前田亘輝(Vo)、春畑道哉(G)、角野秀行(Ba)、松本玲二(Dr)の四人で結成され、今年2025年6月1日にデビュー40周年を迎えたロックバンド・TUBE。来たる6月11日にはバンド史上初となるオールシングルスコンプリートベストアルバム「All Singles TUBEst」2タイトルが同時リリースとなります。今回の「CD Review Extra」では、彼らの40周年を記念して、これまでにリリースされたベストアルバム「TUBEst」シリーズ全4作を1作ずつレビュー。TUBE デビュー40周年記念・歴代TUBEstシリーズレビュー
TUBEst
1989年12月21日発売、「最上級のベストアルバム」(帯より)と銘打たれたシリーズ第1弾。全13曲収録。初回発売は当時在籍のCBS/SONY(1991年よりSony Recordsに改称)から、現行版は2002年以降の在籍先であるSony Music Associated Recordsから第2弾・第3弾と共に2003年に再発されている。
1985年6月発売のデビューシングル「ベストセラー・サマー」から、1989年12月発売の最新シングル「Stories」までの80年代のTUBEの全シングルタイトル10曲を時系列順に収録。シングル曲はデビューからしばらくは提供曲が起用されるという戦略を取っていたため、作詞では亜蘭知子、三浦徳子、作曲では鈴木キサブローや栗林誠一郎、プロデューサーの長戸大幸の名前もクレジットされるというこの時期ならではの楽曲が並ぶ中、織田哲郎作曲のブレイク作「シーズン・イン・ザ・サン」や、同じく織田提供の「SUMMER DREAM」「ビーチ タイム」の印象が頭ひとつ抜け出している。時代が進むに従いメンバー(前田)の名前もクレジットされるようになり、ラストの「Stories」では90年代以降現在に至るまでの作詞:前田/作曲:春畑/編曲:TUBEの基本クレジットに到達。バンドの音楽性の変遷も含めてデビューから順を追っての成長アルバムのような要素を感じさせる1枚である。90年代のセールス全盛期には夏になると毎年アルバムチャートに顔を出すなど地道にランクインし続けたロングセラーアルバムとなり、売上は60万枚を超えている。
なお、ラスト3曲にはTUBEや織田哲郎を中心に、ほぼ当時のビーイングメンバーで1987年に結成されたスペシャルユニット・渚のオールスターズ名義の楽曲がボーナストラック的に収録。渚のオールスターズは1989年に活動終了(2006年にメンバー入れ替えで復活)しているので、課外活動を含めたTUBEの80年代の活動の区切りとしての作品にもなっている感も。
TUBEst ��
1996年4月1日発売、「ベストチューのベスト」(帯より)と銘打たれたシリーズ第2弾。全15曲収録。
ジャケット表記のサブタイトル「Single since 90's summer」が示す通り、1990年5月発売の「あー夏休み」から、1995年7月発売の「あの夏を探して」までの全シングルタイトル12曲を時系列順に収録。5月に迎夏シングル、アルバムリリース後の7月に盛夏シングルという年2回のリリースローテを明確に行い、自身最高セールスの「夏を抱きしめて」を筆頭に毎年安定したヒット曲を産み出してきた時期の楽曲がズラリと並ぶのは圧巻。盛夏シングル群は発売翌年のアルバムには未収録になるので、ここで一気にまとめて入手できるのは有難かった。そんな需要もあってかミリオンセールスを達成している。
どの曲もヒットするに相応しいインパクトとキャッチーさがあり、今でも色褪せない名曲群だと思うのだが、王道の爽やかロックナンバーとラテン調歌謡ナンバーが交互に繰り返されたり、タイトルに「夏」が入る曲が多いなど(12曲中7曲)、この時期の夏をTUBEの曲と共にリアルタイムで過ごしてきた世代以外にはなかなか区別がつかなくなりそうなのは難点か。
ラスト3曲は「Bonus Tracks」として、アルバム未収録のシングルカップリング曲を収録。読んで字の如くの「湘南盆踊り」、緩いレゲエの「Yo Yo Yo」等、妙に個性的な曲が選ばれているのが特徴。
TUBEst ��
2000年5月13日発売、デビュー15周年を記念してのシリーズ第3弾。本編CDとスペシャルCDの2枚組。初回限定盤には白いスリーブケースが付属。
本編CDは1996年5月発売の「Only You 君と夏の日を」から1999年10月発売の「IN MY DREAM」までの全シングルタイトル9曲を時系列順に収録した「Original Singles」、歴代シングル曲からファン投票で3曲選んでもらい、上位6曲をニューレコーディングで収録した「Re-newed Singles」の二章立てで構成された全15曲。シングルのセールス的にはピークを過ぎていた時期ではあったが、本作は90万枚を突破する好調ぶりを見せた。
ドラマの主題歌としてヒットした「きっと どこかで」、おちゃらけなしのラテンフレイバーのマイナーロック路線「情熱」「-純情-」「-花火-」、原点回帰的な爽やかな「ひまわり」等、シングルとしての楽曲のバリエーションの広さを感じられる楽曲が並んでいる。ニューレコーディングの方は外部アレンジャー達の自由な解釈でのリアレンジになっており、四人組のバンド形態という点にあまり捉われていないという意味ではオリジナルの代わりにはならないが、原曲を知っていれば聴き比べが楽しめる内容。
スペシャルCDは作・編曲者である織田哲郎自身による「シーズン・イン・ザ・サン」のリミックスと、TUBE自身の編曲での新録となった「夏を抱きしめて」のアコースティックバージョンを収録。こちらは原曲のイメージを壊さない王道アップデートバージョンになっている。なお、本作の発売告知当初はスペシャルCDは初回限定盤のみ付属とされていたが、実際には永続仕様の2枚組で発売されたという経緯があった。
Best of TUBEst 〜All Time Best〜
2015年7月15日発売、「あの夏も、この夏も、これからの夏も。」をキャッチコピーにしたデビュー30周年を記念したオールタイムベスト。CD4枚組全50曲収録。初回生産限定盤は未DVD化の初期の既発映像作品からのセレクションDVD「30th Summer -Precious Video Collection-」を同梱した特製デジパックを三方背ケースに封入した特別仕様。
30年間の作品の中から王道シングル楽曲中心の「T <Tropical>」、ラテン歌謡中心の「U <Unique>」、バラード中心の「B <Ballad>」、盛り上げ楽曲中心の「E <Exciting>」と、各ディスクをバンドのアルファベットに捩って選曲。一応オールタイム選曲なのだが、間口の広さを求められるベストなのでやはりヒット曲の数々は外せなかったのか、90年代末までの楽曲が圧倒的に多く選ばれており、00年代以降では最大のヒット曲であった「虹になりたい」が未収録になるなど、選曲年代のアンバランスさは強く感じる。既発ベストに選曲された楽曲の再選曲も多い中、全曲ベスト初収録の「E」が一番新鮮ではあるか。
曲数は重量級であるが、各ディスク12〜13曲で1枚あたりの演奏時間はそれほど長くなく、テーマもはっきりと分かれているのでその時の気分で聴きたいディスクを選べるのが利点。また、バラードベスト(「Melodies & Memories」シリーズ)を除けばアルバム曲まで対象にしたベストアルバムは本作だけなので、「All Singles TUBEst」が発売された後も封入ブックレット「歴代と現役スタッフたちによるTUBEにまつわる思い出エピソード集」と共に引き続き価値は残ると思う。
TUBEst
1989年12月21日発売、「最上級のベストアルバム」(帯より)と銘打たれたシリーズ第1弾。全13曲収録。初回発売は当時在籍のCBS/SONY(1991年よりSony Recordsに改称)から、現行版は2002年以降の在籍先であるSony Music Associated Recordsから第2弾・第3弾と共に2003年に再発されている。1985年6月発売のデビューシングル「ベストセラー・サマー」から、1989年12月発売の最新シングル「Stories」までの80年代のTUBEの全シングルタイトル10曲を時系列順に収録。シングル曲はデビューからしばらくは提供曲が起用されるという戦略を取っていたため、作詞では亜蘭知子、三浦徳子、作曲では鈴木キサブローや栗林誠一郎、プロデューサーの長戸大幸の名前もクレジットされるというこの時期ならではの楽曲が並ぶ中、織田哲郎作曲のブレイク作「シーズン・イン・ザ・サン」や、同じく織田提供の「SUMMER DREAM」「ビーチ タイム」の印象が頭ひとつ抜け出している。時代が進むに従いメンバー(前田)の名前もクレジットされるようになり、ラストの「Stories」では90年代以降現在に至るまでの作詞:前田/作曲:春畑/編曲:TUBEの基本クレジットに到達。バンドの音楽性の変遷も含めてデビューから順を追っての成長アルバムのような要素を感じさせる1枚である。90年代のセールス全盛期には夏になると毎年アルバムチャートに顔を出すなど地道にランクインし続けたロングセラーアルバムとなり、売上は60万枚を超えている。
なお、ラスト3曲にはTUBEや織田哲郎を中心に、ほぼ当時のビーイングメンバーで1987年に結成されたスペシャルユニット・渚のオールスターズ名義の楽曲がボーナストラック的に収録。渚のオールスターズは1989年に活動終了(2006年にメンバー入れ替えで復活)しているので、課外活動を含めたTUBEの80年代の活動の区切りとしての作品にもなっている感も。
TUBEst ��
1996年4月1日発売、「ベストチューのベスト」(帯より)と銘打たれたシリーズ第2弾。全15曲収録。ジャケット表記のサブタイトル「Single since 90's summer」が示す通り、1990年5月発売の「あー夏休み」から、1995年7月発売の「あの夏を探して」までの全シングルタイトル12曲を時系列順に収録。5月に迎夏シングル、アルバムリリース後の7月に盛夏シングルという年2回のリリースローテを明確に行い、自身最高セールスの「夏を抱きしめて」を筆頭に毎年安定したヒット曲を産み出してきた時期の楽曲がズラリと並ぶのは圧巻。盛夏シングル群は発売翌年のアルバムには未収録になるので、ここで一気にまとめて入手できるのは有難かった。そんな需要もあってかミリオンセールスを達成している。
どの曲もヒットするに相応しいインパクトとキャッチーさがあり、今でも色褪せない名曲群だと思うのだが、王道の爽やかロックナンバーとラテン調歌謡ナンバーが交互に繰り返されたり、タイトルに「夏」が入る曲が多いなど(12曲中7曲)、この時期の夏をTUBEの曲と共にリアルタイムで過ごしてきた世代以外にはなかなか区別がつかなくなりそうなのは難点か。
ラスト3曲は「Bonus Tracks」として、アルバム未収録のシングルカップリング曲を収録。読んで字の如くの「湘南盆踊り」、緩いレゲエの「Yo Yo Yo」等、妙に個性的な曲が選ばれているのが特徴。
TUBEst ��
2000年5月13日発売、デビュー15周年を記念してのシリーズ第3弾。本編CDとスペシャルCDの2枚組。初回限定盤には白いスリーブケースが付属。本編CDは1996年5月発売の「Only You 君と夏の日を」から1999年10月発売の「IN MY DREAM」までの全シングルタイトル9曲を時系列順に収録した「Original Singles」、歴代シングル曲からファン投票で3曲選んでもらい、上位6曲をニューレコーディングで収録した「Re-newed Singles」の二章立てで構成された全15曲。シングルのセールス的にはピークを過ぎていた時期ではあったが、本作は90万枚を突破する好調ぶりを見せた。
ドラマの主題歌としてヒットした「きっと どこかで」、おちゃらけなしのラテンフレイバーのマイナーロック路線「情熱」「-純情-」「-花火-」、原点回帰的な爽やかな「ひまわり」等、シングルとしての楽曲のバリエーションの広さを感じられる楽曲が並んでいる。ニューレコーディングの方は外部アレンジャー達の自由な解釈でのリアレンジになっており、四人組のバンド形態という点にあまり捉われていないという意味ではオリジナルの代わりにはならないが、原曲を知っていれば聴き比べが楽しめる内容。
スペシャルCDは作・編曲者である織田哲郎自身による「シーズン・イン・ザ・サン」のリミックスと、TUBE自身の編曲での新録となった「夏を抱きしめて」のアコースティックバージョンを収録。こちらは原曲のイメージを壊さない王道アップデートバージョンになっている。なお、本作の発売告知当初はスペシャルCDは初回限定盤のみ付属とされていたが、実際には永続仕様の2枚組で発売されたという経緯があった。
Best of TUBEst 〜All Time Best〜
2015年7月15日発売、「あの夏も、この夏も、これからの夏も。」をキャッチコピーにしたデビュー30周年を記念したオールタイムベスト。CD4枚組全50曲収録。初回生産限定盤は未DVD化の初期の既発映像作品からのセレクションDVD「30th Summer -Precious Video Collection-」を同梱した特製デジパックを三方背ケースに封入した特別仕様。30年間の作品の中から王道シングル楽曲中心の「T <Tropical>」、ラテン歌謡中心の「U <Unique>」、バラード中心の「B <Ballad>」、盛り上げ楽曲中心の「E <Exciting>」と、各ディスクをバンドのアルファベットに捩って選曲。一応オールタイム選曲なのだが、間口の広さを求められるベストなのでやはりヒット曲の数々は外せなかったのか、90年代末までの楽曲が圧倒的に多く選ばれており、00年代以降では最大のヒット曲であった「虹になりたい」が未収録になるなど、選曲年代のアンバランスさは強く感じる。既発ベストに選曲された楽曲の再選曲も多い中、全曲ベスト初収録の「E」が一番新鮮ではあるか。
曲数は重量級であるが、各ディスク12〜13曲で1枚あたりの演奏時間はそれほど長くなく、テーマもはっきりと分かれているのでその時の気分で聴きたいディスクを選べるのが利点。また、バラードベスト(「Melodies & Memories」シリーズ)を除けばアルバム曲まで対象にしたベストアルバムは本作だけなので、「All Singles TUBEst」が発売された後も封入ブックレット「歴代と現役スタッフたちによるTUBEにまつわる思い出エピソード集」と共に引き続き価値は残ると思う。
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