inthelife 今週はB'zの5枚目のオリジナルアルバム「IN THE LIFE」をご紹介。
 1991年11月27日発売。今年結成20周年を迎える彼らにとってデビュー4年目の作品。もう既に「初期」の作品にあたるのかもしれません。

 今でこそハードロックユニットとして一般的には認識されているB'zですが、このアルバムが発売された当時は、リスナーの「B'zの音」に対するイメージがまだそれほど固まっていなかった時期。また、B'z自身も「RISKY」のようにロック×ダンスの掛け合わせに挑戦したアルバムを発表したかと思えば、「LADY NAVIGATION」のような「BAD COMMUNICATION」路線のダンスビートに重点を置いたシングルを切ってみたりと、試行錯誤の跡が見受けられた時期だったと思います。

 そんな中で発売されたこのアルバムは、当時の近作「RISKY」「MARS」でも多用された16ビートのシンセバッキングや、打ち込みブラス、ベースなどは引き続き用いられてはいるものの、従来のようにデジタルサウンドを前面に押し出したわけではなく、かといって、デビュー以来徐々に濃くなってきたハードな音色が主張しすぎるわけでもなく、デジタルと生のサウンドそれぞれの長所をバランス良く取り揃えた1枚に仕上がっています。

 曲目は、ベストにも収録された名曲「もう一度キスしたかった」の他にも、シャッフル系の「Wonderful Opportunity」、ストーリー仕立ての歌詞が面白い「Crazy Rendezvous」、フォーク調のほのぼのとした「あいかわらずなボクら」など、全10曲バラエティ豊か。また、稲葉浩志が手がける失恋、追憶、情欲(笑)といった歌詞にはリアリティがあり、アルバムタイトル通り、「生活」に根ざした内容と呼べるのではないでしょうか。

 このアルバムで「デジタルとロックの融合」という、デビューからの目指していた路線にケリがついたのか、次回作「RUN」からはグンと音に厚みを増したハードロック路線に一気に踏み込んでいったB'z。その音に耳が慣れた今、改めてこのアルバムを聴いてみると、サウンド的にはさすがに「90年代前半の音だなぁ」と感じる箇所はチラホラありますが、ハードロック路線前の彼らの集大成的な作品として、近年ファンになった、あるいはこの時代のB'zを知らない、という方にも一度ぜひ聴いてみてもらいたい名盤です。