fovkitto 2022年9月28日発売、FIELD OF VIEWの通算21枚目(前身のview時代からカウントすると通算23枚目)となるシングル盤。

 2002年にthe FIELD OF VIEWとして解散後、2012年のBEING LEGENDツアーには不完全な形ながらFIELD OF VIEW名義で活動参加、時は流れて2020年のデビュー25周年時にボーカルの浅岡雄也がビーイングの長戸大幸に掛け合う形で未発表曲新録を含めた周年記念の2枚組ベストアルバムが発売。現在はその流れでボーカル浅岡、ドラムス小橋琢人の二人にサポートメンバーを迎え、ライブのみならず音楽番組へのテレビ出演も精力的にこなすなど、四人揃った形ではないもののFIELD OF VIEWとしての活動は継続中。そんな中で発売された本作は、2002年のラストシングル「Melody」以来、実に20年振りとなるニューシングル。なお、本作は全3トラックの実質2曲入りシングルですが、配信リリースされたのは表題曲1曲のみとなっています。

 タイトル曲「きっと」は作詞・作曲が浅岡、編曲は葉山たけしが担当。発売直前のインタビュー記事によると、view時代から取り置いておいたデモ曲の蔵出しに、浅岡が今回のリリースに際して歌詞を書いた、という工程だった模様。25周年ベストの際にも未発表曲の何曲かは新たに歌詞を書いたことを明言していた曲もありましたが、今回はその時とはややテーマが異なり、ポップなメロディーに乗せ、移り行く時代の中、翳りの中にも希望を見出そうとする比較的シリアスな歌詞で、この時世に即していると言えばそうなのかも、という楽曲。
 アレンジ面では、SARD UNDERGROUNDの神野友亜を筆頭にコーラス陣の参加で大々的に盛り上げるなど往年のFIELD OF VIEWっぽい感じがする一方、ドラムの音が妙に軽いのがかなり気になりました。歌詞ブックレットのメンバークレジットには小橋の名前が「on Drums」と共に表記されており、スタッフクレジットの中にはDrums recording enginnerの名前もあるので、全く叩いていないわけではない(あるいはミックスで思いっきり軽めに処理されたとか?)とは思うのですが、彼らのセールス最盛期でよく聴かれた芯のあるスネアの音が全く再現されていなかったのはちょっと残念でした。

 表題曲のOff Vocalバージョンを2曲目に挟み、3曲目はボーナストラックとして収録された「君がいたから(2022 Live ver.)」。今年5月に開催した27周年記念ライブからのデビューシングルのライブ音源とのことで、こちらは当然ながら生演奏主体でオリジナルに忠実。「突然」に次ぐ歴代セールス2位の楽曲ながら、現在においてはセールス3位の「DAN DAN 心魅かれてく」よりも扱いが小さい気がしていたのですが、ここでニューシングルに最新のライブバージョンを収録したことで存在感が増すといいなあ、と思います。

 25周年ベスト同様、解散時メンバーだった小田孝、新津健二は不参加(Special thanks欄にはトップで表記)と、前述のように完全な形ではありませんが、ベストに続いてのまさかのシングルの発売は驚きでもあり嬉しくもあり。懐かしさと共に楽しませてもらいました。