zardkiseki 去る7月29日、ZARDの公式サイトにて、2022年2月に開催された有観客ライブ「ZARD 30th Anniversary LIVE "What a beautiful memory 〜軌跡〜"」のBlu-ray/DVDが同年10月5日にリリースされることが発表されました。それに先んじて、CSの音楽チャンネル「MUSIC ON! TV」にて同ライブの抜粋中継プログラムがオンエアされており、筆者はそれを観ることができました。今回のエントリーはそんなZARDの記念ライブを視聴しての「ライブ中継感想記」です。

「ZARD 30th Anniversary LIVE "What a beautiful memory 〜軌跡〜"」(MUSIC ON! TVオンエア版)
2022年2月10日 東京ガーデンシアター



 CS音楽チャンネル・MUSIC ON! TVでは2022年3月から5月までの三ヶ月を「ZARD×エムオン!」と称して、過去のライブ映像やMVなどを特集放送。その三ヶ月目である5月4日にオンエアされたのが、30周年アニバーサリーを締めくくる6年振りの有観客ライブの独占放送。同ライブは大阪・東京でそれぞれ開催され、今回放送となったのは2月10日、東京ガーデンシアターでの公演。公式によると全28曲が演奏されたそうですが、テレビプログラムは2時間ということで、若干曲が削られ、中田有紀アナの司会進行と共に以下の21曲がフルサイズでオンエアされました。

・きっと忘れない
・もう少し あと少し…
・世界はきっと未来の中


・君に逢いたくなったら… ※ゲスト:葉山たけし
・突然 ※ゲスト:浅岡雄也&葉山たけし
・かけがえのないもの ※ゲスト:大野愛果
・永遠 ※ゲスト:徳永暁人
・翼を広げて ※ゲスト:池森秀一

・こんなにそばに居るのに ※メンバー紹介も兼ねての1コーラス目はインスト
・My Baby Grand 〜ぬくもりが欲しくて〜

・あの微笑みを忘れないで ※ゲスト:川島だりあ
・Good-bye My Loneliness ※ゲスト:大黒摩季&川島だりあ
・揺れる想い ※ゲスト:大黒摩季

・心を開いて
・Today is another day
・君がいない
・マイ フレンド
・Don’t you see !

(アンコール)
・Oh my love
・Forever you
・負けないで
 ※ゲスト全員登場


 バンドメンバーは大賀好修(G)、車谷啓介(Dr)、大田紳一郎(AG&Cho)をはじめ、昨年開催のストリーミングライブのメンバーとほぼ同じ(SARD UNDERGROUNDの神野友亜も引き続きコーラスで参加)。選曲もオンエア版ではレア曲をカットした代表曲連打といった構成に。むしろ今回のライブは多数のゲスト陣とのコラボレーションを見せることに重きを置いているようでしたので、ここではゲスト陣の所感を記しておこうと思います。

・葉山たけし
 エレキギターでの参加。御年64歳とは思えないほど若々しい御姿。寺脇康文に見える瞬間がありました
・浅岡雄也
 「FIELD OF VIEWのボーカル」と紹介(一応「元」ですよね?)。「突然」は2コーラス目が浅岡がリードを取るFOVバージョンに転調。
・大野愛果
 ZARDの後半期の作曲家としての紹介。鍵盤を弾くかと思いきや終始コーラス。厳かな佇まい。
・徳永暁人
 ベース…と思いきやアコギ&コーラスでの参加。この人もお若い。
・池森秀一
 「翼を広げて」2コーラス目ではDEENバージョンに転調し、坂井泉水のCD版でのコーラスが池森のリードボーカルにハモるというなかなかレアな展開に。
・川島だりあ
 とにかく全身でノリまくり、弾け方が物凄い(笑)。一人別次元という感じ。
・大黒摩季
 ZARD関連ライブでは初コラボとのこと。思ったよりも淑やかなパフォーマンス。上に重なるハモリはやはり上手いと思いました。


全体の感想

 坂井泉水のCD音源のボーカルに合わせ、大所帯による生演奏+スクリーンで在りし日の映像を流す…というシンクロライブ「What a beautiful memory」シリーズ。2007年の追悼ライブを皮切りに、翌年以降も大掛かりな日程で度々行われており、周年などの節目ごとにCS番組でも各ライブの総集編のようなプログラムが頻繁にオンエアされていることもあって、見慣れた映像やこなれた演奏には新鮮味はほとんど無かった…というのが正直なところ。
 ですが、やはりデビュー30周年ということもあって、ZARDというプロジェクトにかつて関わったゲストミュージシャンが大挙して集うというのが最大のポイントだと思いました。各ゲスト共、「ZARDのライブである」ということを意識しながらの割と控えめなパフォーマンスながら、これまでのライブではあまり実現してこなかったゲスト×生演奏のコラボレーション部分には大満足。このコラボ部分はオンエア部分では結構カットされているようなので(「DAN DAN 心魅かれてく」や「瞳そらさないで」なども演奏されたそうなので)、それを目当てに近日発売の映像作品に手を出してみても良いのではないでしょうか。

 織田哲郎や明石昌夫、十数年消息不明の栗林誠一郎といったZARD全盛期を支えた三本柱も参加してくれればなぁ…というのは望み過ぎでしょうか。オンエア版としてZARD30周年のフィナーレを十分楽しませてもらったプログラムでした。