tmwhatever 2023年9月6日発売、TM NETWORKの通算42枚目となるフィジカルシングル。全4トラック収録のCDのみの通常盤、CD+特典映像入りのBlu-ray付属のデジパック装丁の初回生産限定盤の2種による販売形態(CDの収録内容は同一のBlu-spec CD2仕様)。本レビューは初回生産限定盤となります。

 表題曲「Whatever Comes」は作詞が小室みつ子、作曲・編曲が小室哲哉という鉄壁の布陣。アニメ映画「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」のオープニングテーマとして6月14日(最新オリジナルアルバム発売日と同時)にショートバージョン(Opening Edit)が配信開始。約2ヶ月後の8月23日からはフルサイズ配信も開始され、映画の劇場公開日である9月8日の直前というタイミングでフィジカルCD化。シティーハンターの世界観に合わせてか、アッパーで躍動感のあるデジタルナンバー。近年の(といっても10年近く前ですが)TMのシングル曲は「I am」や「LOUD」など、良くも悪くも優等生的な歌詞で明るいタッチの楽曲が続いていたのですが、今作は陽の空気の中にも若干シリアスな雰囲気を漂わせた印象となっており、Epic/Sony所属の最初の10年間の彼らを彷彿とさせる仕上がり。シングルタイトルに相応しい良曲だと思います。

 カップリングは2トラック目が同映画の挿入歌「DEVOTION(Radio Edit ver.)」。最新アルバムのリード曲の別エディットで、イントロを短くカットするなどの微調整バージョンで尺もフルで収録。原曲と比べると打楽器系の音の鳴りが若干派手になっている…気がするので、仮にシングルカットするなら原曲よりもこちらのバージョンのほうがインパクトの意味でシングルらしいかな、という感じ。3トラック目の表題曲のインスト(Backing Trackなのでコーラスは無しですが落ちサビのウィスパーボイスはなぜか健在)を挟み、4トラック目は同映画のエンディングテーマ「Get Wild(2023 REMASTER)」を収録。タイトルの通りオリジナルの「Get Wild」を今年新たにリマスターしたバージョン。まあこの曲はベストに入る度に何度もリマスターされるし…ということでまたリマスターなんだ、という感想になってしまうのですが(苦笑)、今回は心なしか低音が強調されているような気が。

 初回生産限定盤のBlu-rayの内容ですが、シティーハンターの劇中映像をコラージュした「Whatever Comes」のOpening Edit(-CITY HUNTER Special Movie-)、「DEVOTION」のショートバージョンのリリックビデオ(-Lyric motion feat.CITY HUNTER-)、そして映画の90秒の本予告編を収録の3本立てという、CD同様に完全にシティーハンター関連で徹底。それに加えて来年初頭の全国ツアーのチケット先行エントリーシートが封入されるというサプライズが。事前告知が全くなかったので、+1,000円出してまで映像(収録時間4分)はいらないから通常盤を購入してしまったファンもいるんじゃないかな…と思うので、この商法はちょっと疑問。ともあれエントリーの締め切りは9月24日までとのことなので、エントリーしたい方はご購入はお早目に。