horookiesA 2022年8月29日発売、HoRookiesの通算3枚目となるオリジナルアルバム。配信シングル「結の唄」「アルバム」を含む全10曲収録。

 HoRookiesは沖縄・浦添市にある港川中学校出身の先輩・後輩で2014年に結成されたフォーピースバンド。各担当楽器はギター、ベース、キーボード、ドラムスとオーソドックスな編成ながら、メンバー各自がそれぞれ楽曲を手掛け、曲によってリードボーカリストが異なる、というのが特徴。2018年より本格的に始動し、2019年9月にデビューアルバム、2021年8月にセカンドアルバムとリリースを重ねて本作が3枚目。なお、ドラム担当の比嘉舜太朗はBEGINのボーカル・比嘉栄昇の実子で、近年ではHoRookiesの活動と並行してBEGINのサポートメンバーとしてライブツアーに帯同(ドラム担当以外にギター+コーラスでの参加も有)している模様。

 ということで筆者が長年ファンであるBEGIN繋がりで聴いてみた本作。全国ネットのバラエティ番組でも披露され一部で話題になったシングル「結の唄」のような、三線メインのアコースティック調という、言ってしまえばBEGINフォロワー的な楽曲が多いのかな、と思っていたのですが、確かに彼らの地元である沖縄ルーツ系の「ヨース°」「むるうちなー」といった楽曲もありますが、ディスコ調の「Everybody踊らでぃ」やロック寄りの「ヨット」、ライトメロウ風な「You were mine」等、楽曲を制作したメンバーが曲毎にそれぞれ異なることもあってか、先入観に反して曲調は多彩。デビューアルバム発売時のインタビュー記事を読むと各メンバーのリスペクトアーティストもバラバラで、そんな個性を1曲1曲振り分けていった作品といったところでしょうか。

 演奏面ではフォーピースを基調とし、あまりバンド外のアディショナルな音は鳴らさないシンプルなもので、隙間のある音像で仕立てており、想像していたより結構大人しい…と感じる一方で、歌詞のほうは現在二十歳前半〜中盤である彼らの年齢を良い意味で反映させた直球の内容が多く、彼らとは+成人年齢ぐらい世代が離れている筆者としては、この(元)学生ノリっぽさ、若々しさがとても眩しく懐かしい感じ。これから活動を続けていくうちに年相応に歌詞の内容も変わっていくのでしょうが、今の年齢だから歌える、今しか歌えない「HoRookiesの現時点」を詰めた作品集として好印象。個人的には先行の「アルバム」「Shine」のような、ミディアム寄りの温もりを感じるサウンドの楽曲が当たりでした。本作以降は今年4月にシングルが1曲配信されており、まだアナウンスはされていませんが、次回作のアルバムがリリースされればまたチェックをしてみたいバンドだと思いました。