
シングル曲を中心に構成されたベストアルバムは何度かリリースしているものの、オリジナル音源でのベストとしては(大人の事情で?)今回久しぶりの登場。デビュー曲「このまま君だけを奪い去りたい」から、最新(といっても2006年か)シングルの「ダイヤモンド」まで、リリース順に2枚組のボリュームでたっぷりと収録。
「瞳そらさないで」「ひとりじゃない」「夢であるように」などの王道のビーイングサウンド期、「手ごたえのない愛」に代表される切れ味鋭いロックサウンドを前面に出した時期、「JUST ONE」「MY LOVE」といった名バラードを生み出した時期、思わぬ方向性の変化に当時驚いた「太陽と花びら」などのAOR期、そして現在に至るDEEN's ROCK時代と、15年間の音楽性の変遷を存分に味わえる内容になっています。
また、前述の通りオリジナル音源での収録ではありますが、特にDisc2に収録されている1999年以降の曲は、シングル盤では強調されていた音が引っ込んでいたり、逆にシングル盤では目立たなかった音が聴こえるようになっていたりと、リマスタリング以上のミックスが施されているようです。具体的に挙げると「哀しみの向こう側」「ユートピアは見えてるのに」(ストリングス強調)、「Birthday eve」(ベース音後退、他の楽器が前面に)、「レールのない空へ」(女性のコーラスが強調)、「STRONG SOUL」(ギターの音が控え目)など。コアなファンであればあるほど気になるこれらの部分、新旧の音源で聴き比べしてみるのも面白いのかもしれません(マニアックな楽しみ方ですが^^;)。もちろん、DEEN初心者の方の入門編としても問題なく聴けるアルバムだと思います。
ノスタルジックな感覚を残しながらも、未来へ向かう決意を歌う新曲「明日へ向かう道」も収録され、ここでゴールではなく、また新たな一歩を踏み出したDEEN。6月8日には日本武道館でライブが控えています。筆者ももちろん参加。思い出に残る一日になることを期待します!
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