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 2022年8月に二週連続で各配信サイトにてリリースされた、WANDSの配信シングル2作を今回はまとめてレビュー。

 「愛を叫びたい」は、2022年8月23日配信の通算2作目の配信シングル。こちらの情報によると作詞:上原大史、作曲:柴崎浩の手による完全新曲。刻みのギターアレンジが特徴のミディアムナンバーでタイトル通りのラブソング。ミディアムなので勢いがあるというわけではないのですが、ドラマチックでキャッチーなサビが耳に残ります。「カナリア鳴いた頃に」から続く単なる過去の焼き直しではなく、歴代の要素を取り入れつつも第5期ならではのWANDSの新しい形をまた見せてくれたという印象。ただ、ギターソロは2コーラス後に初めて登場するのですが、そこでもうひと盛り上がりして最後のサビか…と思わせてあっさり終了、というのが若干物足りないような気も(笑)。

 「世界が終るまでは…[WANDS第5期ver.]」は、2022年8月28日配信の通算3作目の配信シングル。こちらは1994年6月リリースの8枚目のシングルの表題曲が原曲。歴代のWANDS作品の中でも現在では世間一般的にも「WANDSの代表曲」的なポジションになっている楽曲を、満を持しての第5期の手によるセルフカバーとなりました…が、今回のセルフカバーがこれまでのセルフカバーの中で一番オリジナルに近いアレンジ…と言いますか、上原のボーカルも当時の上杉昇のラインを忠実にトレースしていたり、印象的な打ち込みシーケンスのフレーズも含めて原曲通りの演奏を現代に再現、という趣。ここまで同じというのは敢えて「変えなかった」ということなのでしょう。編曲クレジットは原曲の葉山たけしから柴崎に変更されているものの、予想以上に原曲通りで最初に聴いた時は若干面食らったのですが、現在のWANDSが過去のWANDSを忠実に再現したカバー、という仕様で、これはこれでアリかと思いました。

 「世界が〜」は恐らく配信当日に出演した「アニサマ」に合わせてのリリースだったのでしょうが、特にタイアップ等のない「愛を〜」を含めた第5期のセカンドアルバムをそろそろ出して欲しいなぁ…と思う今日この頃です。