getwildcontinual 2024年4月21日配信開始、TM NETWORKのデジタルシングル。

 本楽曲はデビュー40周年当日にリリースのTM関連の「シティーハンター」のアニメでのタイアップ曲をCD2枚組にまとめた企画アルバム「40+ 〜Thanks to CITY HUNTER〜」の中に収録される「Get Wild」新録バージョンとして今年初頭に情報解禁。加えてNetflixにて4月25日より独占公開となった実写版「シティーハンター」のテーマソングに起用されることも発表。「40+〜」ではゴールドディスク仕様のDisc 1にこの曲とこの曲のインストのみが収録されるという実質シングル状態、Disc 2にはオリジナルの「Get Wild」等、これまで劇中で使用されてきた各主題歌・挿入歌や、デジタル配信のみだった「Angie」を収録した全6曲。これで値段が5,500円って…なお、アルバム自体はデジタル配信されなかったものの、「Get Wild Continual」自体は単品シングルとしてフィジカルリリースと同時に配信が開始されたので、アルバムを購入せずとも聴くことが可能。なお、リリース直後よりMVもフルサイズで公開されています。

 もはやTM随一の代名詞とも言える「Get Wild」。元々ミックス違いやバージョン違いの多数あるTM楽曲の中でも、この曲のバリエーションはとんでもなく、過去に本ブログでも各スタジオ音源バージョンをレビューしたり、公式にもアルバムの全楽曲を「Get Wild」で埋め尽くした4枚組CDなどもリリースされているわけですが、今回のリアレンジはTM名義では「Get Wild 2015 -HUGE DATA-」以来9年振り。そんな本作の特徴は極めて原曲を尊重したアレンジという点。実写映画制作側からの要望もあったようですが、リメイクとなると全くの新アレンジで「原曲を壊す」ことを積極的に行うTM(小室哲哉)としては異色の、音色とフレーズは微妙に異なるもののイントロからオリジナルを意識し、原曲のベーシックアレンジに現在風のシンセをプログラミングする方向性でリメイクされています。バージョンによって導入されていた長尺な間奏、あるいはインストの中に「Get Wild」を組み込んだ…的なアプローチなどは全く行わず、マイナーチェンジに留めている点が彼らにしては珍しいと思いました。特に1コーラス目が終わった後でサビのコード進行を使った間奏が新たに作られていたのが新鮮な展開。総演奏時間も約5分とポピュラーミュージックとして常識的な(?)範囲となり、歴代のリメイクの中でも最も原曲を意識した、いわゆる正当進化的なバージョンがオリジナル発売から26年を経過してようやく誕生したな、という、ある意味感慨深いリメイクでした。

 なお、本曲はCD、配信のみならず、アナログレコードでも2024年5月22日より完全生産にて販売開始。本記事の画像はレコードのジャケットとなります。まあ個人的にはフィジカルCDのシングルパッケージとして、お安く出して欲しかった、というのが本音ですが…。