2024年2月28日に全4曲で配信開始された、スキマスイッチの配信限定リリース作品。デビュー20周年を記念したEPとして、2024年2月27日に公式サイトで告知され、翌日配信となった本作。全4曲のうち、既にCDでフィジカルリリースされている楽曲は2曲、残る2曲は新録となりますが、こちらも今年の2月(本作の配信一週間前)に最新シングルの初回限定盤のBlu-rayに収録され、動画としては既発ですが音源という形のみで配信されるのは一応初。本作リリースに関してのメンバーの直接的なコメントは見当たりませんでしたが、リリース後に新録時のレコーディングレポートが公開されており、楽曲を聴く際の参考にはなると思います。
1トラック目の「藍 Live at Asylum Chapel (South London)」、2トラック目の「奏(かなで) Live at Asylum Chapel (South London)」は、昨年5月にロンドンのアサイラム・チャペルでレコーディングされたボーカル+ピアノによるニューバージョン。と言っても一発録りではなく、先に常田真太郎のグランドピアノを録音し、その後で大橋卓弥のボーカルを録音したという変則的なレコーディングだった模様。なお「藍」は昨年リリースの20周年ベスト「POPMAN'S WORLD -Second-」で新録された「藍 〜僕たちの色彩〜」に準拠したアレンジでの演奏。
この2曲に関してはソニーの立体音響技術である360 Reality Audioを活用しての試みというテーマがあったようで、各マイクの種類・配置にも厳密に気を配ったレコーディング(この辺りは前述のリンク記事を参考)とのことで、今回配信で聴いたのは通常のステレオミックスだと思うのですが、教会ならではの独自の響きのついたピアノの鳴りや、鍵盤の音の高低差によるパンの位置などは通常のレコーディングのテイクを聴くよりも近場で聴いているリアリティを感じられました。ボーカルも一発録音だったようで、高音になると結構声がかすれたりしていたのをそのまま採用するなど、緊張感のあるライブテイク(疑似ですが)になったな、といったところ。
3トラック目の「未来花 for Anniversary」の初出は2018年の配信シングル(当時のミックスを元に360 Reality Audio用に制作した模様)。昨年の20周年記念ベストには原曲「未来花」が収録されていたので今回はアナザーバージョンのこちらを選曲したのでしょうか。そして4トラック目の「ボクノート 〜for 20th Anniversary with Orchestra〜」は前述のベストで新録されたオーケストラバージョンをそのまま収録。この記事では「藍」「奏」に先行して2022年の12月に360 Reality Audio前提でのレコーディングを国内で行っていたことが語られており、関連作としての選曲といったところでしょうか。この2曲は既発バージョンなので感想は省略(笑)。総括すると寄せ集め感のある内容ではありましたが、彼らの代表曲のアナザーバージョンを揃えて気軽に聴けるという点では良いんじゃないかなと。
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