beginyugafu 2021年11月3日、各音楽配信サイトで販売開始されたBEGINの通算7作目の配信限定シングル。

 原曲「ユガフ島」は2004年にリリースされたシングル「いつまでも」の両A面として初出。同シングルには一五一会バージョンが早くも収録されていましたが、同年夏のオリジナルアルバム「Ocean Line」には「ユガフ島」はバージョン違い共々未収録。その後、2005年の15周年記念全シングルベストにてアルバム初収録、2011年のBEGINの沖縄系楽曲を集めたベストにも収録されるなど、代表曲以外の楽曲としては結構優遇されている印象。時を経て2021年10月から「おきなわフィナンシャルグループ」のCMソングとして沖縄県内で放送されているのが今回リリースされた新バージョンとのこと。実に17年振りの再録音(セルフカバー)となりました。

 オリジナルはボーカルに三線、ピアノ、そして上品なストリングスが楽曲を彩る、素朴な味わいのあるアレンジでしたが、今回のリアレンジバージョンではイントロが全く新しいものになったり、ボーカルが若干粗めの一発録り的な歌い方になったりというマイナーチェンジ部分、三線とストリングスがあまり目立たず、新たに加わったベースとドラムが楽曲の輪郭を浮き上がらせる骨太な雰囲気を感じさせるようになったのが大きな変更部分、といったところでしょうか。全体的には原曲のアレンジを差し引きして、そこにリズム隊の演奏をプラスした音像であり、フレーズ自体を大きく弄ったという部分はほとんど見受けられないのですが、この力強さには結構意表を突かれました。

 原曲で感じられた「癒し」的な純朴な部分である、ストリングスも含めた丁寧な演奏という要素は後退し、バンドとしての粗さも含めたダイナミックなライブ感がくっきりと表出した新バージョン。室内で浸りながら聴くには前者、ライブでの演者の緊張感を味わいながら聴くには後者がお薦め。いずれにしても個人的にお気に入りのBEGIN楽曲であったので、こうして再び陽の目を見せてもらえたのは有難かったです。