fujimaki5th 2025年3月26日発売、藤巻亮太の通算5枚目となるオリジナルアルバム。全10曲収録。CDのみの通常盤、2021年に開催されたライブからの抜粋映像を収録したDVD同梱の三方背ケース仕様の初回限定盤の2形態での発売。本レビューは通常盤となります。

 ソロデビューして10周年を記念したソロ初のベストと、それ以降に制作された楽曲で編まれたオリジナルアルバムの2枚組(通常盤はオリジナルアルバムのみ)という形態だった前作以降は、直後に配信シングル「朝焼けの向こう」をリリースするもその後音源が発表されず(ライブや公開イベントにはよく顔を出していたようですが)また停滞しているのか…と思いきや、2025年を迎え配信シングル「真っ白な街」を1月末に配信し、直後に約2年振りのオリジナルアルバムのリリースを発表。2月中旬には「真っ白な街」のMVが公開、そしてアルバム発売日一ヶ月前にはリード曲の「桜の花が咲く頃」を先行配信、そして発売日には同曲のMVも公開と、順を追った段取りでのアルバムリリースと相成りました。なお、前述2曲のシングルも収録されていますが、「朝焼け〜」は公式サイトではalbum mixと表記されています。

 発売直後のインタビューによると、本作ではレコーディングメンバーは固定され、プリプロの段階からベースとドラムが参加し、曲によってはキーボーディストも加わるなど、完全に固定したバンド形態を前提としての制作だった模様。確かにボーカル&ギターの藤巻を引き立てる演奏というよりも、リズム隊も主張してグイグイ前面に出てくるという意味では特に中盤過ぎの「以心伝心」にタイトル曲の「脆く儚いもの」、そして「メテオ」と多く、パーマネント的な雰囲気のロックバンド感が出ているなという音像(この後のツアーも一緒に回ったとのこと)。藤巻ソロとしての作風は、ソロデビュー以来レミオロメンとの線引きやソロとしての活動意義…などで色々煮詰まってその度に抜け出す…というループが続いていましたが、そういう線引きはなしに、日常の生活で自然にインプットしてきたものを反映し、そこにフィクションも含めて作り上げた…ということが先述のインタビューでも語られ、実際そのようなほのぼのとしたテーマの曲もあり、ソロ初期のようなメッセージ性や楽曲から感じる気迫、といったものは減退しましたが、安定した作品が増えてきたな、とは思いました。

 今回出てきた色の濃いロックバンド的な部分は構成的にもスリーピースで(曲によってはキーボードで適度に味付けされているとはいえ)どうしてもレミオロメンを思い出してしまい、もしもレミオロメンがバンドとして継続していたら…ということも考えてしまうのですが、活動休止してからもう10年以上経っているし、ソロ活動の中で藤巻が様々な葛藤を乗り越えた今だから鳴らすことができた音、なのではないかと。相対的に見てしまうと筆者にとっての個人的な思い入れという意味ではレミオロメンの方が強いし、楽曲においても然りなのですが、ソロとしてもこのような良作を今後も定期的なペースでリリースしてもらえれば、と思います。