wandsraise 2023年5月17日発売、WANDS通算20作目(第5期WANDSとしては通算5作目)のフィジカルシングル。それぞれ内容の異なるBlu-rayが同梱の通常盤CDと名探偵コナン盤CDの2種形態での発売になっていますが、本レビューではレンタル禁止のBlu-rayを除く通常盤CDでのレビューになります。

 「真っ赤なLip」「YURA YURA」に続いて、TVアニメ「名探偵コナン」のオープニングテーマとしてWANDSとしては3度目の起用となった本作。第5期WANDSのフィジカルシングルは基本的に二種類用意され、それぞれ第3期までの楽曲をセルフカバーしたものがカップリングとして収められる、というのが常態だったわけですが、今回各CDに収録されているのは表題曲のみで、カップリングはOFF VOCALバージョン(通常盤)、TVサイズバージョン(コナン盤)だけというシンプルさ。その分同梱のBlu-rayで差を付けての商法となっています。今回はレビュー外ですが一応ご紹介しておくと、通常盤は昨年12月に開催されたBREAKERZとのツーマンライブから3曲、コナン盤は前述のタイアップを受けたオープニング3曲のノンクレジット映像をそれぞれ収録しているとのことです。

 さて、表題曲「RAISE INSIGHT」ですが、作詞は上原大史、作曲・編曲は柴崎浩という鉄板スタイル。ブックレットによると柴崎自身がミックスも担当しているようです。インタビューによるとコナンタイアップのオファーを受けて制作を始めたということですが、柴崎作曲のスピード感のあるメロディー、軽快なロックバンド調サウンドは第5期らしいな、と思うのに対し、上原の作詞はストーリー性があって分かりやすかったこれまでの作品とはやや異なり抽象的。コナン関連のワードは特に意識しないで作詞したということで、タイアップ先に合わせたというわけではなさそうなのですが、「カナリア〜」から続く新しい作風を取り入れたWANDSの形をまたひとつ作り上げたかな、という印象。また、ラストサビからアウトロにかけては現在活動休止中の木村真也(ジャケットやメンバークレジットには表記有)の担当であるキーボード(ピアノ)をボーカルとの掛け合い的にフィーチャーしたパートもあり、こちらのインタビュー通り「WANDSはキーボードがいるユニット」というスタンスを音で表現してくれたのは嬉しいポイントでした。

 「配信シングルも含めて数も揃ってきたしそろそろオリジナルアルバムを…」と、文章を締めようと思っていたのですが、先日3年8ヶ月ぶりのニューアルバムのリリースがついに発表。既発曲を多く含んだ内容になるようですが、ようやくのアルバムということで、期待して待とうと思っております。