perfumeplasma 2022年7月27日発売、Perfumeの通算8枚目となるオリジナルアルバム。全12曲収録。CD1枚の通常盤、収録曲のMVを集めたBlu-rayまたはDVDを加えた2枚組の初回限定盤A・B2種、更に1枚ずつ映像ディスクを加え、フォトブックも付属した3枚組の完全生産限定盤A・B2種、その上に完全生産限定盤にオリジナルケース付Bluetoothイヤホンが付く豪華盤が数量限定で発売とのことですが、特に各種による収録曲違いはない模様。本レビューは通常盤となります。

 メジャーデビュー15周年ということでの集大成のベストアルバムを発売したのが2019年の9月。オリジナルアルバムに関しては前年2018年8月以来ということで4年振りと、過去最長のインターバルを挟んでいますが、ベスト後もそれなりの間隔でフィジカル、配信問わずに楽曲単位でリリースは続いており、個人的には意外と長いようで短い4年だった感覚があります。収録シングルはフィジカルでは「Time Warp」「Flow」、配信では「再生」「さよならプラスティックワールド」、EP盤として「ポリゴンウェイブ EP」からタイトル曲含む3曲、さらに各シングルのカップリングも含めると全8曲が既発曲と、オリジナルアルバムながら、実質は2019〜2022年の彼女達のお仕事全集といった趣のセミベスト状態になっています。

 内容もベストを経て心機一転…ということもなく、発売の際には「固体・液体・気体に次ぐ物質の第4の状態(PLASMA)に突入したPerfume」などのキーワードが語られていましたが、具体的にどうこうというよりもコンセプトワードの類だと思われ、最初から最後までミディアム〜アップテンポの楽曲をEDMに乗せて歌ういつものPerfume仕様で特に目立った新しさはなし。ただ、全体を聴いて「以前よりもしっとりした感じ」は受けました。もちろんいきなりアコースティックに変容したということではなく、楽曲制作もプロデューサーたる中田ヤスタカが一手に引き受けているので劇的に変わったということではないのですが、メジャー初期、またはユニバーサルに移籍直後のバリバリのテクノサウンドからは一歩下がって、若干マイルドなオケになったな、とは思いました。まあ、制作陣や演じる側、もちろん聴く側も同じように年を重ねていくわけですし、筆者としてもいつまでもギンギンな作風ではこの先キツい…という思いもあり、その点では本作は良い感じにマイナーチェンジされていたかなと。

 基本的なPerfume像を守りながらもサウンド的にやや落ち着かせていく、というアプローチは、長年継続的な活動で完全に根付いた「Perfumeブランド」だからこその成せる業と思います。これはこれから先も活動を続けていくにあたっての彼女達のテーマにもなるのではないでしょうか(とか言って次回作でまたバキバキさせたりする…という可能性もありますが・笑)。次のアルバムリリースは何年後か分かりませんが、その変化に要注目していきたいと思っています。