bzhighwayx 2022年8月10日発売、B'z通算22作目となるオリジナルアルバム。配信シングル「UNITE」「SLEEPLESS」を含む全11曲収録。CDのみの通常盤、ライブ映像入りのDVDが付属する初回限定盤、加えてフォトブックレットに収録曲3曲のショートサイズをA面に、ライブ演奏曲2曲をB面に収録したカセットテープが付属の初回限定生産盤の3形態での発売。本レビューは通常盤となります。

 前年冬に25年振りのミニアルバム「FRIENDS 掘のリリースがあったものの、系統としては約3年3ヶ月前に発売された前作「NEW LOVE」の流れを引き継ぐ久々のオリジナルアルバム。参加しているレコーディングメンバーについては「FRIENDS 掘彁臆辰瞭本人ミュージシャンが3曲、他の曲は「NEW LOVE」以来の外国人ミュージシャンが中心となって参加しているのがスタッフクレジットにて確認できます。また、本作はアルバム発売よりも結構前にライブでの披露が行われていた楽曲や、ドラマや映画の主題歌等で先行発表されたものの商品化に至っていなかった楽曲が多く、「COME BACK -愛しき破片-」「YES YES YES」「リヴ」「You Are My Best」は本作で満を持しての初音源化となりました。なお、本作はアルバム発売前に新曲中心のツアーが行われ、ツアー最終盤にようやく発売という、通常のアルバム発売→レコ発的ライブツアーという流れとは異なる経緯を辿ってリリースされたとのことです。

 …ということでほぼメンバーをコロナ禍前の状況に戻しての仕切り直し的な一作となり、基本的にロック一直線(?)だった「NEW LOVE」と比較すると、ホーンセクションをふんだんに使って明るい雰囲気を出した「Hard Rain Love」、クラビネットなどのプログラミングも久々に前面に出してきた曲(「マミレナ」)もあったりと、ここ数作続いていたストイックなロック路線からは少し距離を置いて、ボーカル+ギター以外は可変的なユニットならではの自由度を出してきたかな、という印象。とは言っても壮大なバラード曲に関しては良くも悪くもいつも通りで、過去の名バラードと比べるとどうしても…という感じは受けてしまいますが、デビューして34年、大きな休止もなく作品を産み出し続けてきたわけでこれはもう仕方のない部分なのかも。あとは「COME BACK -愛しき破片-」を始めとして、メロディーが全体的に歌謡曲寄りと言いますか、日本人好みの泣きのメロディーが復活してきたかな、とも感じました。前述の通りタイアップ作も多く収録されているので、敷居としては直近の数作よりも取っつき易い内容かも。

 ところで冒頭にも書きましたが、初回限定生産盤にカセットテープが同梱、という形態をこの令和の時代に繰り出してくるとは…と驚いたのは筆者だけでしょうか(笑)。家電量販店でも低スペックなラジカセぐらいしか店頭では見かけず、カセットを聴くのがカジュアルではない文化になってしまった昨今、カセット用ハードウェアを持たないリスナー泣かせだったのではないかと思いますが、内容はここでしか聴けない新曲とかではなくオンエアバージョンやライブテイク収録ということで、あくまでオマケアイテム。コアファン向けのサービスとしてはなかなか面白い試みだと思いました。