1988年4月より放送がスタートし、翌年3月にTVシリーズが最終回を迎える頃には当時のアニメ雑誌でも大々的に特集されるなどの人気作品となっていた「鎧伝サムライトルーパー」。早くも続編として4月末からOVAでニューヨークを舞台にした「外伝」が全2話、10月から翌年1月にかけてはアフリカを舞台にしたさらなる続編「輝煌帝伝説」が全4話で発売。その前後には商品展開としてボーカル集、CDドラマ、サントラ等の公式関連作品がキングレコードのスターチャイルドレーベルより絶え間なくリリースされ、さらには主人公チームの5人を担当した声優(草尾毅・佐々木望・中村大樹・西村智博・竹村拓)によってユニット「N.G.FIVE」が結成されるなど、アニメのみならず集客系のイベントも多数開催され、作品・声優共に人気はピークに。1991年のOVA「MESSAGE」全5話をもって物語は完結。その後公式的な続編は制作されないまま時は流れて2025年6月、
悲しみを越えるものを、求めて!(「輝煌帝伝説」予告風)
TVシリーズ関連の音楽関連レビューはこちら。
鎧伝サムライトルーパー 関連CD作品レビュー(OVA「外伝」「輝煌帝伝説」+派生期)
BEST FRIENDS
1989年6月5日発売、OVA「外伝」完結直後にリリースされたボーカルアルバム第2弾。全10曲収録。当初タイトルは第1弾の「君を眠らせない」の流れで「朝まで騒ごう」とアナウンスされていた(当時発売のカセットブックでもそう告知していた記憶)が、実際には無難な(?)タイトルに変更された。
今回は主人公5人それぞれのソロ曲が収録。第1弾には参加していなかった四魔将や迦遊羅といった敵役声優陣も参加し、よりバラエティ感が増した1枚となった。歌詞的にはアニメのキャラクターに沿ったイメージソングというよりも一般的なポップスに近くなったので、各声優のコンピレーションアルバムという印象も受ける。その中で前述の四魔将が普段のキャラを捨ててヤケクソ気味に熱唱する「仮面の下の涙」はキャラソンとして色々な意味で必聴(笑)。
なお、主人公の一人である金剛のシュウこと秀麗黄役の西村智博(シンガーソングライター兼声優)は2曲を本作に提供。その中の1曲「BEST FRIENDS」は、同年秋に発売された彼のソロアルバムでセルフカバーされている。
天空伝サムライトルーパー
1989年9月21日発売、TVシリーズの小説版も執筆した河原よしえの脚本による初のドラマCD。
主人公の一人・天空のトウマこと羽柴当麻が主役。TVシリーズ第2部突入直後のサブストーリーであり、共同生活に不慣れな彼の生い立ちや母親とのやり取りが描かれるストーリー。テンポ良く若干コミカルに話が進むので聴きやすく、カセットブックを含めたドラマ編の中では個人的に最も好きな作品。
CDに収録されたのはドラマだけではなく、ボーカル曲も3曲収録。当麻役の竹村拓は参加せず、他の4人が2組に分かれてのデュエット曲が2曲、TVシリーズの後期主題歌を担当した森口博子が1曲担当。アップテンポの「WONDER -時に投げる疑問符-」、ミディアムの「DREAM OF LONELINESS」、バラードの「あの日のフォトグラフ」と曲調が見事に分かれているが、どの曲も名曲で非常にお薦め。
輝煌帝伝説
1989年10月21日発売、戸塚修の手による通算4作目のオリジナルサウンドトラック。全20曲収録。
アフリカ・タンザニアを舞台にし、白と黒の二つの輝煌帝の鎧の因縁を巡る戦いが繰り広げられる新作OVAシリーズ「輝煌帝伝説」用に新たに書き下ろされた楽曲が中心。物語自体は終始シリアスだが、南米の雰囲気を醸し出すパーカッションを用いた躍動感満載の「ムカラのテーマ」や、スケール感のある幻想的なスローナンバー「熾火の空」など、TVシリーズとは方向性の少し異なる毛色の楽曲が並ぶ。また、新旧主題歌は主人公達の鎧装着シーンの新たなBGMとして短くリアレンジされて新録されている。
なお、冒頭には茂村泰彦が歌う「DEAD END LOVE」が収録。この曲は茂村が作曲したTVシリーズ前期OP「スターダストアイズ」の改題作品でギターロック色を強めた良カバーなのだが、OVAでは未使用。元々は烈火のリョウ(真田遼)役の草尾毅が「BEST FRIENDS」時に歌う候補曲だったと、草尾のソロアルバムのライナーノーツにて後年明かしていた。
First & Final
1989年12月5日発売、5人組ユニットN.G.FIVE名義での唯一のアルバム。全10曲収録。
メンバーの西村智博が全曲作曲を担当。他のメンバーも共作名義で作詞に一部参加している。全10曲の内訳は草尾と西村のデュエット曲「青春の殺人者」、各自のソロ曲、全員で歌う曲が4曲と、アイドルグループ的な曲構成になっているが、歌詞のテーマ的にはトルーパーのボーカル集よりも対象年齢を上げた感がある。AOR的な「夜間飛行」、フォーキーな「旧友」、ドゥーワップの「Wonderful Day」など、様々なタイプのメロディーを書ける西村のソングライティング力の高さが存分に発揮されている良盤。もっと彼の手腕は評価されても良いと思う。
トルーパーブームと連動して人気を博したN.G.FIVEだったが、活動期間は長くなく、翌年半ばで解散。タイトル通りに「最初で最後」の作品となった。解散の頃(1990年夏頃)にはトルーパー自体の公式リリースもほぼ無くなり、ピークは落ち着き始めてきたような感があった。
水滸伝サムライトルーパー
1990年3月16日発売、ドラマCD第2弾。
第1弾に引き続き河原よしえが脚本を担当。今回は水滸のシンこと毛利伸が主役。こちらもTVシリーズ中盤のサブストーリーで、用事で訪れた旅先の諏訪湖で本作オリジナルの妖邪・凍龍鬼との戦いを描くシリアス寄りドラマ。劇中に出てくる諏訪湖の御神渡りの描写が印象的で、筆者はこのドラマで御神渡りという自然現象の存在を認識した(笑)。なお本作は当麻と秀は不参加で5人が揃わないという珍しい作品でもある。
ボーカル曲4曲のうち3曲は伸役の佐々木望がソロで担当する佐々木望スペシャル状態(残り1曲は遼役の草尾毅が担当)。ただ完全な新曲は2曲で、残りの2曲は「輝煌帝伝説」サントラで初出のメロディーの再利用(「風のJUNCTION」は「白炎」、「異国の小夜曲」は「ムカラのテーマ」)。
光輪伝サムライトルーパー
1990年11月5日発売、ドラマCD第3弾。初回限定盤は紙製ボックス仕様(本記事トップの画像)。なお本作よりLPの発売が無くなり、CDとカセットでの2形態の発売になった模様。
本作の主役は光輪のセイジこと伊達征士。「輝煌帝伝説」終了後(作中で戦いが終わったと語っているので多分)、地元の仙台で過ごす彼が、夏祭りの夜に交通事故に巻き込まれてしまい生死の境を彷徨う…という、かなり幻想的でシリアス色の強い一作。今回は主役5人が揃った。脚本は御門素直。他作品を手掛けている様子もないので誰かの変名だろうか?
ボーカル曲は4曲収録。征士役の中村大樹が2曲、伸役の佐々木望が1曲、アニソンシンガーである石原慎一が1曲担当。歌声に合わせてか、中村・石原の担当曲は従来のトルーパーソングよりも穏やかな印象。その分、佐々木の歌うかなりロックな「風の跡」とはギャップが際立つ。
なお、「天空伝」「水滸伝」と続いたドラマCDシリーズは本作で完結と本作封入の号外新聞にて明言。「烈火伝」は「鎧伝」ということで制作されず、残る「金剛伝」的なドラマは形を変え、翌年のトルーパー関係の最終CDシリーズ四部作「花鳥風月」の「月」としてリリースされている。
BEST FRIENDS
1989年6月5日発売、OVA「外伝」完結直後にリリースされたボーカルアルバム第2弾。全10曲収録。当初タイトルは第1弾の「君を眠らせない」の流れで「朝まで騒ごう」とアナウンスされていた(当時発売のカセットブックでもそう告知していた記憶)が、実際には無難な(?)タイトルに変更された。今回は主人公5人それぞれのソロ曲が収録。第1弾には参加していなかった四魔将や迦遊羅といった敵役声優陣も参加し、よりバラエティ感が増した1枚となった。歌詞的にはアニメのキャラクターに沿ったイメージソングというよりも一般的なポップスに近くなったので、各声優のコンピレーションアルバムという印象も受ける。その中で前述の四魔将が普段のキャラを捨ててヤケクソ気味に熱唱する「仮面の下の涙」はキャラソンとして色々な意味で必聴(笑)。
なお、主人公の一人である金剛のシュウこと秀麗黄役の西村智博(シンガーソングライター兼声優)は2曲を本作に提供。その中の1曲「BEST FRIENDS」は、同年秋に発売された彼のソロアルバムでセルフカバーされている。
天空伝サムライトルーパー
1989年9月21日発売、TVシリーズの小説版も執筆した河原よしえの脚本による初のドラマCD。主人公の一人・天空のトウマこと羽柴当麻が主役。TVシリーズ第2部突入直後のサブストーリーであり、共同生活に不慣れな彼の生い立ちや母親とのやり取りが描かれるストーリー。テンポ良く若干コミカルに話が進むので聴きやすく、カセットブックを含めたドラマ編の中では個人的に最も好きな作品。
CDに収録されたのはドラマだけではなく、ボーカル曲も3曲収録。当麻役の竹村拓は参加せず、他の4人が2組に分かれてのデュエット曲が2曲、TVシリーズの後期主題歌を担当した森口博子が1曲担当。アップテンポの「WONDER -時に投げる疑問符-」、ミディアムの「DREAM OF LONELINESS」、バラードの「あの日のフォトグラフ」と曲調が見事に分かれているが、どの曲も名曲で非常にお薦め。
輝煌帝伝説
1989年10月21日発売、戸塚修の手による通算4作目のオリジナルサウンドトラック。全20曲収録。アフリカ・タンザニアを舞台にし、白と黒の二つの輝煌帝の鎧の因縁を巡る戦いが繰り広げられる新作OVAシリーズ「輝煌帝伝説」用に新たに書き下ろされた楽曲が中心。物語自体は終始シリアスだが、南米の雰囲気を醸し出すパーカッションを用いた躍動感満載の「ムカラのテーマ」や、スケール感のある幻想的なスローナンバー「熾火の空」など、TVシリーズとは方向性の少し異なる毛色の楽曲が並ぶ。また、新旧主題歌は主人公達の鎧装着シーンの新たなBGMとして短くリアレンジされて新録されている。
なお、冒頭には茂村泰彦が歌う「DEAD END LOVE」が収録。この曲は茂村が作曲したTVシリーズ前期OP「スターダストアイズ」の改題作品でギターロック色を強めた良カバーなのだが、OVAでは未使用。元々は烈火のリョウ(真田遼)役の草尾毅が「BEST FRIENDS」時に歌う候補曲だったと、草尾のソロアルバムのライナーノーツにて後年明かしていた。
First & Final
1989年12月5日発売、5人組ユニットN.G.FIVE名義での唯一のアルバム。全10曲収録。メンバーの西村智博が全曲作曲を担当。他のメンバーも共作名義で作詞に一部参加している。全10曲の内訳は草尾と西村のデュエット曲「青春の殺人者」、各自のソロ曲、全員で歌う曲が4曲と、アイドルグループ的な曲構成になっているが、歌詞のテーマ的にはトルーパーのボーカル集よりも対象年齢を上げた感がある。AOR的な「夜間飛行」、フォーキーな「旧友」、ドゥーワップの「Wonderful Day」など、様々なタイプのメロディーを書ける西村のソングライティング力の高さが存分に発揮されている良盤。もっと彼の手腕は評価されても良いと思う。
トルーパーブームと連動して人気を博したN.G.FIVEだったが、活動期間は長くなく、翌年半ばで解散。タイトル通りに「最初で最後」の作品となった。解散の頃(1990年夏頃)にはトルーパー自体の公式リリースもほぼ無くなり、ピークは落ち着き始めてきたような感があった。
水滸伝サムライトルーパー
1990年3月16日発売、ドラマCD第2弾。第1弾に引き続き河原よしえが脚本を担当。今回は水滸のシンこと毛利伸が主役。こちらもTVシリーズ中盤のサブストーリーで、用事で訪れた旅先の諏訪湖で本作オリジナルの妖邪・凍龍鬼との戦いを描くシリアス寄りドラマ。劇中に出てくる諏訪湖の御神渡りの描写が印象的で、筆者はこのドラマで御神渡りという自然現象の存在を認識した(笑)。なお本作は当麻と秀は不参加で5人が揃わないという珍しい作品でもある。
ボーカル曲4曲のうち3曲は伸役の佐々木望がソロで担当する佐々木望スペシャル状態(残り1曲は遼役の草尾毅が担当)。ただ完全な新曲は2曲で、残りの2曲は「輝煌帝伝説」サントラで初出のメロディーの再利用(「風のJUNCTION」は「白炎」、「異国の小夜曲」は「ムカラのテーマ」)。
光輪伝サムライトルーパー
1990年11月5日発売、ドラマCD第3弾。初回限定盤は紙製ボックス仕様(本記事トップの画像)。なお本作よりLPの発売が無くなり、CDとカセットでの2形態の発売になった模様。本作の主役は光輪のセイジこと伊達征士。「輝煌帝伝説」終了後(作中で戦いが終わったと語っているので多分)、地元の仙台で過ごす彼が、夏祭りの夜に交通事故に巻き込まれてしまい生死の境を彷徨う…という、かなり幻想的でシリアス色の強い一作。今回は主役5人が揃った。脚本は御門素直。他作品を手掛けている様子もないので誰かの変名だろうか?
ボーカル曲は4曲収録。征士役の中村大樹が2曲、伸役の佐々木望が1曲、アニソンシンガーである石原慎一が1曲担当。歌声に合わせてか、中村・石原の担当曲は従来のトルーパーソングよりも穏やかな印象。その分、佐々木の歌うかなりロックな「風の跡」とはギャップが際立つ。
なお、「天空伝」「水滸伝」と続いたドラマCDシリーズは本作で完結と本作封入の号外新聞にて明言。「烈火伝」は「鎧伝」ということで制作されず、残る「金剛伝」的なドラマは形を変え、翌年のトルーパー関係の最終CDシリーズ四部作「花鳥風月」の「月」としてリリースされている。
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