2024年3月20日発売、生誕90年、そして公式ファンクラブの開設を記念して企画された石原裕次郎の最新ベストアルバム。全16曲収録。
故・石原裕次郎は今年で生誕90年、そして彼が歌手として生涯在籍したテイチクエンタテインメントも1934年創立ということで実は同い年。そんな縁もあってか、90周年同士(?)を記念して制作されたベストアルバムが本作。選曲は2023年の12月28日(裕次郎の誕生日)から翌年の1月31日までの間にテイチク内特設サイトにて開催された、シングルタイトル曲の中から3曲を選んで投票してもらった結果を反映し、上位16曲を収録するというファン投票ベストであり、順位結果はこちらに公開。曲順は基本的には投票の結果順に並んでいるようですが、最晩年にリリースされ投票3位だった「我が人生に悔いなし」をラストに持ってきたり、代表曲「夜霧よ今夜も有難う」(投票4位)をほぼ真ん中の9曲目に配置したりと、1枚のアルバムに収めるにあたってある程度バランスを整えているようです。なお投票第1位であり、生前最後にレコーディングされ、逝去直後の1987年8月にリリースされた「北の旅人」はそのまま1曲目に配置されています。
歌手デビューした1956年からその生涯を閉じた1987年まで、約30年間に発表された数多のシングル楽曲の中から選び抜かれた16曲のうち、一番新しい作品は先述の「北の旅人」、一番古い作品は1961年の牧村旬子とのデュエット「銀座の恋の物語」と、結果的には約四半世紀に及ぶ年代の中からの16曲選出となりました。筆者は裕次郎が逝去した時はまだ当時小学生…ということでリアルタイムでは名前ぐらいしか知らず、以前にも書きましたが1999年の13回忌に際して連日再放送されていた本人出演の刑事ドラマ「西部警察」(1979〜1984年)でエンディングテーマを担当していたことをきっかけに彼の歌声を知ることになるのですが、その時点で数多のベストがリリースされており、そこに手を出すまでは…というところで止まって現在に至っていたのですが、今回のCD1枚のベストで「西部警察」の関連曲も結構入っている…ということでそれでは聴いてみるか、と手を出してみた次第。もちろん「嵐を呼ぶ男」や「ブランデーグラス」といった歴代の代表曲も選出されていますが、「みんな誰かを愛してる」「時間(とき)よお前は…」「勇者たち」「嘆きのメロディー」等、「西部警察」のエンディングや挿入歌が潤沢に選出されたこともあり、全体的には80年代以降にリリースされた楽曲が約半数というバランスになっているのが本作の特徴でしょうか。
ということで初めてまとめて裕次郎の各年代の楽曲を聴いてみましたが、職業作家の手による各楽曲を中音域主体の美声で歌いこなし、思いを込めながらも技術や過剰な感情表現に走らず、男の渋い色気を醸し出すその歌声はまさに絶品。アレンジに関してはザ・歌謡曲といった感じで、年代によって録音がモノラルだったり、音色がレトロっぽいなぁ…という曲もあり、比較的新しい「黎明」などはシンセドラムらしき音を使ったりエレキギターの熱いソロがあったりと、80年代の流行を取り入れたと思しきアレンジに時代性を感じてしまう箇所も少々ありましたが、作品年代を問わず一貫してその包容力のあるボーカルで聴き手を石原裕次郎ワールドに誘い込む辺り、ボーカリストとはこういう人のことを真に指すのでは…と思わせる魅力がある、というのが聴いてみての感想でした。
必ずしもセールス上位の曲が全てランクインして収録されたというわけではないので、全盛期をリアルタイムで知るコアな裕次郎ファンの方としては、80年代以前のヒット曲ももっと…という声もあったかもしれませんが、とりあえず筆者のようにドラマ等をきっかけに、ある程度知っている曲が入っているほうが手に取りやすい内容であるので、そういった層への石原裕次郎入門編としては最適なベストではないかと思います。ただし、「西部警察」のエンディング全5曲の中で「夜明けの街」のみは残念ながら未収録なので、これ1枚で主題歌コンプリートは無理なのでご注意(?)を。
故・石原裕次郎は今年で生誕90年、そして彼が歌手として生涯在籍したテイチクエンタテインメントも1934年創立ということで実は同い年。そんな縁もあってか、90周年同士(?)を記念して制作されたベストアルバムが本作。選曲は2023年の12月28日(裕次郎の誕生日)から翌年の1月31日までの間にテイチク内特設サイトにて開催された、シングルタイトル曲の中から3曲を選んで投票してもらった結果を反映し、上位16曲を収録するというファン投票ベストであり、順位結果はこちらに公開。曲順は基本的には投票の結果順に並んでいるようですが、最晩年にリリースされ投票3位だった「我が人生に悔いなし」をラストに持ってきたり、代表曲「夜霧よ今夜も有難う」(投票4位)をほぼ真ん中の9曲目に配置したりと、1枚のアルバムに収めるにあたってある程度バランスを整えているようです。なお投票第1位であり、生前最後にレコーディングされ、逝去直後の1987年8月にリリースされた「北の旅人」はそのまま1曲目に配置されています。
歌手デビューした1956年からその生涯を閉じた1987年まで、約30年間に発表された数多のシングル楽曲の中から選び抜かれた16曲のうち、一番新しい作品は先述の「北の旅人」、一番古い作品は1961年の牧村旬子とのデュエット「銀座の恋の物語」と、結果的には約四半世紀に及ぶ年代の中からの16曲選出となりました。筆者は裕次郎が逝去した時はまだ当時小学生…ということでリアルタイムでは名前ぐらいしか知らず、以前にも書きましたが1999年の13回忌に際して連日再放送されていた本人出演の刑事ドラマ「西部警察」(1979〜1984年)でエンディングテーマを担当していたことをきっかけに彼の歌声を知ることになるのですが、その時点で数多のベストがリリースされており、そこに手を出すまでは…というところで止まって現在に至っていたのですが、今回のCD1枚のベストで「西部警察」の関連曲も結構入っている…ということでそれでは聴いてみるか、と手を出してみた次第。もちろん「嵐を呼ぶ男」や「ブランデーグラス」といった歴代の代表曲も選出されていますが、「みんな誰かを愛してる」「時間(とき)よお前は…」「勇者たち」「嘆きのメロディー」等、「西部警察」のエンディングや挿入歌が潤沢に選出されたこともあり、全体的には80年代以降にリリースされた楽曲が約半数というバランスになっているのが本作の特徴でしょうか。
ということで初めてまとめて裕次郎の各年代の楽曲を聴いてみましたが、職業作家の手による各楽曲を中音域主体の美声で歌いこなし、思いを込めながらも技術や過剰な感情表現に走らず、男の渋い色気を醸し出すその歌声はまさに絶品。アレンジに関してはザ・歌謡曲といった感じで、年代によって録音がモノラルだったり、音色がレトロっぽいなぁ…という曲もあり、比較的新しい「黎明」などはシンセドラムらしき音を使ったりエレキギターの熱いソロがあったりと、80年代の流行を取り入れたと思しきアレンジに時代性を感じてしまう箇所も少々ありましたが、作品年代を問わず一貫してその包容力のあるボーカルで聴き手を石原裕次郎ワールドに誘い込む辺り、ボーカリストとはこういう人のことを真に指すのでは…と思わせる魅力がある、というのが聴いてみての感想でした。
必ずしもセールス上位の曲が全てランクインして収録されたというわけではないので、全盛期をリアルタイムで知るコアな裕次郎ファンの方としては、80年代以前のヒット曲ももっと…という声もあったかもしれませんが、とりあえず筆者のようにドラマ等をきっかけに、ある程度知っている曲が入っているほうが手に取りやすい内容であるので、そういった層への石原裕次郎入門編としては最適なベストではないかと思います。ただし、「西部警察」のエンディング全5曲の中で「夜明けの街」のみは残念ながら未収録なので、これ1枚で主題歌コンプリートは無理なのでご注意(?)を。
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