2024年3月13日配信開始、さかいゆうのデジタルアルバム。全11曲収録。前年の2枚組ベストリリースの記憶も新しい中、配信のみという形でドロップされた本作は、ニューヨークのスタジオ、Power Station at Berklee NYCでレコーディングされた新曲2曲とカバー1曲のスタジオ音源に加え、デビュー15周年を迎えた当日である2023年10月7日に現地のミュージシャンやコーラス隊を招いて同スタジオにて生配信されたスタジオライブから8曲を収録。これで全11曲と曲数的にはフルアルバム規模なのですが、あくまで公式ではミニアルバムと呼称。あくまでメインなのは新規スタジオ音源3曲で、ライブ音源8曲はボーナストラック的な扱い、ということでフルアルバムではない…という解釈なのかもしれません。
新曲はNate Smith(Dr)、Robben Ford(G)など豪華ミュージシャンを迎え…とネットニュースでは書いてありますが、さかいゆうの公式インスタを見る限りでは他にもItai Kriss(Flute)、Tony Scherr(G)、Marcus Gilmore(Dr)といったジャズ系ミュージシャンが参加している模様。というわけで新曲「縄文ノヒト」「虫」はコロナ禍になる前、自由に海外を行き来できた頃に各地を巡ってレコーディングの旅をしていた時のような海外ミュージシャンによる生音での演奏が久々に復活。まあ筆者は以前にも書いていますが、さかいゆうの単独オケも好きな身としては、ゴージャスでともすれば高尚レベルの世俗からかけ離れたような作品だけになってしまうのはちょっとなぁ…と思っていたのですが、今回は近年の世界情勢を顧みたと思われる歌詞ながら、説教臭い感じではなく寓話に模したメッセージを曲に託したという感じで、テクニカルで耳当たりの良いサウンドとのバランスが取れた楽曲になっているのではないかと。また、後ろノリの強さが個性的な「蘇州夜曲」のカバーも新鮮でした。
ライブ音源については、前述のベストアルバム収録の楽曲(=さかいゆうの代表曲)を中心にしたライブベスト盤といった感じ。無観客の配信だったようで拍手などは聞こえてきませんが、ミュージシャンの唸り声や、さかいの絶叫(笑)など、通常のスタジオ音源では味わえないライブ感を適度に味わえます。演奏陣が手練れすぎてライブ特有の緊張感や熱気のようなものは音源のみだとあまり感じられないのがちょいと残念なところでしょうか。音のみならず映像媒体でも観ておきたかったな、と思いました。
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