先週末の土曜日に足を運んだDEENのバンドライブツアー・LIVE JOY-Break26の東京追加公演を久々の「ライブレポート」として公開。
 更新が遅くなってしまいましたが、記憶を呼び起こして書き上げました。ツアー終了後につき完全ネタバレです。

DEEN LIVE JOY-Break26 〜ROCK ON!〜
2025年3月1日 Zepp DiverCity


 先日レビューしたばかりの1月発売のニューアルバム「ROCK ON!」を引っ提げ、約1年振りのLIVE JOYとなったBreak26。
 当初は1月31日の東京から2月23日の仙台までの全7公演としてアナウンスされていましたが、2024年内のうちに追加公演が決定。東京公演には基本的には行くスタンスの筆者ですが、近年ではなかなかファイナルのチケットが取れず、昨年のBreak25(ファイナルが唯一の東京公演)も観に行けなかったのでダメもとで抽選に申し込んだところ当選。調べたところファイナル公演に行くのは2014年3月のBreak18以来と実に11年振り。追加公演=ファイナルということで、チケットは早々に売り切れた模様。
 会場はお馴染みのお台場Zepp DiverCity。2022年5月のBreak24以来のお台場来訪となりました。ちょっと早めに着いたので、名物の1/1スケールユニコーンガンダムにも会ってまいりました。

IMG_4673IMG_4674
 17時のモードチェンジイベントを初めて見た記念に


 今回の座席は1階席の最後列ブロック。本当はこの会場では2階席から俯瞰して観たい…というのが正直なところなのですが、抽選だったので席は選べなかったのでまあ仕方がないと納得(?)。この会場は旧Zepp Tokyoの時よりも後ろに行くに従って床の高さがブロック毎に上がるようになっている構造なので、結果的には見えやすい席だったと思います。

 会場BGMは洋楽ロックが流れる(ニューアルバムのタイトルの元ネタのアーティストの曲が流れていたような気が…)中、午後5時半過ぎ、ほぼ定刻通りに開演。特に開演SEなどはなく、暗闇の中でメンバーがスタンバイして演奏スタートという、DEENにしてはフツーの入り方でした(笑)。なおバンドメンバーは侑音(G)、石田純(Ba)、北村望(Dr)、ヒロムーチョ(Sax)という従来通りの布陣。


1.EAGLES STRIKE(2025年22ndアルバム「ROCK ON!」)※新アルバムからの曲は多いので以降タイトルのみ
 山根公路氏による英語まくしたて前説(?)に続き、最新アルバムの1曲目から本編スタート。池森秀一氏は何と金髪に青い上下のスーツにサングラスという衝撃的な出で立ちで登場。間奏では侑音氏がセンターに来てエレキのソロをガンガン弾くという今までになかった光景が。

2.手ごたえのない愛(1998年シングル)
 30周年武道館以来の原キー披露。ロックなセットリストならやるかも…と予想していたのですが当たりました。ちなみに武道館の時も2曲目での演奏。

3.SHE'S THE QUEEN(「ROCK ON!」)
 最新アルバムから。平メロで手隙のヒロムーチョ氏が会場に向けて手拍子を煽るスタイル(他の曲も同様でした)。

4.このまま君だけを奪い去りたい(1993年シングル)
 特に挨拶もなくカウントで始まる原キーオリジナルバージョン。池森氏のボーカルの安定感は相変わらずで、照明の演出も相俟って背中から後光が射しているかの如しでした(?)。

5.DOOR(「ROCK ON!」)
 この曲では池森氏がエレアコを携えて演奏。あまり音は拾えていなかったような気がしますが、コードチェンジもしておりちゃんと弾いていた模様。

 ここで池森、山根両氏からのご挨拶。
 サポートメンバーの紹介もして、普段ならここでまあまあ喋るのですが、結構早目に次の曲へ。

6.CLASH 〜心の衝突〜(「ROCK ON!」)
7.KISSの行方(「ROCK ON!」)
 新曲2曲連打。想像通りにライブ映えのする曲だなと。

8.Teenage dream(1995年シングル)
 「アコースティックコーナー」としての披露でしたがバンドメンバー全員参加。キー下げ原曲アレンジでの演奏で、ストリングス系の音色をシーケンスで流していたので厳密には…という感じでしたが、侑音氏が座ってアコギを弾き、ヒロムーチョ氏が間奏でSaxを吹くスタイルは新鮮でした。

 ここで割と長めのMC。
 池森氏は毎年春に向かうこの季節は花粉症に悩まされているとのことですが、舌下療法(体内にスギ花粉の抗体を入れる治療)を3年間続けた結果、現在は以前のような強い薬を飲まなくても弱い薬で何とかしのげる、という状態まで症状が改善した、とのこと。なお、山根氏は花粉症には無縁のようです。先週の仙台公演の後で生牡蛎を食べたら当たって帰りの新幹線が大変だった、と仰っていました(笑)。

9.少年(1995年シングル)
 こちらもキー下げ原キーアレンジ。フルでの演奏は2020年のBreak22以来ですか。バンドスタイルではなかなか演らない曲。山根氏のピアノの低音が良く響いていた記憶。「Teenage〜」と共にノスタルジーを感じるコーナーでした。

10.夢であるように(1997年シングル)
 転換SEがマイナー調のインストで自然とこの曲に繋がっていった感じ。原曲アレンジだと一貫して原キーで歌われてきたこの曲、キーを全体的に戻してからは高音に力強さが増している印象。

11.ROLLING LOVE(「ROCK ON!」)
12.love me(1997年シングル「君がいない夏」c/w)
13.瞳そらさないで(1994年シングル)
14.君さえいれば(1998年シングル)
15.果てない世界へ(1996年2ndアルバム「I wish」)
16.眠ったままの情熱(1998年3rdアルバム「The DAY」)
17.EXTREME JOURNEY(「ROCK ON!」)
18.Family(2006年8thアルバム「Diamonds」)

 池森氏がニューアルバムで着用した赤いシャツで登場。「Break26ロックメドレー」ということで、新曲を挟みつつ、過去のロックメドレー定番曲を次々と披露するブロック。
 フル披露は新曲と締めで演奏した「Family」の3曲、「瞳そらさないで」はキー下げで「もう一度」まで、残りの曲は1コーラス+間奏+ラストサビというショートバージョンで一挙に駆け抜け。「果てない〜」「眠ったまま〜」は久々にフルで聞きたかったかなぁ…。

19.ROSES(「ROCK ON!」)
 池森氏「最後の曲です!」観客「ええ〜!」池森氏「声が大きい!」…という変則パターン(笑)で本編ラストは予想通りのニューアルバムからの聞かせる熱唱バラードで締め。


アンコール

20.DEEP IN MY SOUL 〜上海ロックスター LAST EPISODE〜(「ROCK ON!」)
 10年振りに新曲も作ったし…ということで控え室で「池森蕎麦」を食べて待っていた…と影ナレで笑わせつつ、上海ロックスターが来日。「LAST EPISODE」なる意味深なサブタイトルに関して何か明かされるか…と思ったら特に何もなく拍子抜け(笑)。御年78歳のシャン様、今後も変わらずその姿を見せてくれそうな気が…します。なおミラーボールを駆使した照明効果は今回のライブ随一だったかと。

 この後、池森氏による「ツアーグッズ紹介コーナー」が挟まれるのですが、スタッフがグッズを運んでくる時のバンドメンバーによる生演奏インストBGMが「大きな空 小さな僕」でした。マネージャー浅田氏が好きな曲とのことです(渋いな…)。

21.ひとりじゃない(1996年シングル)
 演奏開始直前に「ドラゴンボールGT!」と池森氏が叫んでのヒットシングル演奏。奇しくもこの日(3/1)はドラゴンボールの作者・鳥山明氏の命日であったり。山根氏はショルダーキーボードでの演奏。間奏ソロはギターとサックスがセンターでバリバリ演奏する二強体制。

22.YOU ARE MY OASIS(「ROCK ON!」)
 新曲。ロックメドレーの最後かと思ったらクライマックスでの披露でした。これぞ大団円。

23.星降る夜、この星で(2009年10thアルバム「LOVERS CONCERTO」)
 終演の挨拶の流れで、特にメンバーもステージから退場せずにダブルアンコールに突入(笑)。ファイナルならではの1曲サービス。アウトロのラララを観客に歌わせる光景がDEENのライブで久々に見られて、ここ数年のことを考えると感慨深いものがありました。

 
全体の感想

 実は筆者がオリジナルアルバムを引っ提げてのLIVE JOYに参加するのは結構久々(2015年のBreak19以来)。さすがにレコ発ライブということで新曲10曲は演奏するだろうし「このまま〜」「瞳〜」「ひとりじゃない」の定番曲は必須だし…ということで、大体演奏しそうな曲は予想通り。ロックメドレーでの過去曲も90年代作品のライブ定番ナンバーを並べているのでレア曲披露などのサプライズ的な要素も特になく、完全にスタンダード仕様。新規ファンはもちろん、最近の池森蕎麦活動でDEENに再び興味を持った昔のリスナー達が久々に観に行くには期待通りのセットリストという感じだったかと。1曲ぐらいレアな曲があればなぁ、とも思いましたが、新曲+DEENに求められているステージを忠実に披露した、という意味では安心安定のライブだったと思います。その新曲群はDEEN's ROCKをテーマに作られただけはあり、やはりライブ映えがする曲が多く、これきりではなく何曲かは今後も演奏されることを期待しています。また、サポートメンバーも新体制になってから5年以上を経過し、メンバー二人+サポート四人ではなく、六人揃ってDEENのバンド、という強固な形になってきた印象を受けました。

 公演時間は約2時間20分(本編は1時間半ぐらい)と、ダブルアンコールがあったにしては若干短めだったかなと。ただ、曲はガンガン続けて披露していったし、雑談が脱線して長尺に…という流れが観ていて結構ダレた(=その時間で1曲演奏してくれ!と思っていた)三人時代末期から、二人体制になってからは要所要所で喋る程度になったMCがさらに今回簡略化されたという結果だと思います。そういう意味では凝縮されており、良い傾向だと思いました。

 今後の予定に関してはステージ上では「5月からのファンクラブ温泉ツアー」しか語られていませんでしたが、この日はVTRが入っており(固定以外にも客席から撮るタイプのカメラをスタッフが移動しながら廻していました)、映像作品という形でいずれ発売されそうですし、一昨年のストリングスライブ、去年のBreak25や夏のビルボードの1stステージなど、未商品化の作品も待機しているのではないか…と期待したいところ。
 とりあえずは全8公演のLIVE JOY無事完走、お疲れ様でした!


おまけ
IMG_4676
 CDに封入のライブ会場引換プレゼントのカード(選択制)も無事にゲットしました(終演後に←忘れるところだった)