tsubasawohirogete 2008年4月9日発売、ZARDの44枚目のシングルは、坂井泉水が1993年にDEENに作詞提供した「翼を広げて」の初公開のセルフカヴァーと、ZARDのデビューシングルのカップリングだった「愛は暗闇の中で」のリアレンジバージョンを収録した両A面。

 「翼を広げて」は、オリジナルのDEENバージョンにわりと忠実なアレンジ。違う点は、中盤〜後半にかけてコーラス陣が登場して力強く盛り上がる原曲とは逆に、最後まで坂井泉水の独唱で終わるところでしょうか。集団でエールを贈るというよりも、個人が個人に対してエールを贈っているような聴き心地という印象を持ちました。
 ところで、この曲の編曲クレジットは何と明石昌夫。明石氏は当時のビーイングの主力アレンジャーでしたが、脱退後近年は直接ビーイングとの関わりはないようなので、今回の音源は在籍当時のベーシックアレンジを元に作り上げたものなのか、それとも既にレコーディングまでしていたけれどお蔵入りになったものだったのでしょうか?

 もう一つのA面「愛は暗闇の中で」は、featuring 上木彩矢というクレジットの通り、坂井泉水と上木彩矢のダブルヴォーカル状態。常に二人が歌っていてどちらの声も均等に聴こえるのですが、この二人の声の相性は結構良いみたいです。最初で最後のコラボなのかもしれませんが・・・。
 アレンジは森下志音。追悼ライブでギターを担当していたNaifuというバンドの人だそうです。エッジの効いたギターが全編にわたって聞こえるデジタルロックに生まれ変わって、新曲のような気持ちで聴くことができました。ナイスアレンジ!

 ・・・何でも、5月下旬に全シングルを収めたボックスセットが発売されるそうで。これでZARDのシングルリリースは最後ということなのかもしれませんが、だとしても、有終を飾るのに相応しい2曲だと思いました。