hatagreenmind2021 2021年11月10日に、今年開催された弾き語り全国ツアー「GREEN MIND 2021」の中から7月の東京公演(LINE CUBE SHIBUYA)の模様が映像作品としてリリースされる秦基博。それに先んじて、去る9月5日にCSの音楽チャンネル「MUSIC ON! TV」にて過去のライブやスペシャル番組と共に、本公演を2時間に凝縮したオンエア版として初公開。この時は筆者は見逃したのですが、先日10月12日の夜にリピート放送があり、そちらのほうは無事に観ることができました(11月5日にもリピート有)。今回はそんな「ライブ中継感想記」です。





M-ON! LIVE 秦基博「HATA MOTOHIRO GREEN MIND 2021」(MUSIC ON! TV オンエア版)
2021年7月25日 LINE CUBE SHIBUYA(東京)


 秦基博によるアコギ一本での全編弾き語りを基本にしたアコースティック・ライブシリーズ「GREEN MIND」
 2021年の春から夏にかけて、全国ツアーとしては7年振り(完全弾き語りライブとしては9年振り)の開催が決定。元々のスケジュールでは4月末から7月末までの3ヶ月間の予定だったそうですが、序盤5月の京都公演が緊急事態宣言の延長に伴って会場が5月末まで休館、8月5日に延期という事態に。他の会場は客席数を調整するなどしながら無事に公演が行われ、結果的にファイナルを予定していた7月25日の東京公演はセミファイナルに。カメラが入ったのはこのセミファイナル。会場は旧渋谷公会堂ことLINE CUBE SHIBUYA。この公演に関してはチケット発売後に追加席も発売されたようです。客席も俯瞰で頻繁に画面に映し出されていましたが、座席はほぼ満席で埋まっていたようでした。


MUSIC ON! TV オンエア版 セットリスト

オープニング(「Theme of GREEN MIND」
1.僕らをつなぐもの(1stミニアルバム表題曲/2007年)
MC(ご挨拶)
2.Sally(5thアルバム「青の光景」収録曲/2015年)
MC(「今日のライブは収録されています」等々)
3.Tell me,Tell me(2nd弾き語りベスト「evergreen2」収録曲/2021年)
4.FaFaFa(4thアルバム「Signed POP」収録曲/2013年)
5.漂流(6thアルバム「コペルニクス」収録曲/2019年)※ルーパー使用
座りMC(「evergreen2」の話題)
6.さよならくちびる(「evergreen2」収録曲/2021年)
7.告白(「evergreen2」収録曲/2021年)
座りMC(恒例・ファンの質問に答える「みどりの窓口コーナー」)
8.やわらかな午後に遅い朝食を(シングル「シンクロ」c/w/2016年) ※日替わり曲
9.恋の奴隷(EP「エンドロールEP」収録曲/2012年)
10.70億のピース(シングル/2016年)
11.Raspberry Lover(シングル/2019年) ※ルーパー使用
MC(「そろそろ盛り上がれたらと…」とリズムマシン起動)
12.グッバイ・アイザック(シングル/2013年) ※リズムマシン使用
13.スミレ(シングル/2016年) ※リズムマシン使用
14.鱗(シングル/2007年)
MC(「良かったら心の中で一緒に歌ってもらえたらと」)
15.ひまわりの約束(シングル/2014年)
MC(「皆と笑顔で会える日を願って」)
16.泣き笑いのエピソード(シングル/2021年)

・最後に「泣き笑いのエピソード」MV放送
・アンコール(商品版に収録)では「アイ」「風景」が披露された模様


 筆者が秦基博のライブに行ったのは初武道館の時(2009年)が唯一。その後も行ける機会はあったのですがタイミングが悪く足を運べないまま現在に至っており、しかも近年は長らく続くコロナ禍でなかなか気軽に外出できないという環境の中、ライブ本編を丸々ノーカット、MCも流れをブツ切りにせずにオンエアしてもらえたのは嬉しい限り。彼に限らずオーガスタ系のアーティストは結構CSのライブプログラムに積極的に映像を提供してくれているので有難いです。

 さて、今回の選曲は今年の春に発売された弾き語りベスト第2弾「evergreen2」から半分以上が披露されていますが、前半は想像以上におとなしめのアルバム曲を揃えてきたな、という印象。弾き語りライブなので座って聴くのが基本(+コロナ禍なので観客が歌って盛り上がったりできない)というのも手伝って、前半はかなりまったり気味。後半はシングル曲を連投して「グッバイ・アイザック」「スミレ」で盛り上げて、本編最終盤は「鱗」「ひまわりの約束」の鉄板曲、最新シングル「泣き笑いのエピソード」で締めるという、予想通りというか、王道な流れでした。

 GREEN MINDライブということで、広いステージには秦基博ただ一人。他にはテーブル、足元にエフェクター程度で、照明も基本的には彼の周りしか照らさないというシンプルなステージにシンプルな弾き語りという体裁で終始進行。歌声は時々掠れつつも良好なパフォーマンスといったところ。個人的にはルーパーを使った「漂流」が出色。オリジナルよりもこっちの方が好きかも。後半のシングル連打では「グッバイ・アイザック」が聴けたのが良かったです。欲を言えば「虹が消えた日」「水彩の月」辺りの弾き語りも聴きたかったかも。

 撮影的にはバンドライブとは異なり、様々な角度から秦を映す、ということぐらいしかできないので視覚的にはじっくり眺めてもどうしても目を引くようなシーンはないよな…という感じ。まあこれは歴代のGREEN MINDでもそうだったのだろうし、制約がある以上仕方のない部分でしょう。飲み物片手にテレビの前でまったりと楽しむには十分な2時間でした。

 なお、今回のツアーからベストテイクをセットリスト順に並べたライブCDも通常盤/ファンクラブ限定盤でつい先日リリースされた模様。通常盤は恐らくいずれ「CD Review」でレビューすると思います。それにしてもファンクラブ盤の「プール」いいな…。