thesoul 8月限定の特別企画「ベストアルバム特集」第4弾としてご紹介する「今週の1枚」は、ドリカムことDREAMS COME TRUEの「GREATEST HITS“THE SOUL”」。2000年2月14日発売。

 本作品は、公式リリースとしては「初の」ベストアルバム。これを遡ること4年前の1997年には、前に所属していたレコード会社による、メンバーの意志とは無関係にリリースされたベスト「THE BEST OF DREAMS COME TRUE」というCD(確か発売日がGLAYの「REVIEW」と同じ日だった・・・)が出ていましたが、今回のベスト盤の発売でそちらは廃盤となりました。その辺のアレコレはこちらを参照していただくとして、今作は、ドリカムがこの時点での最新アルバム「the Monster」までに世に送り出してきた、全作品130曲の中から、ファン投票によって選曲された31曲+新曲(インスト)をCD2枚組にパッケージ。ファンの声を取り入れたベストアルバムとなっています。

 2枚組で各ディスク16曲入りと、かなりのボリュームなわけですが、面白いなと思ったのがディスク1、ディスク2に割り振られた曲目。時系列順に並べられているのではなく、ディスク1は「A theme of the WONDERLAND」というインストからスタートし、「うれしい!たのしい!大好き!」「決戦は金曜日」「笑顔の行方」「うれしはずかし朝帰り」「晴れたらいいね」「朝がまた来る」・・・といった、代表曲、ヒットシングルを中心に構成したドリカムの入門的なセレクション。対するディスク2は、最大セールスの「LOVE LOVE LOVE」を筆頭に、「愛してる 愛してた」「未来予想図」「未来予想図供廖巫葯瓩侶遏廖LOVE GOES ON・・・」といった、アルバムからの選曲である珠玉のバラード〜ミディアムナンバーを集めた、やや上級者向けのセレクションと、それぞれコンセプトが異なるという、「2枚組という体裁を取りながらも、違うテーマのアルバムが2枚入っている」ような意匠を凝らした構成になっています。

 さて、2枚のCDで1988年から1999年までのドリカムの名曲・佳曲を一気に楽しむことができる今作ですが、こうやってまとめて聴いてみると、初期の時点からすでに吉田美和の唯一無二の歌声と作詞のセンス、中村正人の偏執的ともいえるサウンドメイキングを含めた作品のバランスはほぼ完成を見ていたのではないか?と思うぐらい各楽曲のレベルは高いと思います。泣きの名バラード「悲しいKiss」なんてデビューアルバムからの曲だし、ファン投票の結果、ほぼすべてのアルバムから1曲ぐらいずつアルバムの曲が選ばれているのも各アルバムのクオリティを証明しているような気がします。東芝EMIに移籍後の作品は、彼らがワールドワイドな方向に視野を向けていた関係もあったのか、「あはは」「なんて恋したんだろ」「三日月」あたりは歌詞とは裏腹に、凝りまくっているサウンドがやたら高尚に聴こえてしまって耳につく(笑)という点もありますが、マニアックになりそうな曲構成でも、ちゃんとポピュラリティーな側面も残しているあたりはさすがだと思いました。
 惜しむらくは、彼らのヒットシングルが完全には網羅されていないというところ。ファン投票を反映した結果、「さよならを待ってる」「Eyes to me」「go for it!」「ROMANCE」といったヒット曲が抜けているのは残念。まあ、あと欲をいえば「WINTER SONG」じゃなくて「雪のクリスマス」を入れて欲しかったなぁ〜・・・とかいうのはワガママ過ぎますか(苦笑)。

 最後に、恒例(?)のその他ベストアルバム情報。この後、2003年〜2004年にかけて、「DREAMAGE」「DREAMANIA」という、バラードベスト、ポップスベストがそれぞれリリースされています。今作「THE SOUL」も含めて、ドリカムのベストはどれも2枚組の大ボリュームで、初心者にはお腹いっぱいになってしまう内容かもしれません。それだけヒット曲が多いという証明でもあるのですが。エピック時代のシングル曲に関しては、例の非公式ベスト「THE BEST OF〜」が一番入門編には適しているとは思いますが、発売の経緯などを見るとあまり薦められないんですよね(苦笑)。まあ、ドリカム入門としては、とりあえずこの「THE SOUL」を手にして、まずは王道で親しみやすい曲が満載のディスク1だけを大いに楽しんで、「もっと彼らの曲を聴きたい!」と思ったところで、アルバム曲が潤沢なディスク2に進むいうのがお薦めです。一気に32曲を聴くのはちょっとライトリスナー的にはボリュームありすぎて辛いかな、と思うので・・・。