2024年5月15日発売、田川伸治の通算9作目(THE SONIC TRICK名義を含めた公式の通算では10作目)となるオリジナルアルバム。全12曲収録。
DEEN在籍時を含めて長年所属した事務所GOOD-DAYから昨年独立してリリースした前作から1年2ヶ月振りのニューアルバムとなった本作。今回も前作同様に自社通販サイトならびに各種サブスクでの配信(6月1日より解禁)という形態でのリリース。フィジカルリリースとしては前作ではジャケットが微妙に異なる初回盤と通常盤という控え目な(?)バージョン違いでしたが、本作では特典として直筆サイン入りポストカード付きのジャケット違いの初回盤・通常盤の他、ツアーパンフレットとのセット版もあるなど複数の組み合わせでの販売もあり。なお収録曲については初回・通常共に同一。本レビューはサブスク環境からとなります。
本作は「『切なく軽快』な曲調を中心に、ポップ、ロック、テクノ、バラード、アカペラのスタイルで構成」とのことですが、全12曲中8曲がボーカル曲、4曲がインスト(うち3曲が長尺モノ)というバランスで、インストに占める割合が前作より若干上昇。田川といえばDEEN在籍時にリリースしたソロはどの作品もプロギタリストとしての腕を存分に活かしたロックナンバーで固められていたわけですが、DEENを脱退し完全なソロ活動を始めてからはむしろシンガーソングライター的なスタンスで、サウンドもプログラミングを含めてほぼ一人で賄うポップな路線に徐々にシフトチェンジ。本作収録の「BEGINNING」では往年のロック系インストが復活し、ギタリスト田川伸治の姿を垣間見ることができるものの、基本的には歌モノ重視という点では前作と変わらず。
かつてDEENで発表してきたキャッチーなメロディーセンスは健在で、歌詞についてもストレート気味で正直あまり詞的ではなかった表現から少しずつこなれてきた感はあり、積極的な制作姿勢による成長の跡も伺える一方、歌唱面では低音が不安定だったり、前作同様自分で作ったメロディーを歌い切れていない曲もあるなど、シンガーとしてはやはりちょっと…という点は相変わらず(アカペラ曲「いま僕にできること」で多重に重ねられた本人のコーラスは上手いと思うのですが…)。アレンジに関しては長年培ったさすがの経験値というべきか、打ち込み主体とはいえ幅の広さを見せてくれているので、本人が今後もシンガーソングライターとしての活動スタイルに拘るのであれば、あとはやはり歌かな、と。
なお作品内容とは直接関係ありませんが、本作のリリース情報はほぼXでの発信のみで、一応開設している公式サイトも購入ページのURLが書いてあるだけでリンクがされていないなど不親切な面が独立以降目立っており、限定的なプロモーションに留まっているのが気になりました。それでも発売日からインターバルを置いてサブスクで配信してくれるのは有難いとは思いますが、有料の公式ファンクラブに入るぐらいの熱心な田川ファン以外への拡大を求めていなさそうに見える活動の顕れのような気がするのは少し残念でした。
DEEN在籍時を含めて長年所属した事務所GOOD-DAYから昨年独立してリリースした前作から1年2ヶ月振りのニューアルバムとなった本作。今回も前作同様に自社通販サイトならびに各種サブスクでの配信(6月1日より解禁)という形態でのリリース。フィジカルリリースとしては前作ではジャケットが微妙に異なる初回盤と通常盤という控え目な(?)バージョン違いでしたが、本作では特典として直筆サイン入りポストカード付きのジャケット違いの初回盤・通常盤の他、ツアーパンフレットとのセット版もあるなど複数の組み合わせでの販売もあり。なお収録曲については初回・通常共に同一。本レビューはサブスク環境からとなります。
本作は「『切なく軽快』な曲調を中心に、ポップ、ロック、テクノ、バラード、アカペラのスタイルで構成」とのことですが、全12曲中8曲がボーカル曲、4曲がインスト(うち3曲が長尺モノ)というバランスで、インストに占める割合が前作より若干上昇。田川といえばDEEN在籍時にリリースしたソロはどの作品もプロギタリストとしての腕を存分に活かしたロックナンバーで固められていたわけですが、DEENを脱退し完全なソロ活動を始めてからはむしろシンガーソングライター的なスタンスで、サウンドもプログラミングを含めてほぼ一人で賄うポップな路線に徐々にシフトチェンジ。本作収録の「BEGINNING」では往年のロック系インストが復活し、ギタリスト田川伸治の姿を垣間見ることができるものの、基本的には歌モノ重視という点では前作と変わらず。
かつてDEENで発表してきたキャッチーなメロディーセンスは健在で、歌詞についてもストレート気味で正直あまり詞的ではなかった表現から少しずつこなれてきた感はあり、積極的な制作姿勢による成長の跡も伺える一方、歌唱面では低音が不安定だったり、前作同様自分で作ったメロディーを歌い切れていない曲もあるなど、シンガーとしてはやはりちょっと…という点は相変わらず(アカペラ曲「いま僕にできること」で多重に重ねられた本人のコーラスは上手いと思うのですが…)。アレンジに関しては長年培ったさすがの経験値というべきか、打ち込み主体とはいえ幅の広さを見せてくれているので、本人が今後もシンガーソングライターとしての活動スタイルに拘るのであれば、あとはやはり歌かな、と。
なお作品内容とは直接関係ありませんが、本作のリリース情報はほぼXでの発信のみで、一応開設している公式サイトも購入ページのURLが書いてあるだけでリンクがされていないなど不親切な面が独立以降目立っており、限定的なプロモーションに留まっているのが気になりました。それでも発売日からインターバルを置いてサブスクで配信してくれるのは有難いとは思いますが、有料の公式ファンクラブに入るぐらいの熱心な田川ファン以外への拡大を求めていなさそうに見える活動の顕れのような気がするのは少し残念でした。
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