scizzorsagogo 三連休の最終日に間に合いました(苦笑)。「今週の1枚」、本日ご紹介しますのは、シザーズのミニアルバム、その名も「シザーズ ア ゴーゴー!!!」。2004年9月15日発売。おお、ちょうど4年前の今日が発売日だったんですね。

 アルバムの前に、まずはシザーズの紹介から。彼らは2002年結成の、ギターボーカル、ベース&コーラス、ドラムス&コーラスというスリーピースロックバンド。2003年にデビューアルバムをリリースし、かのNHKの深夜番組「熱唱オンエアバトル」でのオンエア経験もあるそうです。ちなみに筆者はひょっとしたら、かつて所属していた部活の合宿で、メンバーの一人が所属していた他校の団体とニアミスしていた可能性があるらしいです。もちろん直接どころか間接的にも面識はありませんが(笑)。

 そんなシザーズがリリースしたこのミニアルバム。4曲入りと曲数は少ないものの、これがなかなか聴きごたえがあって楽しいアルバム。ジャンルはというと、パンクロックが根底にある・・・と思うのですが、「sunrise」の序盤ではヒップホップ調のアレンジを生バンドで演奏したり、「你好★シャイン」では真っ直ぐでキャッチーなメロディーをコーラスワークで支えたり、「フィーバー フィーバー」では三連でまったり始まったと思いきや、終盤いきなり加速して聴き手を驚かせたり、など、ひとつのジャンルにとらわれない自由な作風が聴いていて感じ取れる内容になっています。

 今挙げた3曲は、歌詞も英語+日本語で構成される前向きな内容ということもあり、一言でいえば「爽快」といった聴き心地で、非常に風通しの良さを実感できるのですが、ラストの「バイバイ。」では空間系エフェクターかけまくりのトランスしそうな渦のような(笑)ギターサウンドで別れを切々と歌いつつも、こちらもなぜか後味は爽やか。なんでもこのアルバム、「気持ち良さ」を詰め込んで作り上げたらしく、様々な音楽性を取り込みつつも、アルバム全体をこのテーマ(気持ち良さ)で貫いているおかげで、一本芯の通った作品になっています。
 また、親しみやすく、惹きつけられるメロディーをしっかりと書けている曲が多いのも特徴(これはデビューアルバムでもそう感じました)で、良い意味で「メジャー向き」のバンドだなぁ、と思わせるアルバムでありバンドであると思いました。それにしても、こんなアルバムが作れるバンドが自分とほぼ同年代だという事実には少し嫉妬の念すらおぼえます(←見苦しいぞ・笑)。

 あと、このアルバムのジャケット、何かいいんですよね〜。スリーピースのトライアングルシフトで、メンバー三人がそれぞれ三角形の頂点の部分に配置されているジャケ写なんですが、シンプルながらバンドを見事に記号化していて、センスを感じさせるアートワークではないでしょうか。

 この後、シザーズは2006年にメジャーレーベルからアルバムをリリースしましたが、数ヵ月後残念ながら活動停止(=事実上の解散?)になってしまった模様。こういうバンドがメジャーの表舞台に出て、音楽シーンを賑わせてくれる可能性があっただけに残念。すでにこのミニアルバムは全国量販店でも取り扱い終了ということで、入手は難しいのかもしれませんが、こういった元気で、爽快で、溌剌としたサウンドを聴かせてくれる三人組がいた、ということを、記憶の中で今後も風化させないでいきたいと思っております。好バンドでした。