
2004年の「It's TV SHOW!!」に続く、ビーイングアーティストオンリーのコンピレーションアルバムとして通販限定で販売された本作。パッケージには2005年の表記のみ有りで正式な発売日は未掲載。一応こんな登録もあり、まあ2005年の秋から販売開始になったということは確かなようです。銀色の三方背ボックスの中にCDのジュエルケースが4枚収められている装丁で、ディスク4枚、各ディスク16曲ずつ、全64曲を収録。ケース毎に歌詞ブックレットも封入されており、歌詞、作詞作曲編曲クレジット、発売日、タイアップ、CDジャケット画像、オリコン最高位が各曲1頁毎にフルカラーで記載されています。本作用のスタッフクレジットは無し、リマスタークレジットもありませんが、商品販売サイトの説明を鑑みるに、オリジナルマスターからのリマスタリングが施されている模様。
収録アーティストはビーイングの看板アーティストからいわゆるマイナーどころまで全27組。B-Gram、ZAINを筆頭に、各社ビーイングレーベルからの楽曲が選ばれていますが、SONY所属のTUBEは未収録。また、発売当時はBMG VICTORからのリリースだったB'zがVERMILLION、同じくZAINからのリリースだった小松未歩はGIZA表記されているなど、本BOX発売時点でのライセンスに従って表記されているようです。なお、日本コロムビアからのリリースだったはずのPAMELAHが、本BOXではB-Gram表記になっていたのが謎でした(数年前にB-Gramから出た「complete of PAMELAH at the BEING studio」リリースの際にライセンスが移動したとかでしょうか?)。
本作収録で一番古い曲は1990年4月4日の「おどるポンポコリン」(B.B.クィーンズ)、一番新しい曲は1997年9月25日の「輝ける星」(小松未歩)。1998年以降のB'z、小松未歩、倉木麻衣らのヒット曲に関しては本作には未収録。全体的にはやはりビーイングブームが到来する92年から、ブームが落ち着くまでの95年辺りまでの楽曲が約半分を占めているのはヒットコンピレーションとしては納得の内容。ちなみに本作発売の4年後にはTUBEや00年代のGIZAアーティストまで収録対象を広げた、続編的コンピ「BEST HIT BEING」(こちらもCD4枚組)がリリースされているとのことです。
全64曲中、最も楽曲が多く収録されたアーティストは大黒摩季とZARDで各8曲ずつ。大黒は1992年の「DA・KA・RA」から1996年の「熱くなれ」までヒット曲と呼べる曲はほぼ網羅
続いてT-BOLAN(7曲)、WANDS(6曲)、DEEN、B'z(各4曲)、FIELD OF VIEW(3曲)と続きます。あれだけヒット曲のあるB'zはわずか4曲、しかも1991〜1993年の初期のミリオンヒット曲のみ(「ALONE」「ZERO」「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」「裸足の女神」)というのが意外。まあB'zは単独のベストが既に複数あったし曲数を絞って、その分ビースタでは単独作の出なかったアーティスト(BAAD、REV、ZYYG、TWINZER、七緒香等)も収録してバラエティ豊かに…といったところでしょうか。
全体的な印象としては、「at the BEING studio」シリーズの選り抜きに、シリーズ未発売だったB'z、ZARD、DEEN、小松未歩を加えて全64曲をシャッフル、という感じ。ビーイングのヒット曲完全網羅というわけでもなく、正直目玉になるようなレア曲も特にないのでビーイングマニア必携というわけではないかもしれません。が、複数曲が収録されているアーティストの曲も各ディスクに偏りなく収録されるように配慮されていて、BGM的に聴き流しながら当時のヒット曲の数々を楽しむ、というコンピ盤ならではの長所を活かしたアイテムとしては優秀かと。
発売当時の2005年を振り返ると、本作の収録楽曲からは「ひと時代前の音楽シーンの雰囲気」的なものが出始めていた頃。むしろ20年代に突入し、この時期の楽曲がミックスCDでリリースされたりと、懐かし需要が高まっている気がする今日に、当時を知るライト寄りな音楽ファン、または当時まだ生まれていなかった世代に手に取ってもらいたい作品かな、と思います。内容のみならず装丁もしっかりしているし、中古市場でお安ければ、買って損なしです、多分(笑)。
コメント
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当時のPVが流れてましたよ。
そうだったんですね。気が付いたら発売が始まっていた印象がありました。