bankband4 2021年9月29日発売、櫻井和寿・小林武史の率いるBank Bandのベストアルバム。CD2枚組全25曲収録。CDと配信の両形態でのリリースになっていますが、CD購入者の限定特典として、スペシャル映像を視聴できるシリアルナンバーが初回仕様盤に封入されています。

 2004年に活動を開始し、日本のアーティストのカバー曲を中心にバンド名義のオリジナル曲も発表しつつ、同年、2008年、2010年と「沿志奏逢」シリーズのナンバリングでCDリリースを続けてきたBank Band。2010年の「3」以降は配信シングルやライブ映像作品はあったものの、CDの制作はご無沙汰でしたが、2021年に久し振りにリリースされた本作はこれまでとは異なりベストアルバム。スタジオ音源、ライブ音源をそれぞれのディスクに振り分けた形態となりました。

 DISC 1は「沿志奏逢」「同2」「同3」からのセレクションに加え、配信のみで未CD化のままだったBank Band名義や派生ユニットによるオリジナル曲の収録、さらに新曲として「東京協奏曲」(宮本浩次 × 櫻井和寿 organized by ap bank名義)を収めた全13曲のスタジオ音源ベスト。彼らのオリジナル曲は結構壮大なテーマというか、気軽に聴ける曲があまりない、というのは元々の成り立ちから考えるとまあそうなるのかな、という感じなのですが、「to U」はやはり沁みますし、バンドサウンドが心地良い「奏逢 〜Bank Bandのテーマ〜」なんかも聴いてて楽しかったりします。そんなBank Bandのオリジナル曲が全曲ではないですが一気に聴ける+「若者のすべて」「糸」といった鉄板カバーも付いてくる、という点ではベストらしいというか、お得感のあるディスク。

 DISC 2はBank Band主催の野外フェス「ap bank fes.」の歴代公演の中から、映像商品として発表されている音源も含む全12曲のライブベスト。1曲目にBank Band名義のオリジナル「よく来たね」のライブテイクを配置した以外は選曲は全てカバー楽曲。基本的には櫻井がメインで歌っていますが、「はじまりはいつも雨」「緑の街」ではオリジナルアーティストのASKA、小田和正も参加するコラボバージョンで収録。櫻井・小林以外は完全固定というわけではなく流動的なミュージシャンがホストバンドとして各曲を演奏しており、さすがに日本のミュージックシーンの第一線で活躍している演奏陣は盤石…なのですが、完成され過ぎてていて隙がなく、ライブ特有の荒っぽい熱気があまり感じられないのが正直なところ。また、各フェスからのハイライト音源を次々に繰り出しているようにも思われ、1曲ごとの演奏時間も長く、全曲クライマックス!という感じの音源が次々と繰り出されているので結構聴くのには体力を使いました(苦笑)。

 両ディスク共に収録時間は70分超えと大ボリューム。ベストとは言え、「Bank Bandをちょっと聴いてみようかな」というようなライト向けとは程遠い内容で敷居が高めなのが若干マイナスポイントではないかと。まあ、オリジナル楽曲に加え、櫻井が伸び伸びとカバーを歌う音源を聴ける、という意味では意義はあるかなと。お腹いっぱいですが良質な作品集ではあると思います。