shinohara 2022年9月17日配信開始、篠原涼子 with t.komuroのセルフカバー配信シングル。

 原曲「恋しさと せつなさと 心強さと」は、言わずと知れた1994年リリースの大ヒットシングル。当時自身のユニットTMNを終了させ、ブレイク真っ只中だったtrfのプロデューサー・小室哲哉が、アニメ映画「ストリートファイター MOVIE」挿入歌制作のオファーを受け、東京パフォーマンスドールに在籍中のアイドル・篠原涼子をボーカルに抜擢し、「篠原涼子 with t.komuro」名義で同年7月21日にリリース。初動はそこそこだったものの、週を追うごとに売上を上昇させ、9月にはオリコン首位に到達、最終的にはダブルミリオンを達成するという大ヒットを記録。今回は2023年に発売予定のゲーム「ストリートファイター6」の日本イメージソングというタイアップで、28年の時を経てのセルフカバー。なお、原曲はEPIC/SONYからの発売でしたが、本作の配信元はavex traxとなっています。

 そんな小室自身がリアレンジを手掛けた本曲、原曲は「日本語のやや長めのタイトルをサビ頭に持ってくる」「疑似バンド的なパワーのある打ち込みサウンド」など、前年に大ブームを巻き起こしていたビーイングサウンドを参照しながら、小室らしいテクノ的な要素を加えて仕立てているなど、1994年当時流行の音楽シーンにマッチした構成だったわけですが、セルフカバーにあたっても局所ごとの微妙なフレーズの違いはありつつも基本的には原曲に準拠。ただし当時のギラギラしたサウンドから少し音色を薄めて2022年という現代に向けて蘇らせた、といった趣で、音的には現在のTM NETWORKの音楽性をもう少しポピュラーに寄せたかな、という印象。篠原が新たに吹き込んだボーカルは一部歌い方を変更している箇所があるので原曲との違いはすぐに分かりましたが、時間を経た分のボーカルの強い癖などの変化は見受けられず、28年前とあまり変化がないのは結構驚き。ボーカル・アレンジ共に正調のアップデートと呼べる仕上がりになっていると思いました。

 00年代以降は歌手活動はほぼ凍結状態で、女優として積み上げたキャリアの方が圧倒的になってきた篠原ですが、今年の紅白歌合戦に選出されたそうで。久々にシンガーとしての彼女をお茶の間で目にすることになるのはちょっと楽しみであります。小室の友情出演はあるかな?