ここ数年は、カヴァーアルバム「VOCALIST」シリーズで歌い手としての再評価が高まっている徳永英明。今週の1枚は、1989年5月21日発売の彼の5枚目のオリジナルアルバム「Realize」をご紹介します。
徳永英明自身のインタビューでもかなりの頻度で語られたと思うのですが、基本的にはソングライターである自分が、提供楽曲である「輝きながら・・・」を歌ったところ大ヒットしてしまい、この曲のイメージだけでバラードシンガーと括られることに悩み苦しんだ時期があったそうです。
世間の認識と自分の意識とのズレに葛藤しながら、名曲「最後の言い訳」が誕生。本人作曲のこの曲が評価を得たことで彼自身の精神状態が好転したのか、翌年発表されたアルバム「Realize」は、そのアルバムタイトル(現実を把握する)という一見重そうな印象とは裏腹に、人間的に一皮むけたかのような、現実の悩み苦しみではなく、喜びや楽しさを前面に押し出した、とても風通しの良い作品になっています。心なしか、ブックレットの本人の写真もどこか自信に溢れているような・・・?
このアルバムの特徴は、各作品の歌詞に頻出する「空」という言葉。そして、「風」を感じさせる、濁りのない爽やかなサウンド。この二点が相俟って、歌詞のテーマは壮大なものもあるのに、聴いていて疲れない、むしろ心地良いぐらい、何か脳からα派が出ているかのようなリラクゼーション的な空気を体感(聴感?)できるところでしょうか。
具体的に一曲目から順に追っていくと、オープニングの「君の青」でいきなり雄大な空の中に聴き手を誘い、2曲目の「眠れない夜」は、現実社会をシビアに綴りながらも、前述のアレンジのおかげかそれほど重たくならず、メッセージも心の中に突き刺さるのではなく、スッと心の中に溶け込んでいく感じの一曲。表現力に長けた彼のヴォーカルで、空の情景がダイレクトに浮かび上がってくる「ラバーズ」に続き、本人が嫌っていたバラード歌手としてのイメージに対する踏ん切りがついたかのような「You're in the sky〜Eolia〜」から3曲続くバラードでは、ただ甘いだけではなく、渋みのあるストーリーが彼の手による言葉で描かれ、作詞家としての徳永英明の成長がうかがえると思います。
地に足をつけた決意表明ソング「MYSELF」(「地に足を〜」と言いながらサブタイトルは「風になりたい」だけど・笑)、シングルでのピアノのフレーズをオルガンに置き換えて、教会音楽風にリミックスされた「最後の言い訳」と、シングル曲の配置にも無駄がなく、一通り聴いた後で思ったのは、このタイトルの「Realize」というのは、1989年当時の徳永英明の「現実=今の自分の音楽に対する充実感」を表したアルバムタイトルだったのかなぁ?ということ。本当のところは分かりませんが、筆者は勝手に邪推したりしています。
「VOCALIST」シリーズや、バラードベストで彼の音楽を知り、過去のオリジナル作品に触れてみたいというリスナーの方には、聴きやすさやメロディーの親しみやすさという点で、このアルバム「Realize」を入門編としてまず聴くことをお勧め。そしてこの作品が気に入ったら、内面的により深く、音楽的にはよりヘビーな方向性に向かっていった以後の作品「JUSTICE」「Revolution」「Nostalgia」と順に手に取っていただけるとより濃厚な徳永ワールドの変遷を楽しめると思います(笑)。今だとリマスター音源で1,700円ぐらいで購入できるようになってるらしいですよ(宣伝?)。カヴァーだけではない、バラードだけでもない、オリジナルの徳永英明の姿にも触れていただければと思います。そして、個人的に、徳永英明本人には、そろそろオリジナルアルバムのリリースを期待したいところですね。首を長くして待ち続けているんで^^;
徳永英明自身のインタビューでもかなりの頻度で語られたと思うのですが、基本的にはソングライターである自分が、提供楽曲である「輝きながら・・・」を歌ったところ大ヒットしてしまい、この曲のイメージだけでバラードシンガーと括られることに悩み苦しんだ時期があったそうです。
世間の認識と自分の意識とのズレに葛藤しながら、名曲「最後の言い訳」が誕生。本人作曲のこの曲が評価を得たことで彼自身の精神状態が好転したのか、翌年発表されたアルバム「Realize」は、そのアルバムタイトル(現実を把握する)という一見重そうな印象とは裏腹に、人間的に一皮むけたかのような、現実の悩み苦しみではなく、喜びや楽しさを前面に押し出した、とても風通しの良い作品になっています。心なしか、ブックレットの本人の写真もどこか自信に溢れているような・・・?
このアルバムの特徴は、各作品の歌詞に頻出する「空」という言葉。そして、「風」を感じさせる、濁りのない爽やかなサウンド。この二点が相俟って、歌詞のテーマは壮大なものもあるのに、聴いていて疲れない、むしろ心地良いぐらい、何か脳からα派が出ているかのようなリラクゼーション的な空気を体感(聴感?)できるところでしょうか。
具体的に一曲目から順に追っていくと、オープニングの「君の青」でいきなり雄大な空の中に聴き手を誘い、2曲目の「眠れない夜」は、現実社会をシビアに綴りながらも、前述のアレンジのおかげかそれほど重たくならず、メッセージも心の中に突き刺さるのではなく、スッと心の中に溶け込んでいく感じの一曲。表現力に長けた彼のヴォーカルで、空の情景がダイレクトに浮かび上がってくる「ラバーズ」に続き、本人が嫌っていたバラード歌手としてのイメージに対する踏ん切りがついたかのような「You're in the sky〜Eolia〜」から3曲続くバラードでは、ただ甘いだけではなく、渋みのあるストーリーが彼の手による言葉で描かれ、作詞家としての徳永英明の成長がうかがえると思います。
地に足をつけた決意表明ソング「MYSELF」(「地に足を〜」と言いながらサブタイトルは「風になりたい」だけど・笑)、シングルでのピアノのフレーズをオルガンに置き換えて、教会音楽風にリミックスされた「最後の言い訳」と、シングル曲の配置にも無駄がなく、一通り聴いた後で思ったのは、このタイトルの「Realize」というのは、1989年当時の徳永英明の「現実=今の自分の音楽に対する充実感」を表したアルバムタイトルだったのかなぁ?ということ。本当のところは分かりませんが、筆者は勝手に邪推したりしています。
「VOCALIST」シリーズや、バラードベストで彼の音楽を知り、過去のオリジナル作品に触れてみたいというリスナーの方には、聴きやすさやメロディーの親しみやすさという点で、このアルバム「Realize」を入門編としてまず聴くことをお勧め。そしてこの作品が気に入ったら、内面的により深く、音楽的にはよりヘビーな方向性に向かっていった以後の作品「JUSTICE」「Revolution」「Nostalgia」と順に手に取っていただけるとより濃厚な徳永ワールドの変遷を楽しめると思います(笑)。今だとリマスター音源で1,700円ぐらいで購入できるようになってるらしいですよ(宣伝?)。カヴァーだけではない、バラードだけでもない、オリジナルの徳永英明の姿にも触れていただければと思います。そして、個人的に、徳永英明本人には、そろそろオリジナルアルバムのリリースを期待したいところですね。首を長くして待ち続けているんで^^;
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