2022年3月19日発売、GOING UNDER GROUNDのメジャーデビュー後通算14作目(インディーズ時代のフルアルバムを含んだ公式のカウントでは通算15作目)のオリジナルアルバム。配信シングル「momotaro」「望郷東京2020」「ビーチパーティー」を含む全10曲収録。
インディーズデビュー作「Cello」発売から20周年を迎えた2018年12月に発売されたオールタイムベストを挟んで、オリジナルアルバムとしては前作より3年半ぶりという、バンド史上最長のインターバルを置いて発表された本作。発売当時の公式サイトのライナーノーツによると、前作制作の際から考案していた「バンドの運営もすべてメンバー三人だけで行う」という方針に切り替え、翌2019年から運営を実行、軌道に乗りかけた2020年初頭にコロナによるパンデミックが…という予想外の出来事を乗り越えリリースされた、ということ(要約)ですが、こちらのインタビューから察するに、アルバム制作自体は特に難産だったというわけではなく順調に進んだ模様。なお、本作の販売形態はフィジカルメディアとしては公式通販とライブ会場限定販売という形で、発売から約二週間後の2022年4月1日にはダウンロード、ストリーミングでも解禁。なお筆者は近年のゴーイングに関しては積極的に情報を追いかけていなかったのでCDを買いそびれ(汗)、この度ようやくApple Musicのストリーミングで聴くことができました。というわけで発売後1年以上経過してからの新譜レビューとなります。
前掲のインタビュー記事でも語っているように、本作はこれまでのいわゆる大衆受けを狙っての作品づくりから距離を置き、ボーカル、ギター、ベースというメンバーの担当に加えてドラムス、曲によっては補強的にキーボードを入れたり、コーラス、パーカッションをゲストプレイヤーとして招いて…という、これまでになく飾らない音で松本素生の生み出した楽曲を表現した演奏が詰まった作品になりました。メロウな「潮騒」や陽気なノリの「ナイトフライト」、終始流れるエレキのリフも印象的な「moon dance」など、楽曲的には相変わらずの松本節(?)という感じでそんなに劇的に変わったな、という印象は受けなかったのですが、歌詞についてはその時、その場に存在する事象を松本の感性で表現した独白的なものが多く感じられたのがこれまでの楽曲との違いでしょうか。演奏面に関しては、インタビューでの言葉を信じるならば、鳴らしたい音だけを奏でて楽しくやってるぜ!という音像が良く伝わってくるように思えました。
総じて2020年春以降に起きた世の中の変化に即した悩み苦しみ…とは表面上は無縁の(元々松本がソロで歌っていたという「昼呑み」の歌詞はコロナ禍を経由して深い意味を持ってしまったように思えますが…)良い意味で明るめのアルバムとなり、聴きやすさについては近年の彼らの作品では上位に来そうと思う反面、突出したアルバムリード曲的なものがない点が少々物足りないのと、一部の曲に関して敢えて粗いデモテイクをそのままオーバーダビングして完成させたという節が見受けられて、この辺りに違和感を感じたのは、自由な裁量でできるメンバーの感性と、もう少し商品として整えたものを求める筆者の感性の違いなのかも…と思ったり。今回のCDの販売方法も含めて「聴きたい人だけが聴いてね」的な閉じた体制になっているのは少し気になるところでしたが、本人達がこれから対外に向けてアピールしてやろうみたいな野心とは無縁で制作した結果、満足を得る作品が作れたというのであればそれが現状では一番良いのかも。ただ、次作以降はフィジカルメディア販売にもう少し選択肢を増やしてくれれば…と思いました。
インディーズデビュー作「Cello」発売から20周年を迎えた2018年12月に発売されたオールタイムベストを挟んで、オリジナルアルバムとしては前作より3年半ぶりという、バンド史上最長のインターバルを置いて発表された本作。発売当時の公式サイトのライナーノーツによると、前作制作の際から考案していた「バンドの運営もすべてメンバー三人だけで行う」という方針に切り替え、翌2019年から運営を実行、軌道に乗りかけた2020年初頭にコロナによるパンデミックが…という予想外の出来事を乗り越えリリースされた、ということ(要約)ですが、こちらのインタビューから察するに、アルバム制作自体は特に難産だったというわけではなく順調に進んだ模様。なお、本作の販売形態はフィジカルメディアとしては公式通販とライブ会場限定販売という形で、発売から約二週間後の2022年4月1日にはダウンロード、ストリーミングでも解禁。なお筆者は近年のゴーイングに関しては積極的に情報を追いかけていなかったのでCDを買いそびれ(汗)、この度ようやくApple Musicのストリーミングで聴くことができました。というわけで発売後1年以上経過してからの新譜レビューとなります。
前掲のインタビュー記事でも語っているように、本作はこれまでのいわゆる大衆受けを狙っての作品づくりから距離を置き、ボーカル、ギター、ベースというメンバーの担当に加えてドラムス、曲によっては補強的にキーボードを入れたり、コーラス、パーカッションをゲストプレイヤーとして招いて…という、これまでになく飾らない音で松本素生の生み出した楽曲を表現した演奏が詰まった作品になりました。メロウな「潮騒」や陽気なノリの「ナイトフライト」、終始流れるエレキのリフも印象的な「moon dance」など、楽曲的には相変わらずの松本節(?)という感じでそんなに劇的に変わったな、という印象は受けなかったのですが、歌詞についてはその時、その場に存在する事象を松本の感性で表現した独白的なものが多く感じられたのがこれまでの楽曲との違いでしょうか。演奏面に関しては、インタビューでの言葉を信じるならば、鳴らしたい音だけを奏でて楽しくやってるぜ!という音像が良く伝わってくるように思えました。
総じて2020年春以降に起きた世の中の変化に即した悩み苦しみ…とは表面上は無縁の(元々松本がソロで歌っていたという「昼呑み」の歌詞はコロナ禍を経由して深い意味を持ってしまったように思えますが…)良い意味で明るめのアルバムとなり、聴きやすさについては近年の彼らの作品では上位に来そうと思う反面、突出したアルバムリード曲的なものがない点が少々物足りないのと、一部の曲に関して敢えて粗いデモテイクをそのままオーバーダビングして完成させたという節が見受けられて、この辺りに違和感を感じたのは、自由な裁量でできるメンバーの感性と、もう少し商品として整えたものを求める筆者の感性の違いなのかも…と思ったり。今回のCDの販売方法も含めて「聴きたい人だけが聴いてね」的な閉じた体制になっているのは少し気になるところでしたが、本人達がこれから対外に向けてアピールしてやろうみたいな野心とは無縁で制作した結果、満足を得る作品が作れたというのであればそれが現状では一番良いのかも。ただ、次作以降はフィジカルメディア販売にもう少し選択肢を増やしてくれれば…と思いました。
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