tmsingles 2008年5月28日発売。TM NETWORKのエピック在籍時代のシングルタイトル曲をリリース順に並べたベストアルバム。「THE SINGLES 1」の名が示す通り、今回は1984年〜1988年(途中)までに発売されたシングルを収録しています。

 正直、「またベスト?これで何作目だよ?」ということは以前にも記事として書いていまして、しかも今回は1996年のシングル全集「TIME CAPSULE -all the singles-」のディスク1とほぼ同じ内容…ということで、リマスタリングはされてるとはいえ、初回盤付属の未発表ライブ音源ディスク以外は果たして存在理由はあるのか?と思うのですが、結局レンタルという形で借りてしまいました(苦笑)。
 エピックのここ数年のTM商法にはうんざりしているんですが、アルバムの内容には満足しています。「金曜日のライオン」でデビューを飾り、「Get Wild」でブレイク、そして「BEYOND THE TIME」「SEVEN DAYS WAR」と、ヒット曲を連発して人気を不動のものとした、1988年までの彼らの歩みを順番に聴いていくと、「ああ、やっぱり良い曲多いなぁ」という感想にどうしてもなってしまうんで(笑)。これらの作品、具体的には「Come On Let's Dance」や「Self Control」ぐらいからの、TM NETWORKとしての個性が花開いた時期のシングル群は、今聴いても懐かしさこそ覚えるものの、古臭く感じることはありません。常に「新しい音」を求めて攻撃的に音楽性を変化させていった、若き日の小室哲哉の勢いや野心を感じることができるアルバムだと思います。

 ちなみに、初回盤の特典ディスクにも少し触れておくと、デビュー当時のライブ音源を6曲+シングルのカップリング4曲を収録。ライブ音源は「永遠のパスポート」がスタジオ録音盤と歌詞が全然違うなど聴きどころはあるものの、あくまでコレクターズアイテムといったところ。秋にも特典付きの「THE SINGLES 2」が出るようですが、むしろ、「未発表音源」だけをコンパイルしたアルバムを出したほうがファンにとっても喜ばれると思うんですがねぇ…。同内容のベストを乱発するよりも、もっとニーズのあるようなリリースを望みたいところです。