CD Review ヤ行

2017年10月14日 21:42

comealong3 2017年8月3日発売、山下達郎のコンピレーション・アルバム「COME ALONG」シリーズ第3弾。全13曲収録。

 「COME ALONG」シリーズは1979年にレコードショップの店頭演奏用レコードとして企画された、山下達郎非公認のコンピレーション盤が始まり。その辺りの詳しい説明はこちらを参考していただくとして、本作は1984年の「COME ALONG II」から実に33年振りに同シリーズとしてリリースが決定。本作発売の際に過去2作品も公認作品としてリマスターされ、3枚同時に発売の運びとなった経緯があります。

 コンピ盤ならではの要素として、通常のベストアルバムとは異なり、過去2作品にも参加していた小林克也が三度DJとして登板。いきなり1曲目の「Keoki la Molokai Kid 偉大なサーファー伝説?!」から3分強の間、英語でまくしたて、次曲の「CHEER UP! THE SUMMER」へとノンストップへと繋いだり、前曲と次曲の間には曲紹介や雑談などを含めたアナウンス(これも全部英語)を入れたりと、CD1枚約一時間弱のラジオ番組風で構成。本ブログの過去ログの中でも紹介しているDEENの「ナツベスト」的な演出がユニークで、例えばカーステなどに搭載して夏のドライブを楽しむ…などのニーズ(?)に応えた内容となっています。

 選曲は1983年以降の楽曲からシングル曲を中心にした夏向けセレクション。「高気圧ガール」「ドーナツ・ソング」、近年では「僕らの夏の夢」などを始めとしてタイアップ曲が満載で、達郎ファンでなくてもどこかで耳にしたような曲が取り揃えられ、軽快なDJとも相俟って聴き心地は最高。また、サマーソングコンピといっても陽気なナンバーだけではなく、終わりゆく夏へ哀愁を漂わせたり、過ぎ去った遠い夏の思い出を振り返る…といったメロウな曲も選ばれ、「さよなら夏の日」「Juvenileのテーマ 〜瞳の中のRainbow〜」などには筆者も思わず感傷的な気分になってしまいました。

 なお、大半が2012年のオールタイム・ベスト「OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜」にも収録(特にDisc.2)されており、同作を持っているとかなり被ってるな…という印象は否めないものの、「OPUS〜」にはないDJやノンストップ要素が加わり、なおかつCD1枚ということで、山下達郎に興味はあるけどいきなり重量級のベストアルバムは…と敬遠しているリスナー層への入り口(夏コンピなので「クリスマス・イブ」は入っていませんが)としては最適かも。本作を聴いてより興味が沸いた方は「OPUS〜」へと進んでもらうのはいかがでしょうか。

2017年09月03日 10:04

yamazakilife 2016年12月14日発売、山崎まさよし通算11作目のオリジナルアルバム。シングル「空へ」「君の名前」を含む全12曲収録。本編CDのみの初回盤、+ライブDVDが付属の特別盤の2形態でのリリース。

 ベスト盤を挟んで約3年3ヶ月振りのオリジナルアルバム。今回はデビューから間もない数年間での「ステレオ」シリーズや、「SHEEP」「アトリエ」以来となる山崎本人によるプログラミングを含めてすべて自身で楽器を演奏する自作自演アルバム(先行で出ていたシングル「空へ」を除く)。
 彼がこの手の録音をすると詞曲含めてプライベートな匂いが高まる傾向があるように思えるのですが、元々ギターのみならずピアノの腕もライブで披露したり、「ステレオ」シリーズなどを経て、曲単体ではひとり多重録音を行うこともあった経験の積み重ねもあってサウンド的には不慣れなところなどなく盤石。先述の「空へ」も違和感なくアルバムに溶け込んでいました。

 「アルバム全編を通して彼の人生観に沿った内容の作品」とアナウンスされている楽曲群に関しては、近年の詩人・山崎まさよしという印象を本作でも継続。ざっと挙げると、ネット社会を皮肉った(?)「Take Me There」「さなぎ」、ノスタルジー溢れる「ポラロイド写真」「カゲロウ」、スケールの大きい「パイオニア」から、非常にミニマムな「贈り物」まで、表現者としての一面を打ち出している辺りは前作と同様。裏ベストなどで見せたブッ飛んだ試みは陰を潜め、一聴してキャッチーではなく、じっくり聴くことで染み渡ってくる曲が多い…というのも近年の傾向といったところでしょうか。

 リードシングルを含め頭ひとつ抜けたような曲がなく全体的に地味…という点は拭えないのですが、安心安定の山崎まさよし節はいまなお健在でした。

2017年04月22日 22:14

yuzuextra 北川悠仁、岩沢厚治によるフォークデュオ・ゆず。1997年のインディーズデビューから今年で活動20周年を迎え、来たる4月26日には数々のヒット曲を収録した3枚組オールタイム・ベストアルバム「ゆずイロハ 1997-2017」の発売も迫ってきました。今回の「CD Review Extra」では、これまでに彼らがリリースしてきたベストアルバム4作品を1作ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2016年09月25日 12:00

yamazakiunder 2015年8月19日発売、デビュー20周年時企画としてシングルカップリング曲、配信限定曲、提供楽曲のセルフカバー他を収録した山崎まさよしの裏ベストアルバム。全18曲収録。

 同時発売のA面シングル集「ROSE PERIOD 〜the BEST 2005-2015〜」の兄弟盤であり、デビュー10周年記念時にリリースされたカップリング集「OUT OF THE BLUE」の続編たる本作。2004年以降にリリースされたシングルのカップリング曲のうちオリジナルアルバム未収録曲を一部バージョン違いを除いて収録、さらに配信限定シングルだった「心の手紙」の初CD音源化、山崎まさよし名義の作品には初収録となる「ホームタウン」「黄昏のビギン」の各カバー曲、タイアップソングとして既に発表されていた「青いタペストリー」「うたたね」の初音源化、さらにラストにはインディーズ時代に録音された「ビートルズメドレー」がボーナストラック的に収録されるなど、まさに全編ごった煮の内容になっています。

 曲順は発表時系列…と思いきや、なぜか最終盤に2004〜2005年の作品が収録されていたりと、若干意図が読めない並び方(笑)。楽曲の流れを考慮したオリジナルアルバムとは一線を画す混沌感が漂うのですが、曲単位で聴いてみると、実は彼のオリジナルアルバムや、「山崎まさよし」のイメージを重視せざるを得ないA面シングル集よりはっきり言って面白い、という印象。「non ignition」「幸せのBefore&After」のようなロック色強めの楽曲、往年の名曲を朗々とカバーした「君が好き」「浜辺の歌」、Eテレ教育番組に提供した「おなかとせなかがぺっタンゴ」のセルフカバーでは、言われなければ山崎本人だと判別できなさそうなバリトンボイスで熱唱するなど、アナザースタイル的な遊び心を加えた楽曲がとても愉快。

 今やオフィスオーガスタの屋台骨としてベテランの風格も漂ってきた山崎まさよし。もちろんそんな彼のパブリックイメージに沿った曲も良いですが、シングルカップリングを実験の場として、一定のクオリティを保ちつつ、良い意味で好き放題やっている、というナイスな「裏」を見せてくれていることを再認識した1枚でした。

2016年07月03日 13:09

yuzutowa 2016年1月13日発売、ゆず通算13枚目のオリジナルアルバム。シングル「OLA!!」「終わらない歌〔Album Version〕」、配信限定シングル「ポケット」「かける」「TOWA」を含む全14曲収録。初回限定盤としてライブCD+ドキュメントDVD+フォトブックを同梱した「COMPLETE BOX」も同時発売(本編CDの収録曲は同一)。

 公式特設サイトによれば、「これから世の中に出ていく新曲たちを、まずライブでファンの皆さんに聴いてほしい」ということで、収録曲をツアーで先行披露してからのアルバムリリースという流れだったそう。そんな本作ですが、「LAND」「新世界」と続いてきた賑やかなミュージックパーク的な雰囲気は引き続き継続。ゆずとの共同名義で前山田健一、蔦谷好位置、CHRYSANTHEMUM BRIDGE、そして寺岡呼人が各曲にサウンドプロデューサーとして参加しており、新旧の関係者が会したここ数年の路線の集大成的な印象も。

 アルバム収録曲はデジタルミュージックに接近した「かける」「TOWA」、オーケストレーションを導入した「みそら」、アコースティック+αの「いっぱい」「夕焼け雲」、バンドサウンドで固めた「た Ri ナ ぃ」「二人三脚〔Album Session〕」、アルバム中盤で登場するお馴染み(?)の「Interlude」など、相変わらずのバリエーションの広さの中、久々に原点たる二人のみの弾き語りフォーク調で締める「終わりの歌」が妙に新鮮…というのが如何に近年のゆずが攻めの姿勢を崩さない、というのを象徴している気もしました(笑)。

 ロックバンド路線、ストリングス路線、そしてEDM風など、弾き語りだけではない可能性を次々と試しサウンドを磨いてきた彼ら。これらはほとんど実を結び、「何をやってもゆず」という下地が既に出来上がりつつある昨今、先ほども書きましたが本作はまさにその集大成的なアルバム。果たして次の一手はどう来るのか、音楽性が変わりまくって興味の尽きないベテランというのも珍しいですが(笑)楽しみにしていたいと思います。

2016年03月26日 23:49

47 2016年3月2日発売、吉田山田の通算4枚目となるオリジナルアルバム。シングル「キミに会いたいな」「未来(Album Mix)」「Today,Tonight」を含む12曲に加え、通常盤にはボーナストラックとして「日々」の弾き語りバージョンが収録。初回限定盤は50ページのフォトブックレット付属のBOX仕様。本エントリーは通常盤のレビューとなります。

 ベスト「吉田山田シングルズ」を挟んで約2年ぶりのオリジナルアルバムとなる本作。これまではほぼ全曲に吉田山田+アレンジャーの表記があったのですが、本作の収録曲においては全7名のアレンジャーのみの単独クレジットであり、表記上は吉田山田がアレンジには全く関わっていない(レコーディングには吉田結威がほぼ全曲ギターで参加)という点が目についたのですが、「吉田山田シングルズ」でのシングル各曲で見せた純度の高いポップス「タイムマシン」「新しい世界へ」や、「告白」「母のうた」等のバラード曲を本作でもバランス良く配置。どの曲も王道ポップスの範疇内で、メンバーが関わっているかどうか以前に、アレンジャー各々の明確な個性は感じられず、ある意味ではまとまりの良い作品集となっています。

 まとまりの良さ、という点では詞曲においても同様の感想。シチュエーションは楽曲毎に異なるものの、青年から大人に変わる時期の男性のモノローグを真っ直ぐなメロディーに乗せて歌う、という点は全編において共通しており、筆者のような30代も終盤に差し掛かった世代には衒いがなくて眩しいぐらい(?)なのですが、恐らく彼らと同じぐらいの世代(20代後半ぐらい?)には共通項を見つけられる歌詞なのではないか、と思います。ただ、この路線が一般的に爆発的な支持を集められるか、と言われると…楽曲全般において突き抜けた個性とは言わないまでも、もうひと押し欲しいと言いますか、ちょっと優等生っぽいな〜、という印象も抱いてしまいました。

 ちなみにタイトルの「47〔ヨンナナ〕」とは、4枚目のオリジナルアルバムということと、結成7年目であるということを捩った、とのこと。このアルバムを引っ提げて今年4月から8月まで「47」都道府県ツアーを二人で敢行するそうで、まだまだ伸び代の可能性のある年代である彼ら、このツアーでもうひと山乗り越えて成長していって欲しいですね。

2015年11月01日 15:57

yuzu815yuzu816
 2015年9月9日発売、同年8月15、16日に開催された横浜スタジアムでの2days「ゆず 弾き語りライブ 2015 二人参客 in 横浜スタジアム」の模様をライブCD一枚ずつに編集して二枚同時リリースされた、ゆずのライブアルバム。各15曲収録。なお、二枚とも完全生産限定盤とのこと。この他に、ライブで披露されたものの、本作に未収録となったメドレー音源を2015年9月30日にはアナログ盤「NININ SANKYAKU YUZU MEGA MIX」としてこちらも生産限定でリリースされています。

 今回はライブタイトルにもある通り「弾き語り」をコンセプトにしたスペシャルライブだったようで、選曲された楽曲はストリートミュージシャンが出自である彼らの原点とも言える初期の楽曲を中心に、未発表曲の「公園」「流れ者」、比較的最近の「虹」「シシカバブー」「Hey和」「雨のち晴レルヤ」、そして最新シングル「終わらない歌」(この曲のみ関東大学マーチングバンドをゲストに招いての演奏)を織り交ぜた内容。さすがに初期曲は最近のライブでは披露されていないのか、演奏を始めた途端にオーディエンスの歓喜の悲鳴(?)があがるところもバッチリマイクが拾っています(笑)。各楽曲シームレスという流れではありませんが、MCもある程度収録されているので当日のライブの雰囲気はある程度再現されている、と言ってもよいのではないでしょうか。

 15日と16日とでは、前半のメニューがまったく異なり後半はほぼ一緒という構成になっており、今回のCD2枚のうちでも重複する曲が15曲中7曲あるのですが、比較的安定したプレイで終始する15日と異なり、16日は開演直後の雨の中で開催され、ゲリラ豪雨も降るという(「ジャニス」のあたりが顕著)天候のハプニングがありましたが、その効果なのか、ゆずの二人と観客の一体感をより強く感じました。両日とも代表曲を絡めたセットリストなのですが、MCも含めた「ライブ盤」ならではの空気を楽しめるのは16日に分があるかなという印象ですね。

 前作のライブアルバム「歌時記〜ふたりのビッグ(エッグ)ショー篇〜」(2001年)同様、ライブ終演後一ヶ月と経たないうちに早々とリリースされた本作。ライブの余韻がまだ記憶に残る時期のライブアルバムの発売は当日参加できなかったファンにも嬉しい配慮だと思います。

2015年10月25日 12:06

YAMAZAKIROSE 2015年8月19日発売、山崎まさよしのデビュー20周年を記念してリリースされたベストアルバム。全15曲収録。初回限定生産盤はカラーケース仕様に加え、CD収録曲+αのMVを収録したDVDが同梱の2枚組。

 20周年記念のベストですが、収録年代はサブタイトルの通り、直近の10年間。デビューからの10年間をまとめたものは2005年に「BLUE PERIOD」というシングルベストをリリースしており、本作はその直系の続編。「BLUE〜」は2003年までの全シングル+当時最新シングル「8月のクリスマス」を収録していましたが、本作は2004年のシングル+2005年の「8月のクリスマス」以外のシングル+それ以降にリリースされたシングルを時系列で並べる構成となり、ラストにボーナストラック的に収録された「One more time,One more chance」の未発表バージョン(後述)も含めて楽曲バージョン的には「BLUE〜」「ROSE〜」共に一切の重複はありません(なお、デビューから2006年までの全A面シングル曲とMVを収録したCD+DVDの「BLUE PERIOD」の期間限定生産盤も2008年に発売されており、こちらとは楽曲が4曲重複)。

 さて、ここ10年間の山崎まさよしの活動はというと、キャリアの代表曲となるような曲は生み出されてはいないものの、定期的にシングルをリリース、アルバムも2〜3年に一度リリースと、音楽シーンの前線からは若干退いた感もありますが、手堅い活動を続けているイメージ。本作に収録されたシングル群も、特に斬新な実験曲や、世間を驚かすような型破りな楽曲は見受けられない代わりに、ベテランらしい安定の「山崎まさよしブランド」を完全に確立しており、安心して聴ける内容。インパクトの面であまりシングルらしくない曲も正直あるのですが、叙情的な「メヌエット」、渋いアプローチの「アンジェラ」、彼の中ではポップ色の強い「花も嵐も」、泣きのバラード「花火」「アルタイルの涙」あたりが改めて印象に残りました。

 最後の2曲は初音源化の楽曲。翌月にシングルとしてリメイクされた「21世紀マン」はゆるいレゲエ風の雰囲気にやさぐれ調(?)な歌詞がマッチした佳曲。そしてラストに配置された「One more time,One more chance」は、ご存知名刺代わりのナンバーの「1993年制作DEMOトラックスVer.」とのこと。ピアノ音色をメインにしての弾き語りバージョンで、朴訥な味わいがあります。1997年発表の曲が4年前の段階で歌詞も含めてベーシックな部分が固まっていたとは驚きのテイクで、ベスト盤ならではのサービスといったところでしょうか。

 なお、同日にはカップリング曲を中心に構成された裏ベスト「UNDER THE ROSE 〜B-sides & Rarities 2005-2015〜」も発売。コアファンにとってはこちらのほうが嬉しい内容かもしれません。こちらもエントリーを改めて後日レビューしたいと思います。

2015年05月02日 11:43

yoshidayamada 2014年12月17日発売、吉田山田の初のシングルコレクションアルバム。全11曲収録。歌詞カードには各楽曲ごとにメンバーそれぞれの短いコメントが寄せられています。

 吉田結威(G&Vo)と山田義孝(Vo)の男性デュオ、吉田山田。2013年末にリリースされた「日々」がNHKみんなのうたに起用され話題となり、一躍お茶の間に知名度を広げた彼ら。本作はその「日々」(最新シングル)を1曲目に据え、デビューの2009年から現在に至るまでにリリースしてきた10枚のシングルA面曲を時系列を遡る形で収録し、最後に新曲の「逢いたくて」を配置した全シングル+αの内容となっています。
 ブレイク曲「日々」、そして新曲の「逢いたくて」はしっとりとしたアコースティックバラードなので、これが彼らの十八番の作風なのかと思っていたのですが、この2曲にサンドイッチされた過去の9曲のシングルはどの曲もかなりポップスに振り切った楽曲で、これが本来の彼らの持ち味なのでしょうか。「魔法のような」では島田昌典を共同アレンジャーに起用したのを筆頭に、櫻井正宏、前嶋康明、安部潤、田川伸治などの、日本のポップスシーンを影に日向に支えるミュージシャンの起用も合わせて、潤沢に音を重ねこんだトラックメイキングは00年代後半以降のポップスシーンの集大成といった趣も。

 作詞作曲面では、彼らの年代的にはプロフィールを見る限り(90年代末で高校生)、ゆずやコブクロを聴いて育った世代と考えられるのですが、初期のゆずほどフォークに特化しているわけでもなく、コブクロのように巧みな比喩表現等で解釈をリスナーの想像力に委ねるところもなく、良い意味で「世間擦れしていない青年」のモノローグをポップなメロディーに乗せました、といったところ。ボーカルも二人共親しみやすい声質の持ち主ですね。前述の楽曲コメントの中では『爽やか青春センチメンタルポジティブボーイズ』を自称(?)したりもしていますが、そんなに露骨なまでの超前向きソングはないと思うのですが(笑)自らの内なる領域に踏み込んだ「メリーゴーランド」や、葛藤しながらも走り続ける人生の様を歌った「ガムシャランナー」など、一言でポジティブといっても多角的なアプローチが散見されるあたりは特筆すべき点だと思います。

 5年間の活動をまとめたベスト盤として、アルバムの曲も何曲か入れても良かったと思いますが、まだオリジナルアルバム3枚というキャリアを考えると、シングル+新曲で50分と少しのコンパクトな構成にしたことで吉田山田の入門編としてはちょうど良いボリュームの作品。「日々」以外も奇を衒わない作風で、広い世代のリスナーからの支持を得られる可能性は十分予感できるアーティストだと感じました。

2015年02月14日 18:33

12aoi 2015年1月7日発売、山崎あおいのセカンドアルバム。シングル「スクランブル」「ふたりで歩けば」を含む全12曲収録。初回限定盤はライブ映像が収められたDVDが付属。また初回限定盤と通常盤初回プレスには応募者全員に「未発表新曲スペシャルCD」がプレゼントされるハガキが封入されているそうです。

 山崎あおいは北海道出身の21歳。2012年にメジャーデビューを果たした女性シンガーソングライター。本ブログにはあまり登場しないタイプのアーティストだと思いますが(笑)、昨年11月のシングル「ふたりで歩けば」が某アニメのエンディングテーマとして耳に入り興味を持ったところ、上手いタイミングでアルバムがリリースされたので借りてきた次第。
 ほとんど予備知識ナシで本作を手に取ったのですが、クレジットを手に取ると島田昌典、本間昭光、根岸孝旨といったサウンドプロデューサーや、笹路正徳、内田敏夫、河村智康、林部直樹などのミュージシャンといった、ジャパニーズポップス界の名手達が名を連ねていることもあり、楽曲アレンジはまさに王道中の王道。山崎あおい自身はギターを弾き語るタイプのシンガーのようですが、本作ではアコギを前面に押し出した曲はほぼ皆無。適度なバンドサウンドにストリングスやピアノ、オルガンが潤沢に乗った曲がたっぷりで、例えるならカラフルなクレヨンで色を重ねに重ねた…とでも表現すればいいのか、各プロデューサーやアレンジャーがしのぎを削って楽曲をポップなカラーに染め上げた結果、若干オーバープロデュースの感も。

 一方、作詞作曲はすべて本人ということで、彼女のパーソナルカラーがうかがえる作風になっていると思うのですが、本作の印象は「君と僕」あるいは「私と君」の世界。情景描写などは少なく、作品の主人公のモノローグを綴った曲が大半で、特定の相手に語りかけているような文体もあわせて、何だか若いカップル二人の交換日記を読んでいるような気恥ずかしさを感じた…のは筆者がいい年だからなのかもしれません(笑)。意外だったのは将来への不安や焦燥などを吐露した曲(「サカナ」や「モシモボクガ」)や、男女関係でもどこか漠然とした不安を抱えているような「Charade」など、結構ネガティブな詞が多かった点ですが、こういった迷ったり悩んでいる一面も本人の個性として出せるあたりは彼女と同世代ぐらいのリスナーには等身大イメージで共感を得やすいのかも、と感じました。

 歌い手としてはそれほど特徴のある声質やテクニックを駆使するわけでもないので中庸といった聴き心地であり、ポップなアレンジで楽曲に表情を付けている印象。そのアレンジが本作では全体的に一本調子でメリハリにやや欠ける、という点で損をしている面はあります。そこが改善されれば一段階上のステップに上がれるのではないでしょうか。まだまだ若くて発展途上でしょうから、今後も守りに入らずに挑戦的な姿勢で攻めていってほしいものです。

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