前の30周年の時に、各シリーズの主題歌+挿入歌を網羅した高額CD-BOXが発売されているのに比べると今回は控えめ(?)な記念作品ではありますが、半ばで突然出てくるボイス演出(?)も含め、歴代主題歌の美味しい部分を気軽に楽しむには最適。なお、つい先日この作品の第二弾が発売になったとか。今度はエンディングテーマも数多く採用されるなど、本作に比べてマニアック色が濃い目になっている模様です(ジャケットも…笑)。

2019年03月16日 18:04

cityhuntervc 2019年2月6日発売、同月8日の公開に先駆けて、オリジナルサウンドトラックと共に発売された「劇場版シティーハンター」の主題歌・挿入歌を収録したボーカルコンピレーション。全12曲収録。全曲リマスタリング。2020年1月末までの限定生産商品。

 「シティーハンター」は1985年から1991年まで「週刊少年ジャンプ」にて連載された北条司の代表作。87年にアニメ化開始、休止を挟んで99年まで何らかの形でのアニメシリーズを発表。今回は約20年ぶりのアニメ化(映画作品としては29年ぶり)となり、様々なメディア展開がなされている真っ只中ですが、本コンピもその一つ。収録曲はかつてのテレビシリーズ「シティーハンター」「同2」「同3」で使用され、今回の映画でもアバンタイトルで使用されたPSY・Sの「ANGEL NIGHT 〜天使のいる場所〜」(「2」前半のオープニング)、エンディングテーマに起用されたTM NETWORKの「GET WILD」(初代エンディング)をはじめ、劇中の街中のシーンでBGM的に流れたり、緊迫したシーンでのキメ的に挿入されたりと、使い方は違えど起用された各曲を流れた順に収録。ですのでリリース時系列的にはバラバラになっていますが、映画鑑賞後に聴くと「ああこの曲、あの場面で流れていたな」という記憶の追体験ができるようになっています。

 収録曲は旧シリーズの全主題歌を網羅というわけではないので(「3」のエンディングと「'91」のオープニング、エンディングは未収録)、シリーズの主題歌を全部聴きたい!という方には不向き(旧作映画やテレビスペシャルまで含めたテーマソング全集は過去に発売済)。ですが、うち4曲は「3」までのサウンドトラックに入っていた楽曲からのピックアップで、テレビシリーズでも頻繁に流れていた曲達。筆者としては久し振りに「MR.PRIVATE EYE」(大滝裕子)や、「FOOTSTEPS」(北代桃子)が聴けて嬉しいやら懐かしいやら。「シティーハンター」のアニメシリーズは当時としては珍しく、挿入歌も数多く作られた作品なのですが、このような主題歌セレクト+挿入歌セレクトという、ある意味ベスト盤に近いような美味しい楽曲を50分程度にまとめたライト向け(あるいは今回の映画を観て何か1枚シティーハンターのCDが欲しいと思った人向け)な作品はこれまでなかったので、そういった層にはコンパクトで最適のコンピだと思われます。欲を言えばあくまでカタログ作品の再編集盤なので、もう少し価格を下げても良かったんじゃないかな、と思ったぐらいですか(笑)。

2018年06月10日 19:11

utenastamani 今年初の「今週の1枚」、今回はブログ史上最も濃く、そしてマニアックな1枚を紹介したいと思います(笑)。2005年11月23日発売、キングレコード内のアニメレーベル「スターチャイルド」よりリリースされたアニメ関連作品のコンピレーションシリーズ「スタまに」の一作、「少女革命ウテナ」のボーカルベストアルバム。全15曲収録。

 「少女革命ウテナ」は、1997年4月よりオンエアされていた全39話のTVアニメ。主人公の快活な少女・天上ウテナが通う鳳学園にて巻き込まれる、「薔薇の花嫁」こと姫宮アンシーを巡る、学園理事長代行や生徒会メンバーといった個性的なキャラクターとの決闘対決がメインの作品…と書いてもこの作品の10%も紹介できていないので詳しいストーリーは省略しますが(おい)、基本はシリアスに、時にシュールにコミカルに、様々な形の「愛」を描いたアニメとして、漫画版も含めて未だに根強いコアな人気を持っています。1999年夏にはリメイクという形でより過激なスケールで描かれる長篇劇場版「アドゥレセンス黙示録」も公開。OVAテイストのセガサターンゲームもTVと劇場版の合間にリリースされたり、近年では約20年振りにミュージカル化を果たしたりと、様々な媒体で展開された作品でもありました。

 さて、本アルバムはそんな「ウテナ」シリーズのボーカル曲のコンピ。といっても、主題歌関連はオープニング「輪舞 -revolution」(奥井雅美)、前期エンディング「truth」(裕未瑠華)、後期エンディング「バーチャルスター発生学」(上谷麻紀)の全3曲と、通常のアニメと変わらない使われ方でしたが、とにかくこのアニメは劇中歌として流れた曲(決闘の際に流れる合唱曲が毎回異なる)が恐ろしい数ほどあるのが特徴で、TV版のサントラ3枚にも各7〜8曲程度の決闘用合唱曲が収められているという、当時としては野心的な内容でした。これらの曲は前衛劇団・万有引力主宰のJ.A.シーザー(日本人)が手掛けた詞曲で、はっきり言って歌詞の意味は抽象的すぎて全くといっていいほど理解不能。これをメタリックなオケに乗せて杉並児童合唱団や東京混声合唱団、万有引力のメンバー、果ては「ウテナ」の監督・幾原邦彦も一緒に唱和するという演出はまさにカオス。本アルバムでもウテナが決闘広場に向かう際に流れる「絶対運命黙示録」、前述の後期エンディング「バーチャルスター〜」の合唱バージョン、「体内時計都市オルロイ」「スピラ・ミラビリス劇場」「天使創造すなわち光」…と、タイトル見るだけで何コレ?みたいな(笑)濃い楽曲が選り抜かれています。

 基本的にはリリース順に楽曲が並んでおり、終盤にかけては劇場版関係の楽曲も5曲収録。そのうちの3曲は「絶対運命黙示録」の劇場バージョンも含めてまたもや合唱曲で、ここに辿り着くまでは聴き手もお腹いっぱいを通り越して変なテンションになっていると思われます(笑)。そんな中で劇中歌として起用された「時に愛は」(奥井雅美)はちょっとひと安心な歌い上げ系ミディアム。そして本作ラストに収められた「輪舞 -revolution〜アドゥレセンス・ラッシュ」(奥井雅美)はTVアニメオープニングのリメイク…と思いきや、オケがどんどん違う方向に展開していき「ウテナ」のテーマメロディに行きつくなどの趣向を凝らした、ここまで聴いてきたファンへのボーナス(?)のような8分近いエクステンデット系ミックスで締め。

 TV、劇場版、舞台版のサントラ、企画アルバムを含めれば10枚に近くにも及ぶ「ウテナ」関連のCD。セレクションアルバムも1作ありますが、純粋のボーカルだけを収めたベストはこの1枚のみ。「スタまに」シリーズの一作というレコード会社主導の企画ということもあり、過去の作品をレイアウトしただけのCDジャケットや、シンプルな歌詞カードなど、あまり装丁にウテナらしさは感じられないのですが、主題歌が1枚のCDにフルサイズ全部入っているCDは本作のみ。定価も1,500円(当時)と、ライト層を狙った…にしては濃厚な曲も満載ですが(笑)、歌入りの曲だけを聴きたい、というウテナファンにはうってつけなお薦めの1枚です。

2017年09月24日 19:48

jojogeneration 2017年8月23日発売、TVアニメシリーズ「ジョジョの奇妙な冒険」で起用されたオープニング・エンディングで使用された楽曲を網羅したベストアルバム。全7曲+ボーナストラック(後述)1曲収録。

 80年代より「週刊少年ジャンプ」で連載され、2012年からTVアニメとしてブランクを置きつつシリーズを重ねている「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ。現在2016年オンエアの「第4部」までがアニメ化されていますが、本作は2017年9月より「第1部」「第2部」「第3部」をBlu-rayディスクの各ボックスでの順次リリースの告知と同時に発表された主題歌ベストアルバム。オンエア当時に各部サウンドトラックやアンソロジーは発売されていたものの、シングルバージョンでのアルバム初収録、また海外のアーティストの既存曲によるエンディングテーマも「ジョジョ」と冠されたCD作品には初収録という、筆者のような「まとめて主題歌CD集出ないかな〜」と思っていた(笑)層には大変ありがたいベストになっています。

 収録順はシリーズ時系列順。物語の舞台の年代ごとに「第〇部」としてストーリーを区切り、アニメでは劇伴の担当者も移り変わっていましたが、オープニングテーマも「部」ごとに歌劇風あり、ダンスナンバーあり、ロック調ありと多種多様でありながら熱量のようなものを感じられる佳曲揃い。対照的にエンディングはYESThe BanglesPat Metheny Groupが起用され、渋く締めている雰囲気で、これらが交互に登場する本作ではそのコントラストがより鮮やか。総演奏時間は40分足らずと、どうせなら「第4部」の主題歌(オープニング3曲、エンディング1曲+α)まで全部収録しても尺は足りるのでは…とも思いましたが、全体のストーリーとしての区切りとしてはここで切っておくのが自然(?)だし、Blu-rayボックスの先発企画だし…ということで納得です。

 ラストに収録されたボーナストラック「アク役◇協奏曲」は、本編で特別エンディングテーマとして使用され、担当声優がデュエットで歌うコミカルなキャラクターソング。1コーラス目、2コーラス目は放映直後にそれぞれ配信リリースされ、後発のサントラに収録された3コーラス目を加えた完全版の収録。サントラ未聴だったのでこの曲続きがあったんだ…と、ちょっと驚きでした(笑)。

2016年09月10日 22:55

seiyasongselection 2016年8月24日発売、今年で漫画連載&アニメ放送開始30周年を迎えた車田正美のコミック「聖闘士星矢」を記念してリリースされたベストアルバム。2枚組全33曲収録。「2016年最新リマスタリング」の表記あり。

 連載元の「週刊少年ジャンプ」の看板作品でもあり、同年には早くもアニメが開始され、連載・放送終了後も根強い人気を誇り、派生作品を数多く生み出した本作。それだけに各媒体作品での主題歌なども数多く、実際過去に「主題歌&BEST」(2006年)、「SONG BEST」(2012年)という主題歌中心のベストも発売されており、今回は3度目のベストアルバム。各映像作品ごとの挿入歌集やサウンドトラックなどがそれぞれのレコード会社から数多くリリースされ、その中から選りすぐった30年間のベストオブベストに相応しい内容とボリュームに溢れた2枚組となりました。

 基本的に楽曲は時系列順。DISC 1は原作漫画のアニメ化として1986〜1989年に放送されたテレビシリーズ全114話で起用された主題歌や関連楽曲を主に収録。「星矢」の看板たるオープニングテーマ「ペガサス幻想」(MAKE-UP)を筆頭に、「永遠ブルー」(同上)「聖闘士神話」(影山ヒロノブ&BROADWAY)などの80年代アニソン王道の熱いテーマソングに加え、MAKE-UP、影山に加えて堀江美都子も参加した各劇中挿入歌もバッチリ収録。「氷原の貴公子」「ネビュラチェーン・兄弟の絆」(MAKE UP PROJECT)などの濃い目のキャラソンもセレクトされているあたりも嬉しいところです(笑)。歌詞の大半が英語という異色作品の劇場公開作品「真紅の少年伝説」のエンディングテーマ「YOU ARE MY REASON TO BE〜愛は瞳の中に〜」(当山ひとみ&OREN WATERS)や、主人公のペガサス星矢を演じる古谷徹自らが歌う「ペガサス幻想」(色々な意味で一聴の価値あり)などもピックアップされ、この1枚でテレビシリーズに関しては完全網羅されていると思います。

 DISC 2はテレビシリーズが終了、漫画連載も完結して時を経た1997年に企画されたドラマCD「1997〜少年記〜」からの楽曲を経て、2003年からOVA作品として展開された「冥王ハーデス編」の主題歌を完全収録。時代が移って楽曲の作風にも変化が起こり、従来路線の熱いテーマ曲もありますが、「地球ぎ」「君と同じ青空」(まつざわゆみ)といった穏やかな中にも芯を感じさせる作品が出色。中盤以降はさらに時代が下った2012〜2014年のテレビシリーズ「聖闘士星矢Ω」、2015年にWebアニメとして展開された「黄金魂-soul of gold-」の各派生作品の主題歌で締め。この辺りになると21世紀の類型的なアニソンとして「星矢」も現代的になったなぁ、という気がする中、サビ頭にアニメタイトルを持ってくるというスタイルの「新星Ω神話」(ROOT FIVE)のインパクトが抜きん出ている印象でした。

 全映像作品のうち、2014年公開のCG映画「Legend of Sanctuary」の主題歌のみが未収録(YOSHIKI絡みの音源未発売の曲なのが原因?)、その代わりにミュージカル風劇中歌「Mr.Deathmask」(平田広明)が収録されるというウルトラCには驚きましたが(笑)、とにもかくにも「星矢」ファン必聴のオールタイムベスト。また過去二作のベストでは明言されなかったリマスタリングも今回は気合が入っており、特に80年代作品の音の広がり・奥行きは文句ナシ。今年は30周年を祝うイベントもぼちぼち開催されているようですが、その一環として各作品を知っていればいるほど楽しめるベストアルバム。価格も2枚組で3,000円+税と安価ということもあり、お薦めです。

2016年04月23日 13:49

dbkamibest 2016年2月24日発売、鳥山明原作のコミック「ドラゴンボール」のアニメーション放送30周年を記念して企画された歴代テーマソング集。2枚組全38曲収録。初回限定盤には歴代オープニングテーマのオンエア映像を収録したDVD付。

 1986年2月からアニメ放送がスタートした「ドラゴンボール」(以下「無印」)、その続編「ドラゴンボールZ」(1989〜1996年)、アニメオリジナルの「ドラゴンボールGT」(1996〜1997年)、「Z」の再編集作品「ドラゴンボール改」(2009〜2011、2014〜2015年)、そして現在放送中の原作者考案の新作「ドラゴンボール超」に加え、TVスペシャル、各劇場版作品など、この30年で数々の展開を仕掛けてきたアニメ作品ですが、「ドラゴンボールシリーズ」として主題歌がレーベルの枠を超えて一括りに収録されたのは今回が初めて。Disc 1には1994年までの楽曲、Disc 2には1995年以降の楽曲が収められていますが、今回収録を見送られた主題歌が3曲あり(後述)、テーマソングのコンプリート盤ではないので要注意。

 まずDisc 1はシリーズの記念すべき第1号オープニング「摩訶不思議アドベンチャー!」(高橋洋樹)で幕開け。その後は「無印」「Z」の各主題歌、「Z」のTVスペシャル主題歌、「無印」「Z」の劇場版主題歌を時系列順に収録。この時代は強く「アニメソング」を意識し、完全に作品世界に沿った作風の曲が続いていきます。筆者はリアルタイム世代ということもあり、さすがに多数ある劇場版主題歌までは完全には覚えてはいませんでしたが(笑)、この辺りの楽曲は本当に懐かしく、毎週オンエアを楽しみにしていた頃を思い出しました。中でも「Z」の二代目エンディング「僕達は天使だった」と、TVスペシャル主題歌「青い風のHOPE」(共に影山ヒロノブ)は名曲で、今聴いても胸が熱くなります。

 Disc 2は「GT」「改」「超」の各主題歌、その後でDisc 1に入りきらなかった「Z」末期の劇場版二作、そして近年公開された新作劇場版二作の主題歌という流れで構成。「GT」ではFIELD OF VIEWや工藤静香を起用するなど、当時のヒットシーンを意識した節がありましたが、21世紀に突入してからの「改」「超」のオープニングに関しては再び作品世界に寄せた「ドラゴンボール」ならではのテーマソングに。特に「空・前・絶・後 Kuu-Zen-Zetsu-Go」(谷本貴義)の弾けまくりの歌詞には当時仰天したものです(笑)。一方で「改」「超」のエンディングには若手のアーティストを起用して比較的自由にやらせている印象。なお、「超」はまだ放送中であり、既にエンディングテーマは4月から新しいものに変わっていて、その曲は当然ながら収録されていません。

 このように歴代主題歌が満載なベスト盤なのですが、先ほども触れたように、放送中の「超」はともかく、既に作品が完結している「GT」「改」のエンディングテーマが3曲未収録という歯抜け状態になっているのは本当に残念。特に筆者がDEENファンだから…という理由ではありませんが、「GT」の初代エンディングとして最も長くオンエアされた「ひとりじゃない」が漏れたというのは非常に納得が行きません(苦笑)。2枚とも70分超えの収録時間でギリギリ入りきらない、ということならばもう1枚増やしてでも…と思わずにはいられません。まあ価格あるいは版権の関係もあってこういった形でのリリースになってしまったのかもしれませんが、画竜点睛を欠く、とはまさにこの事な気も。
 とはいえ、シリーズの垣根を取り払って一同に会し、リマスターされた楽曲が並ぶ本作は聴き応え十分。私のようなドラゴンボール連載読者世代から若いファンまで、「ドラゴンボール」各作品に思い入れのあるリスナーは是非一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

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