CD Review カ行

2020年06月06日 22:27

karashimacb 2020年5月6日、辛島美登里の公式サイト内の通販ページ「Karashimaya」にて販売が開始されたベストアルバム。全14曲収録。

 本来は今年の3〜4月に予定されていたコンサートツアーにて、会場限定販売されるはずだった本作(公式によると発売日はコンサート初日の3月20日)。新型コロナウィルスの影響で全公演が中止となり、それに伴って公式サイト限定での注文販売に切り替え。これによりライブ不参加、ファンクラブ未加入の一般層でも購入できるようになりました。なお発送の際にはアルバムジャケットに辛島本人の直筆サインとサインの日付が記されるサービス有り。注文してからは3〜4日程度で到着する(筆者在住の東京都の場合)など、迅速な対応で発送作業も行われているようです。

 曲目は昨年のシングルセレクトベスト「Carnation」同様の本人選曲に加えて各楽曲のライナーノーツが掲載。今回のメインは1995年から2003年までに在籍した東芝EMI時代からの11曲。加えて2004年にインディーズでリリースされた2曲+ボーナストラックとして新録の弾き語りバージョン「Emerald Dream(2020)」という構成。曲順は時系列ではなく全体の流れを考慮して組み上げられているようです。制作やリマスターには東芝EMIの原盤権を持つユニバーサルミュージックのスタッフがクレジットされている一方で、販売・発売元は彼女の事務所名義となっており、シンプルな歌詞カードの文字やさっぱりとしたCD盤面など、ハンドメイド的な印象も受けるデザインになっています。

 アルバムタイトルに倣ってか、収録曲は「春めく隠れ人気曲」(帯より)をセレクトしたとのこと。ただストレートに春!というイメージの曲は「春が来た!」「菜種時雨〜natane*shigure〜」ぐらいで、夏が近づく時期(「ブルーの季節」)が舞台だったり、季節感が限定されない曲が結構あり、「Carnation」で選ばれなかったシングル数曲+EMI時代からの季節を問わないアルバム曲選集、という表現が一番しっくりくるかも。さすがに在籍時の7枚のオリジナルアルバムの中から選抜しただけはあって佳曲揃い。報われない恋愛の歌がやはり(?)多数で、男の筆者の身からすると薄ら寒いようなテーマの歌詞もあったりするわけですが(苦笑)、ミディアム系を中心に曲調もバランス良く配置され、70分を超える収録時間ながら中盤過ぎ辺りで印象強いシングル曲を配置することで中弛みを抑え、最後まで一気に聴き通せるアルバムだと感じました。

 元々会場限定販売だったということもあり、「サイレント・イヴ」も「愛すること」も収録されていないコア寄りのベストですが、一般販売に変更された現時点では、公認・非公認合わせてどうしても似たような選曲になる王道ベストの次に聴く1枚として、ファンハウス時代の「Hello Goodbye」と同列のEMI時代アルバム曲中心ベスト、という立ち位置でしょうか。オリジナルアルバムの数も多いし、王道以外でももう少し辛島美登里の曲を知りたいけどどのアルバムを聴けばいいのか…というライトな層にも楽しんでもらえるベストセレクションだと思います。

2020年03月08日 14:03

KANPOPMUSIC 2020年2月26日発売、KANの通算35枚目となるニューシングル。表題曲・カップリング曲と各曲のカラオケバージョンの全4曲収録のCD+KAN本人が全編ダンスを踊るMVを収録したDVDの一種発売で、CD単独発売は無し。同時に各配信サイトでの販売もスタート。本エントリーは配信購入での2曲のレビューとなります。

 オリジナルアルバムや弾き語りライブアルバム、セルフカバーアルバムを挟んでちょうど5年振りのシングルとなるタイトル曲「ポップミュージック」は、既に昨年秋のライブツアーで未発表の新曲として演奏された3曲のうちの1曲。ツアーでは完全生演奏のバンドバージョンでしたが、CDバージョンではバンド風打ち込み+ストリングスという仕様で録音されており、マニア向けに冒頭サビ部分のパート割りの試聴ページが公開されています。ディスコ風の曲調、キャッチーなメロディーに「ポップってどんな意味?」と問いかける歌詞が何ともユニークで、まあ最近のKANらしい歌詞ではあると言いますか、何言ってんだコレ?という歌唱ブロックもあるものの(苦笑)、最終的には楽しく盛り上がれればOKみたいな、そんなナンバーといったところ。

 カップリングは「KANのChristmas Song(弦楽四重奏とともに)」。1992年末にリリースの楽曲を、近年定番の弦楽アレンジでセルフカバー。原曲は完全なアカペラ合唱曲だったのですが、今回はアカペラコーラス部分をストリングスが担当し、KANが単独でメロディーのみを歌唱。楽曲自体は短いながらも盤石というか予想通りの仕上がり。ただ、2月末の発売でクリスマスソングをチョイスしたというのが謎。昨年末リリースを目指していたけど間に合わずにずれ込んだ…という可能性もKANにとっては普通にありそうな気が(苦笑)。

 なお、フィジカルメディアに付属のDVDに収録されたMVのショートバージョンはこちら。90年代はライブで踊る用の楽曲を作ったりするなど精力的(?)に踊っていた彼の久々のダンス披露映像。まあさすがにあの頃と比べると…というのは失礼ながらありますが、せっかくだから次のライブでこの曲を演奏する時はステージでガッツリ踊る姿を見てみたいものです。

2020年01月12日 22:01

kan02 1990年末から1991年春にかけて「愛は勝つ」が大ヒットを記録、一躍知名度を大幅に上げたKAN。その後「プロポーズ」「KANのChristmas Song」「まゆみ」等の代表曲をリリースしながらポリドールには1995年まで在籍。今回の「Artist Archive」では、ポリドール後期に彼がリリースした全オリジナルアルバムを1枚ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。

※前編はこちら


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2019年07月28日 11:39

kobukuroall 2018年12月5日発売、結成20周年を迎えたコブクロ初のコンプリート・ベストアルバム。通常盤はCD4枚組全58曲収録。初回生産限定盤には歴代ライブ映像を収録したDVDが付属。さらにファンクラブ会員に向けた通常盤+ヒストリーDVDやメモリアルブックなどを同梱した限定盤も受注生産販売(現在は申込終了)。本レビューは通常盤となります。

 コブクロのベスト盤は今回が3作目。2006年に「ALL SINGLES BEST」、2012年にその続編をそれぞれリリースしていますが、今回は前2作を含めた20年間(メジャーデビューが2001年、それ以降の音源が対象なので厳密には17年間)から、シングル全曲に加え、カップリング、アルバム収録曲までをピックアップしたオールタイムベスト。収録順はリリース順ではなく楽曲の誕生順ということで、DISC 1ではデビュー曲「YELL 〜エール〜」が8曲目という遅いタイミングだったり、後年リリースされた「桜」「赤い糸」が冒頭を飾るなど、リリース順で追ってきたリスナーにとっては結構新鮮な並びに。DISC 2以降は基本的には楽曲誕生=リリースの流れのようで、ほぼ発表通りの並びになっています。DISC 4の6曲目「心」からがアルバム初収録。同ディスクの終盤には佐藤竹善、絢香、布袋夫妻とそれぞれコラボした歴代のシングルを収録し、ラストにインディーズ時代のデモ音源「桜 -1st demo tape-」を配置して締めくくっています。

 というわけでコブクロの楽曲変遷を一気に辿れる本作。大きく分けるとDISC 1は笹路正徳のプロデュースで曲を磨き、DISC 2の中盤からはセルフプロデュースに移行、「永遠にともに」「ここにしか咲かない花」「蕾」等、彼らの現在に至るまでの代表曲が誕生。個人的にも今でも印象に残る曲はこの辺りからDISC 3の中盤ぐらいまで、という感じ。その後のDISC 4に至るまで彼らの定番である「歌い上げ系バラード」がメインという印象のまま最新シングル「風をみつめて」まで到達。最新作のオリジナルアルバムではやや実験的に攻めたサウンドの曲も含まれていたのですが、今回はベストということでシングル曲の合間に挟まれる各アルバム収録曲も彼らの一般的なイメージから離れない楽曲が選ばれており、コブクロ側からのベスト選曲=王道のポップス路線を再確認。楽曲の完成度という点では文句はない一方、あまりに王道満載すぎて複数枚続けて聴くのはキツい…と思ったり(苦笑)。なお、ボーナストラック的な先述の「桜」のデモバージョンは1998年12月制作のデモテープからの音源だそうで、二人の声とギターだけのプロトタイプながら、楽曲の骨格は既にこの時点で完成していることが窺える貴重な音源。こういった路上出身ならではのシンプルな編成の曲もたまには…と思ってしまうのは筆者だけでしょうか。

 各DISCぎっちりの収録時間で総演奏時間は約5時間。最初にこのベストの収録曲リストを見た時は「正直選びすぎだろ…」と思いましたが、常に王道のポップスを作り続けてきた彼らの20年間の歩みを全シングル+αで選曲するならばこれぐらいのボリュームになるのかな、とまあまあ納得しています(笑)。超重量級のベストではありますが、オリジナルアルバムまでは…というリスナーはこれを1作持っていればここまでのコブクロの代表曲をアルバム曲含めほぼ網羅できるというのはなかなかお得(?)なアイテムかも。

2019年06月30日 14:42

kobayashishuffle 2019年3月27日発売、ドラマー小林陽一によるアート・ブレイキーのトリビュートアルバム。全9曲収録。

 今年はかつてジャズ・メッセンジャーズ(活動時期ごとにメンバーの入れ替わりがある可変バンド)を率いたアメリカのジャズドラマー、故アート・ブレイキーの生誕100周年。本作品はそれを記念し、「日本のアートブレイキー」という異名を持つ彼の手によるトリビュート作。小林が自身のバンド、ジャパニーズ・ジャズ・メッセンジャーズとして活動している時は基本的にメンバーは日本人メインなのですが、本作では日本人は小林一人。毎年来日しているヴィンセント・ハーリング(Alto Sax)を筆頭に、かつて在籍経験のある本家ジャズ・メッセンジャーズのメンバーを中心にニューヨークで録音が行われた一作となっています。

 トリビュート作ということで選曲はジャズ・メッセンジャーズ関連の楽曲がメイン。アート・ブレイキーの一般的な代表曲といえる「Moanin'」「Along Came Betty」「Dat Dere」など歴代メッセンジャーズのメンバーによる著名作をピックアップ。小林も1曲目のタイトル曲を自作。この曲はいかにもブレイキー!みたいなドラムロールで始まるあたりコンセプトを踏まえたナイスな導入。他の曲は各演奏陣が原曲(といっても年代ごとに何パターンも録音されている楽曲が多いのでベーシックな部分、と言うべきでしょうか)を極端に弄ったりはせずに、往年のメッセンジャーズを忠実に再現している感じ。ブレイキーのドラムはとにかく目立つ!というイメージがあるのですが、インタビューの通り本作での小林のドラムプレイは全体のリードをしながらソロもぼちぼちという感じで、CDブックレットでも解説していた彼の描くブレイキー像を形にしたとも思える聴きやすい演奏に終始しています。

 個人的にはラストに収められたバラード「For Heaven's Sake」での各プレイヤーの情感溢れるソロ回しには感動を覚えました。スタジオ録音ということもあり各曲の演奏時間も比較的コンパクト。ライブ的な熱いノリとは無縁の、リラックスしたジャズ作品として聴ける1枚です。

2019年04月14日 17:48

karashimacarnation 2019年2月27日発売、デビュー30周年を記念してリリースされた辛島美登里のベストアルバム。全17曲。CD1枚ながら収録時間は83分に及ぶ大容量仕様。ラストに表題曲の「カーネーション」が新曲として収録。

 辛島美登里のベストアルバムの多さに関しましては以前こちらで特集しましたが、公認ベストとしてはデビュー10周年目の「EVER GREEN」、デビュー20周年目の「Alltime Best」と、きっちりと節目でリリースしてきている彼女。今回はデビューからこれまでリリースしてきた全シングル曲(カップリング曲も含む)の中から本人が選曲するというコンセプトで編まれたシングルズベスト。「明日へのターン」(「愛すること」c/w)が24年の時を経てアルバム初収録。歌詞ブックレットの巻末には1頁4曲ずつのセルフライナーノーツが掲載され、これまで語られなかったエピソードなども綴られています。

 曲順は公式デビュー前に作家として永井真理子に提供し注目されるきっかけとなった「瞳・元気」(の1993年時のセルフカバーバージョン)から始まり、以降はデビュー曲「時間旅行」からリリース順に収録。ただし、ヒット曲「あなたは知らない」は2014年のオリジナルアルバムの中のリメイクバージョンで15曲目に収録、お馴染み「サイレント・イヴ」は今回改めてピアノ弾き語りの一発録音にて16曲目に収録と、従来のベストとは趣を異にしています。
 選曲に関しては「笑顔を探して」「愛すること」「あなたの愛になりたい」などは当然の如く収録されており特にコメントすることもないのですが(笑)、興味深いのは本人選曲ならではの側面が出たその他のシングル曲のセレクト。特に松井五郎に作詞を依頼した「くちづけは永遠に終わらない」、エスニックな雰囲気の「交差点」「湖」など、彼女のキャリアの中では異色作と思える楽曲が選ばれたのは意外だったのですが、それも前述のセルフライナーノーツを読めば納得。どうやら辛島自身が「現時点での本人の心境からセレクトしたシングル曲」のようで、同じく本人選曲の「Alltime〜」から10年経った、彼女のリアルタイムな気分をパッケージしたベストと呼べるのかも。

 欲を言えば、せっかくのアニバーサリーなのだからいっそ30枚以上ある全シングルを2枚組にして出すとか、未だにアルバム未収録のファンハウス最終作「流されながら」を救済してほしいとか、2000年以降のシングル曲はインディー時代も含めて相変わらず選ばれないとか、まあ色々思うことはあるのですが(笑)、ラストに収録の新曲も彼女らしい良バラードですし、とりあえず新たな辛島入門編ベストが誕生したということで、彼女の曲に興味のある方は本作からまずどうぞ。

2019年03月03日 14:46

kan0 1987年にポリドールよりデビュー、1990年にシングル「愛は勝つ」でダブルミリオンに達する特大のヒットを放ち、その後はレコード会社移籍やフランスへの移住での活動休止、帰国後は楽曲提供や企画ユニットに参加する傍ら、マイペースなリリース活動とエンタメ性溢れる(笑)ライブ活動で地道に日本のミュージックシーンを渡り歩いているKAN。今回の「Artist Archive」は、そんな彼がかつて在籍したポリドール時代約10年の中から、前半にあたる1990年までにリリースされた全オリジナルアルバムを1作ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2019年02月24日 20:44

going20th 2018年12月12日発売、通算3作目となるGOING UNDER GROUNDのベストアルバム。2枚組全30曲収録。

 メジャーデビュー5周年時、武道館公演を目前にしての2006年に1作目、CDデビュー10周年時の2008年に2作目のベストアルバムを、当時所属のビクターからそれぞれリリースしている彼ら。その後、五人いたメンバーのうち二人が脱退、レコード会社を移籍、さらにインディーズに移行し、所属事務所からも離れるという激動史を経て新体制となって約10年。通常のリリース活動やライブの他にも特設サイトを作り、初期作3枚のセルフカバーアルバムを制作するなど精力的に活動を続けてきた2018年の締めくくりとして、ファーストCD「Cello」のリリースからちょうど20年を経た12月12日に20年間の活動を総括したオールタイムベストをリリース。ビクター、ポニーキャニオン、インディーズレーベルといったレーベルの枠を超え現メンバー三人が選曲、加えて今まで一般流通されていなかった「parade」「Winding Road」の2曲が初CD化。全曲リマスター仕様となっています。

 収録順は時系列順。DISC 1は1998〜2006年の途中までを選曲。この収録範囲は過去の2作のベストと完全に被っており、3曲目の「グラフティー」以降は本作同様メンバー選曲だった1作目のベストとほぼ重複の内容なので正直真新しさはなし。それでも1曲目の「チェロ」のいかにも当時のインディーズ、といった演奏・歌唱技術の荒々しさからのスタートから、メジャーデビューを果たすと共に楽曲も演奏もどんどん垢抜けていき、今でも一般的にも彼らの代表曲と呼ばれ続ける「トワイライト」、かつて呼ばれた青春センチメンタルバンド(?)ド直球の「ダイアリー」「ハートビート」「サンキュー」「同じ月を見てた」、最大ヒットの「STAND BY ME」あたりが連発される中盤からの流れは最高。後年ボーカルの松本素生はこの辺りの曲をインタビューで「一番売りに走っていた時期」的な発言をしていて若干ショックだったのですが(苦笑)、それでも本作では選曲してくるあたり、彼らの歴史上大事な曲だということなのでしょう。ベスト初収録となった5thアルバム曲「パスポート」もシングル級の名曲だと思っていたので、この機会に陽の目を見て個人的に嬉しいところです。

 DISC 2は2006年の途中から2017年までを選曲(2018年のシングルやアルバムからの選曲はなし)。こちらは万遍なく選曲していたDISC 1とは異なり、キーボードの伊藤洋一が在籍していた2009年春までの3年間(1〜5曲目)と、四人編成時代の2015年初頭までの5年間(6〜8曲目)、ドラムスの河野丈洋が脱退して三人になったそれ以降3年間(9〜15曲目)と、四人時代あまりに選ばなさすぎ、三人時代選びまくり、という偏ったラインナップ。四人時代の選曲がポニーキャニオン移籍1年目のシングル2作(+今回初収録の「Winding〜」)のみというのも極端っぷりに拍車をかけている印象がしてしまうのですが、これもメンバーにとっては近年のインタビューで度々発言している「四人時代は辛いことが多すぎて思い出したくないようなことばかり」(大意)だった時期だそうなので、メンバーが主観的に選曲したという要素が最も色濃く出ている部分だと思いますが、筆者としては末光篤とのコラボなどは好印象だったので選曲漏れしてしまったのは残念。とはいえ新体制後の初シングルでアルバム初収録となった「もう夢は見ないことにした」を始め、「Teenage last」「あたらしい」といったアルバムリード的な佳曲はしっかり選ばれており、現状のゴーイングの順調さを見せてアルバムを締めた点は良い流れですし、帯にあった「入門編としても完璧!」という煽り文も(メンバーにとっての迷走期をカットしたという意味で)納得の内容になっていると思いました。

 以上のように選曲的にはメンバーの意志が読み取れるベストアルバム。歌詞ブックレットには現メンバーの下に「ex.GOING UNDER GROUND」として伊藤・河野の両名の名前が記載してあったり、彼らの脱退後にレコーディングに参加した橋口靖正(故人)をはじめとしたミュージシャンの名前があったりという配慮が嬉しい一方、クレジットの誤植(「Teenage last」の歌詞が…)が見受けられるなどアチャーな部分も見受けられる(2作目のベストの時もやらかし誤植の前歴あり)のが玉に瑕?イメージとしては1作目のベストのやり直し拡大オールタイムという感じなので、これからゴーイングを聴きたい人には現時点では一番適したアイテムだと思われます。

2018年12月24日 14:50

tkattkak
 2018年6月27日発売、今年1月をもって自発的な音楽活動からの引退を表明した小室哲哉が、これまでに手がけてきた楽曲提供・プロデュース業に携わった楽曲の数々から100曲をセレクトし、「T盤」「K盤」のそれぞれ4枚組CDとして各50曲ずつ振り分けたコンピレーションアルバム。同時発売の「TETSUYA KOMURO ARCHIVES BOX」は、「T」「K」両盤に加え、これらに収めきれなかった楽曲14曲をボーナスディスクの「+盤」として同梱し、全曲解説ブックレットを封入した9枚組。今回は通常発売盤のレビューとなります。

 発売元は小室が現在所属のavexからですが、かつての所属のSONY系をはじめ、各レコード会社の協力を得て練り上げられた彼のプロデューサーとしてのオールタイムベスト、という趣。収録曲はディスク毎に時系列順に並べられており、てっきり「T」が活動前半、「K」が活動後半と分けられているのかと思いきや、上手い具合にシャッフルされており、時系列順で聴きたい場合は以下のような流れとなります。
 ・1980年〜1988年3月(「T盤」DISC 1)
 ・1988年7月〜1994年7月(「K盤」DISC 1)
 ・1995年2月〜1995年10月(「K盤」DISC 2)
 ・1995年10月〜1996年12月(「T盤」DISC 2)
 ・1997年1月〜2001年12月(「T盤」DISC 3)
 ・2001年12月〜2011年5月(「K盤」DISC 3)
 ・2011年5月〜2016年2月(「T盤」DISC 4)
 ・2016年3月〜2018年6月(「K盤」DISC 4)
 なぜこの分割にしたかの基準が若干謎なのですが(笑)、それぞれ独立してはいるものの、「T盤」「K盤」の2つを組み合わせ、順序立てて聴くのが理想の聴き方ではないでしょうか。

 さて、全100曲をレビュー…というわけにもいきませんので通史的にレビューを。今回収録された一番古い曲は1980年7月の「愛しのリナ」(Missオレンジ・ショック)。これが小室の初プロデュース作品だそうなのですが、当時の時代性があるとはいえこれは今聴くと相当お寒いトラック(苦笑)。続くTMの前身的なバンドで小室も一時参加していた「OH! ミステイク」(スピードウェイ)も、正直これじゃ売れないよな…というような手探り感が満載。転じて約6年後の出世作「My Revolution」(渡辺美里)以降は、徐々に小室メロディーが洗練されてきて、「Get Wild」(TM NETWORK)などのヒットシーンに爪跡を残した曲達が誕生。そしてTMを「終了」させ、プロデュース業に軸足を置き大成功を収めた時期の楽曲が次々と登場する中期のディスクでは、trf、篠原涼子、安室奈美恵、華原朋美、H Jungle with t、そしてglobeといったTKファミリーの面々が名を連ね豪華絢爛。特に「T盤」「K盤」共にDISC 2の充実ぶりには目を見張るものがあります。その後ピークが下火になりながらもある程度ヒットは出してはいましたが、やはりこの時期に勝るインパクトのある作品はないな、と思ってしまったのが正直なところ。

 そんな小室も21世紀に突入する頃には王道ヒット路線からマニア志向路線に傾倒したこともありヒット作が出せなくなり、やがて2008年には例の事件で逮捕に(2004〜2009年の作品が今回は一切含まれていないのがある意味すごい露骨^^;)。その後の復活作は最新ユニットのPANDORAも含めてCD約3枚分にわたって収録されているのですが、プロデュース全盛期の作品が選びきれないほどの充実さに比べると、こちらはちょっと選び過ぎ、という印象も。個人的には「22世紀への架け橋」(小室哲哉 VS ヒャダイン)が選ばれたのは嬉しいですが。まあ正直「小室哲哉って逮捕された後も活動してたんだ」みたいな認識のリスナーも存在すると思われるので、活動再開後も積極的にプロデュース業を行っていたという実績がここで示せた、というのは良かったかな、とも思います。

 プロデュース全盛期「だけ」を聴きたいリスナーには2000年のコンピ、もう少し踏み込んだ形で聴きたいリスナーには2006年のコンピ二部作(S盤a盤)があり、本作はそのボリュームも含めてライト層向けではない、小室の実績を深く知りたい人向け。100曲もあるとさすがに時間も体力も使いますので聴き時は計画的に(笑)。なおここで締めるのも何なので、最後に今回収録されなかった小室関連の楽曲の中から、管理人が選んだ10選を「続きを読む」にて書き記しておきます。ご興味のある方はどうぞ。続きを読む

2018年12月02日 11:23

KARA 1983年にヤマハのポプコンでグランプリを獲得、その後、永井真理子への楽曲提供やキングレコードのアニメ関連の挿入歌を手掛けた前史を経て、1989年に公式デビューを果たした辛島美登里。活動前期はファンハウス、中期は東芝EMI、後期はソニー、テイチク、ユニバーサルを渡り歩くなど、所属レコード会社の移籍遍歴が多く、過去所属していたこれらのレコード会社からベストアルバムが数多くリリースされています。年の瀬も押し迫り、ヒット曲「サイレント・イヴ」の季節が到来間近ということもあり、今回の「CD Review Extra」では、そんな彼女の公式デビュー以降の楽曲を扱った全ベストアルバムをレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

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