
DISC 1は2021年4月より東京・福岡・仙台・名古屋・大阪で開催された「LIVE-JOY Break23 〜POP IN CITY〜」の2公演目、4月23日のZepp DiverCity TOKYOでの模様を全曲収録。元々は当時最新作であったカバーアルバムを引っ提げ、1〜2月開催の予定でしたが、緊急事態宣言の発令に伴って1月初頭に開催延期が決定し4〜5月の開催に。この延期分も5月の大阪ファイナルが7月に更に延期になるなど紆余曲折を経ながら完走。また、2018年よりサポートドラマーとして参加していた矢野顕太郎が1月にくも膜下出血で緊急搬送され、代わってDEENサポート初参加の北村望が4月のツアーより新たなドラマーとして登板(8月のビルボードにも引き続き参加)と、DEEN内外で複数のハプニングがあったツアーでもあった模様。
ライブの構成は新作カバーアルバムより6曲、加えて「このまま君だけを奪い去りたい」を筆頭にした定番曲、「Negai」の久々のフル演奏、最新配信シングル「間違いない世界」等を交えた全15曲。といってもライブ後半の「Dance with my Music」「ひとりじゃない」は1コーラス+サビ程度のメドレーで披露されたこともあり、総演奏時間は1時間15分弱。ある程度のMCやラストの挨拶などがカットされているのを鑑みてもライブ1本が1時間半ぐらいと推測される、LIVE-JOYのひと公演としては恐らく最短のライブだったのでは。このご時勢では多くの観客を入れての長い時間のライブはやりづらい、という配慮だったのでしょうが、映像で観ていても「えっこれで終わり?」という体感時間の短さ、歓声禁止・拍手のみということでLIVE-JOY特有の熱気をイマイチ感じられない…という印象もあり、DEENのライブハウスツアーの映像作品では一番の物足りなさだったかも。二人体制になって以降、LIVE-JOYのステージ構成が楽曲中心の方向に良い意味でリニューアルされたと思っていましたが、思わぬコロナの影響で今後も一時間半程度の尺のステージが続くのならば、再び構成を練り直すポイントに来てしまっているのかも…などと考えてしまう映像でした。
DISC 2は2021年8月より東京・大阪・横浜で開催された、通算5回目のビルボードツアー「DEEN AOR NIGHT CRUISIN' 〜5th Groove〜」の東京2日目、8月6日の2ndステージの模様を全曲収録。こちらもまん延防止等重点措置の対応で当初予定の開演時間を前倒ししたり、ファイナルの横浜公演が1か月延期され9月になるなど、Break23ほどではないもののコロナ対応に苦心した様子が伺えるツアーでした。こちらのツアーメンバーはBreak23のサポート陣に加え、サックスでヒロムーチョが全曲参加しています(MCでの紹介上は「スペシャルゲスト」扱い)。
二年前の前回に続き1日2公演、各ステージで全く違う楽曲を演奏するという趣向となっており、本作に収録されたのは7月発売の最新オリジナルアルバムの楽曲を全10曲中9曲演奏するという、徹底したレコ発ライブ(同日1stステージの公演は近日発売のDEENのウィンターアルバムのファンクラブ限定盤にBlu-rayで収録とのこと)。こちらは約1時間のステージと従来のビルボードライブの定型を守っており、会場の小洒落た雰囲気の中で着席して飲み物を片手にじっくりとライブを楽しむ、という基本ラインは変わらず。アルバム発売直後ということで演奏も原曲を忠実にステージ初披露…という感じで特に新たな発見や驚きはありませんでしたが、今後もシティポップを取り入れつつ活動していくのならば、ライブ披露手段としてはLIVE-JOYよりもこの形態が今のDEENには一番適しているのかな…などと思える公演でした。
なお、両ディスクにはそれぞれ特典映像が収録。内容はMVや簡易的なカメラで撮影された小編成でのオンラインライブ等、プロモーション用の既出映像となっており、本作用に新たに制作された映像はなし。この辺りは前作のような新作特典映像のようなサービスも付けて欲しかったところでした。
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