CD Review ワ行

2020年10月03日 18:31

wandssn 2020年9月19日、iTunes、mora等の各ダウンロードサイトで配信開始された、第5期WANDSのデジタルシングル。

 昨年秋に19年振りの再始動を宣言したWANDS。メンバーチェンジ毎に「第〇期」と分類されている彼らですが、現在は第5期として、オリジナルメンバーの柴崎浩(G)、第2期から参加し、第3期ではリーダーも務めた木村真也(Key)、そして第4期より参加の上原大史(Vo)の三人で活動中。本作は来たる10月28日に通算6枚目のオリジナルアルバムとしてリリースされる「BURN THE SECRET」からの先行配信シングルとなっています。

 元々は1989年発表の栗林誠一郎の全英詞ナンバー「It's My Treat」を、1995年に当時のボーカル・上杉昇が日本語詞を付け、池田大介の編曲でカバーした、という立ち位置の作品。なので厳密には「カバーのセルフカバー」ということになります。再始動以降、これまでも第5期バージョンとして過去の楽曲をセルフカバーしてきた各楽曲よりも、今回はかなり原曲に忠実なリ・レコーディング仕様で、基本的に曲中の各パートのリフをほぼ完全に再現。ただし原曲では全くといって良いほど目立った出番がなかった木村もしっかりとAメロ、Bメロに間奏と、エレピ系の音で存在感を出していたり、上原のボーカルも上杉を意識した歌い回しの上で、上杉とは少し異なる艶っぽい色気(っていう表現も何か変ですが・笑)を醸し出しているなど、全くのコピーというわけではなく、現在の彼らのエッセンスを注入しているバージョンに仕立てられていて、熱心なファンほど細かい聴き比べが楽しいかも。

 既発シングル曲も含めたニューアルバムのティザー映像はこちら。21年振りのオリジナルアルバム、楽しみにしています。

2018年06月17日 12:36

wands 上杉昇(Vo)、柴崎浩(G)、大島康祐(Key)の3人で結成され、1991年にデビューしたWANDS。ビーイング所属アーティストとして、B'zやZARDらと共に90年代のミュージックシーンを席捲した彼らでしたが、二度のメンバーチェンジを経て、最終的にはオリジナルメンバーが全員不在のまま2000年に解散(解体)。今回の「CD Review Extra」では、そんな激動の歴史を駆け抜けていったWANDSの全ベストアルバム、公認・非公認含めて全6作を1枚ずつレビューいたします。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2011年09月04日 16:31

watarydiary 2011年6月8日発売。風味堂ヴォーカリスト・渡和久のセカンドソロアルバム。全10曲収録。初回限定盤はライブ映像やPVを収録したDVDが付属の2枚組。

 前作「東京ブルー」から約1年。前作のレビューでも書きましたが、歌詞が風味堂の時よりも内省的になっていると感じる彼のソロ作品なのですが、今作も聴いた感想はだいたい同じ。そこが最大の風味堂との違いでもあるわけですが、前作と比較すると、「ゴロゴロモンスター」という異色な曲が中盤で出てきたりもするのですが(笑)、全体的に絶望を歌い切るような曲は減って、むしろそこから光を見出そう、という「街角の音」や、「自転車に乗って」などに代表されるような、少しだけ前向きなテーマの曲が多くなったような気がします。

 一方、サウンド面では、参加しているバンドメンバーを統一したことで、全体的なカラーに統一感が見受けられました。一言で表現するならば「アコースティックで温かみのあるサウンド」。渡氏のピアノを中心としつつも、ピアノが突出して目立ちすぎている感はなく、歌を引き立てるバンドサウンドになっている印象です。生バンドならではの「シンガーソングライター」のようなシンガロングタイプの曲もあり、ガンガン突き進むぜ!的な(風味堂的な?)曲は見当たらないのですが、一聴して穏やかな気持ちになる作品だと思いました。

 この秋から、ついに風味堂も再始動。ソロ活動はしばしお休みでしょうか。今回のソロで学んだものを今後の風味堂の作品に活かしてくるのかどうか、それが楽しみです。

2010年12月12日 16:09

tokyoblue 2010年6月23日発売。風味堂のヴォーカル・渡和久のソロデビューアルバム。全9曲収録。初回限定盤には本作収録曲+αのライブ音源を収めたCDとの2枚組。

 風味堂のリリース活動、ライブ活動を一時休止してのソロアルバムでまず目を引いたのがその歌詞。このアルバム、特に前半に並んだ楽曲では、反骨精神を感じさせる「戦い続けるのさ」や、自分を奮い立たせるかのような「Hurry up!」、自嘲気味の心情吐露を見せる「絶望の彼方へ」など、風味堂とはまひと味違った内容が綴られています。後半になると王道のラブソングも聴けるのですが、全体的に自己内省的な歌詞が多い印象。ですが聴いているこちらが憂鬱にならない、というか、肩の力を抜いて聴けるようなあたりはポップス作品としての配慮、という感じでしょうか。

 一方、メロディーやアレンジに関しては、曲によってBlack Bottom Brass BandやBuffalo Daughterがプロデュースや演奏に参加してそれぞれのカラーが出てはいますが、基本的には風味堂の延長かな、といったところ。若干ピアノがライトタッチな曲が多いかな?とも思いますが、もともと風味堂はピアノ+ベース+ドラムスのスリーピースが絶対的な核という演奏形態というより、その上で味付けされる楽器で個性を表現していた気がするので、そういう意味では、ソロ活動でギターが入っても、派手なブラスセクションがあってもあまり変わらないような…。風味堂の作詞作曲はすべて渡氏自身が手掛けていることもあり、今回のアルバムでは歌詞と違ってメロディーはそれほど作り方に違いはないように感じました。

 今作、渡和久のソロワークとしても良盤だと思いますが、今後はソロと本体はまったく別の線を引いて活動する、ということではなく、今回のソロアルバムの要素を風味堂に持ち込んで、もともとの持ち味とうまく融合させれば、新しい風味堂の可能性が見えてくるかな、と思います。現在三者それぞれ武者修行中(?)だそうですが、いずれ活動再開した後の風味堂の動向にも注目していきたいですね。

2008年05月04日 23:18

pieceofmysoul ゴールデンウィーク真っ只中、そんな中でご紹介する「今週の1枚」。今回はWANDSのオリジナル4thアルバム「PIECE OF MY SOUL」(1995年4月24日発売)をピックアップしてお届けしたいと思います。

 ご存知の方も多いかと思いますが、WANDSはその10年間に渡る活動の中、メンバーが脱退、あるいは加入し、構成メンバーが変わった時期を区切りとして第機銑郡とオフィシャルでも呼ばれており、今回採りあげる「PIECE OF MY SOUL」がリリースされたのは上杉昇(Vo)、柴崎浩(G)、木村真也(Key)の三人による第挟(1992年〜1997年)。この第挟は王道のビーイングサウンドが聴ける1994年まで(便宜上「第挟前半」)と、オルタナロックやグランジ系にサウンドが傾倒していった1995年以降(同「第挟後半」)と、音楽性の違いで2つに分割できると思います。今作は、先行シングルの「Secret Night〜It's My Treat〜」から始まる、過渡期にあたる前年の「世界は終るまでは・・・」も含めたWANDS第挟後半のいわば第一歩。今までとは違う彼らを発見することができる作品となっています。

 このアルバム、第挟前半で見せたビーイングサウンドから一変、リズム隊が生音になり、今まで前面に出ていたキーボードは、ギターの後ろに隠れて奥で薄く鳴っている(木村真也の立場が^^;)など、全体的にサウンドもハードになり、今までのWANDSとはかなり違った印象を受けます。従来のスタジオワークの結晶としての楽曲スタイルというよりも、ライブで演奏することを意識したようなスタイルで制作が進行されていったのではないでしょうか。第挟前半時代でアルバム未収録だった「Jumpin' Jack Boy」も収録されていますが、アレンジを大幅変更して全く違うテイストに仕立てていて、シングルバージョンと聴き比べると、大胆に変化したのがよく分かると思います(メロディー自体はキャッチーなので少々後半のサウンドとは相性が悪いような気がしますが・・・)。
 サウンドの変化に合わせてか、それとも歌いたいことが変わったのか、上杉昇による歌詞の変化にも目を引きます。「僕をごらん そしていくらでも 笑いとばして」と、1曲目からいきなり自嘲気味に自らを語り出す「FLOWER」からインパクト大。続く「Love & Hate」では、自分の本心に怯えるような表現を使ってみたり、アルバムタイトル曲「PIECE OF MY SOUL」では「少しづつ 消えるくらいなら ひと思いに散ればいい?」と自問自答を繰り返してみたり。これ以前にも世を拗ねたような作風もあった彼の詞の世界ですが、このアルバムでは内省的な部分が大幅にパワーアップ。一年ぐらい前までは「Just a Lonely Boy♪」と明るく歌っていた姿からは想像できないというか・・・。聴きようによってはかつて「愛を語るより口づけをかわそう」とか「恋せよ乙女」などのキャッチーなラブソングでヒット街道を邁進していた自分自身、そしてそれを書かせていた(と思われる)ビーイング自体を揶揄しているという受け取り方も出来るでしょう。

 ・・・と、こう書くとこのアルバムはヘビーな曲ばかり?と思われそうですが、確かに大半はその作風で占めているという点は否めません。とはいえ、10曲中9曲の編曲を担当しているのが葉山たけし(「Secret Night」のみ池田大介)ということもあり、完全にハードな世界に突入というわけではなく、今作でのロック志向のサウンドに、かつてのWANDSのキャッチーなスパイスを加味することで、基本はハードなんだけども重すぎない、胃もたれのしないロックサウンド(っていう表現も変か)になっています。また、歌詞のほうも「Foolish OK」では「最上階の柵を越えて 自由を探すには まだ君は若い」と、少年少女の自殺に対してのメッセージを歌ったり、しがらみのある世の中、先は茨の道かもしれないけれど進もう、という決意表明のうかがえる「MILLION MILES AWAY」など、力強い曲もラインナップ。これらのおかげでアルバム自体が大分救われているというか、全編通してヘビーなのは間違いないですが、聴き終えての後味は悪くないと思います。

 このアルバムをリリース後、ライブツアーを経た彼らは、WANDSや柴崎浩名義による編曲のグランジ系サウンドに完全に移行し、歌詞も内省度をより濃くしたシングル「Same Side」、「WORST CRIME」を次々と発表。「以前とは全く異なる、新しい形としてのWANDS」をリスナーに示した形となりました。今までのファンを一気にふるいにかけたような状態になったわけですが、上記の2枚のシングルをもって上杉、柴崎両氏はWANDSを脱退。「Same Side」以降の作風でもう1枚オリジナルアルバムを作ってもらいたかっただけに、この脱退劇は今でもちょっと残念。

 その後、木村真也が新メンバー二人を抜擢して第郡WANDSがスタート。プロモーション方面で色々とあったことなど語りたいことはありますが(苦笑)、第挟とは別世界となり、切り離して考えるべきだと思うのでここでは詳しくは触れません。ただ、筆者は第機銑郡のどのWANDSのサウンドも好きな節操なしだったりするので^^;、期ごとの優劣を付けることはできませんが、いわゆる「ビーイング」という枠から一歩踏み出して、新たなサウンドを模索しつつ完成したこの「PIECE OF MY SOUL」が、WANDSのオリジナルアルバムの中では一番のお気に入りなのはこれからも変わることはないでしょう。

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