accessarc 2024年7月21日発売、access通算29枚目のフィジカルシングル。表題曲・カップリング曲の各インストバージョンを加えた全4曲収録。

 2017年末のオリジナルアルバムリリース以降、楽曲発表の場を配信に移していたaccessとしては約6年半ぶりの一般流通向けフィジカルリリースとなった本作。表題曲「arc jump’n to the sky」は7月から放映開始の特撮ドラマ「ウルトラマンアーク」のオープニングテーマに起用され、第1話オンエアの7月6日より先行配信済。なお販売はCDのみの通常盤と、ウルトラマンソフビ付きの数量限定盤の二形態。また、今回はタイアップ先との絡みもあってか、以前まで所属していたソニー系列やプライベートレーベル(Darwin Record)からではなく、バンダイナムコミュージックライブの音楽レーベル・ランティスからの発売となっています。

 両作品ともに作詞は貴水博之、作・編曲は浅倉大介。「arc jump’n to the sky」はデジタルビートに明るいメロディー、ポジティブな歌詞を乗せて煌びやかなエネルギーを放つアップテンポナンバー。accessは明るさの中にも翳りを見せるような曲が結構多い…と個人的には思っているのですが、この曲は陽の部分を前面に押し出してきた、かつての代表曲「夢を見たいから」に通じるものを感じる仕上がりに。浅倉ならではの作り込まれたエレクトロサウンドはaccess王道ながら、貴水はハイテンションでの熱唱ではなく、軽快・爽やかという印象を受けるサッパリとした(?)ボーカルで臨んだスタイルとなっており、従来のイメージを踏襲しつつも昔と全く同じというわけではない2024年現在での進化形を見せた良曲。
 対してカップリングの「Blaze of liberation」は一転してマイナーコード主体の不穏な雰囲気漂うハイスピードナンバーで、歌詞の内容もシリアス。こちらの方が世間一般的なaccessのイメージに近いでしょうか。ただし表題曲と同じテーマ(未来に立ち向かう系)を別角度から制作したような、一対になっている2曲だと感じました。

 今回はウルトラマンシリーズの主題歌ということで、レコード会社も異なるイレギュラー的なフィジカルシングルなのかもしれず、本作を軸にしたアルバム制作…とかは多分なさそう(ライブツアーは毎年開催しているようですが)な気がしますが、前作からかなりインターバルが開いてしまったし、そろそろまとまった作品も出してほしいところ。まあ気長に待ちます(笑)。