
2022年より新たなプロジェクトとして、動画企画とライブをセットにした、通常のリリースやライブツアーとは趣の異なるライフワーク的な活動「Chageのずっと細道」をスタートさせたChage。本作は「〜ずっと細道」のライブでも既に披露している配信リリースの新曲「そういうひと」(7月)「POP」(9月)を初CD化、それに加えて過去にレコーディングを完了していたものの未リリースとなっていたままのセルフカバー楽曲を現在のChageのボーカルでレコーディングし、2022年のミックスで蘇らせたという蔵出し音源を4曲収録。ということで、本作はミニアルバムの体裁を採っていますが、実質は2曲の新曲+ボーナストラックとして4曲のセルフカバーを収録した拡大版シングル、といったところでしょうか。
収録曲順はセルフカバー4曲、続けて新曲を発表順に配置という時系列。順番に紹介していくと、セルフカバーはChageのコメントによると約10年前のアコースティックスタイルのライブツアー「Chageの細道」のバンドメンバーで録音したもの、とのこと。楽曲はかつて彼が率いていたMULTI MAX名義、そしてソロ名義で発表された中から2曲ずつ。4曲中3曲がシングルリリースされており知名度的には著名な曲だと思いますが、バンドメンバーで新たに録音されたということもあり、原曲のイメージを極端に変えることはなく、アコースティック的な手触りに仕立て直したといった印象。特に「遠い街から」は表情豊かなアコギの音とパーカッションが心地良い出色の出来で、MULTIの原曲を超えたな…と個人的には思います。
新曲「そういうひと」は恐らく応援してくれているファン宛てと思われるピアノメインの直球ラブソング。一方の「POP」は歌詞だけ読むとシリアスで重ためなバラードが来るのか…と思わせておいて、メロディーやオケは明るい打ち込みメインの楽曲で結構インパクト有。どちらの曲も同梱のライブ映像にも収録されており、「〜ずっと細道」のテーマソング的な役割を持っている楽曲でしょうか。静と動が好対照の2曲でした。
セルフカバーの制作経緯については、「ボーカル以外は8年ほど前にレコーディングした音源」というChageのコメントもあり、8年前というと2014年かぁ…と当時のチャゲアス周辺に起きた出来事を思い起こしてしまうと何とも…という感じなのですが、とにもかくにも長らくお蔵入りになっていた音源をこうして世の中にリリースしてくれたことには感謝に堪えません。ただ商品的には高額に設定されているので、出来ればライト層向けにCDのみのリリースもしてもらえたら、と思いましたが、何とこの6曲、フルサイズで公式にてYouTube配信されていた(しかも発売前日から)のには驚き。音質にこだわらなければ気軽に聴ける環境になっていますので、興味のある方は是非ご一聴を。
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