hirai10th 2025年5月7日配信開始、平井堅史上初となる、ライブ音源のストリーミング配信アルバム。

 2021年5月のオリジナルアルバム発売以来リリースが途絶え、ライブ活動はおろかメディア露出までほぼなくなり表舞台から姿を消していた彼ですが、デビュー30周年記念日となる今年2025年5月13日には横浜アリーナにて一夜限りのワンマンライブを久々に開催。その約一週間前にドロップされたのが今回ご紹介するライブ音源。といっても直近のライブではなく、デビュー10周年記念ツアーとして2005年の5月から7月にかけて全国を回った「Ken Hirai 10th Anniversary Tour 2005」の中から、さいたまスーパーアリーナでのツアーファイナル公演である7月17日の模様を全18トラックにて配信。なお、このライブ映像は映像作品シリーズ「Ken Hirai Films 8」にてDVD/Blu-ray化されているので、音源自体はすべて既発のものとなるようです。

 平井堅史的には初のベスト「歌バカ」が発売される数か月前に開催された本ツアー。周年のアニバーサリーツアーということもあり、デビュー曲「Precious Junk」で幕を開け、ブレイク作「楽園」、前年の最大ヒットシングル「瞳をとじて」「キミはともだち」「思いがかさなるその前に…」といった当時直近のシングル、「Ring」「LIFE is...」といった珠玉のバラード、「Strawberry Sex」「style」などのセールス的には影の薄い打ち込みナンバーも生演奏主体で新たな息吹を吹き込まれて披露されるなど、シングルを中心に据えたまさにこの時点までのベストオブベストで、「歌バカ」発売前ですが「歌バカ」ツアー的なラインナップ。まだ「POP STAR」もなく、技巧に走った露悪的なアッパーな曲もなく、この後も平井堅は色々な手法で話題を提供し続けていくわけですが、爽やか系のポップスシンガーとしてデビューし試行錯誤を経てのR&B路線や、年を重ねてより深みを増したバラードも歌うようになって迎えたここまでの彼のシンガーとしての遍歴を見事に総括するかのような構成になっていると思います。
 個人的なハイライトは中盤、ピアノ演奏をバックに歌う「強くなりたい」、そして本編最終盤の「KISS OF LIFE」から「Love Love Love」への流れは聴いていて鳥肌が立ったり、盛り上がったりしました。あと当時開催中だった「愛・地球博」のマスコットキャラのモリゾーキッコロが「Love Love Love」の間奏で平井堅に呼び込まれて出てくるくだりも聴いていて微笑ましかったです(笑)。遠い記憶を辿るとそういえばBSか何かでこの二人(匹?)が出てくるこの日のライブを当時観たかもなぁ…と思ったりして、懐かしい思い出が蘇りました。

 前述の通りライブ映像は既発な上に20年前の作品なので結構中古でもお安く買えますが、生バンドの演奏による平井堅のライブ音源には興味あるけど映像までは…という層には今回のストリーミング配信は有名なシングル曲がほとんどなのでピッタリではないかと。時を経て開催された今年の30周年アニバーサリーライブも無事に終了したようですが、30周年記念サイトでの新規のニュースは特になし…と相変わらず停滞している模様。他のアーティストで免疫がついてしまい待つのには慣れていますが(苦笑)、そろそろ新しいアクションを期待したいところです。