
TWO-MIXは1995年にデビューした男女二人組の音楽ユニット。当時から既に声優として実績を積んでいた高山みなみが作曲とボーカルを、作詞家として活動し、高山のソロアルバムでも関わりのあった永野椎菜が主に作詞を担当するという分業ユニットで、TVアニメ「新機動戦記ガンダムW」の主題歌「JUST COMMUNICATION」「RHYTHM EMOTION」や、現在でも高山が主演を務める「名探偵コナン」の主題歌「Truth〜A Great Detective of Love〜」などが特に有名。積極的なリリース活動は2000年代前半まで、その後は長期の活動休止を挟みながら断続的にリリースを続けて2020年でデビュー25周年。本作はその25周年に際し、記念プロジェクトとして同年10〜11月にかけて特設サイトで楽曲総選挙を実施。その結果を反映した収録内容になっている模様。なお、元々は2021年1月20日にリリース予定でしたが、制作の都合上で三週間発売が延期された、という経緯があります。
Disc 1、2には全30曲を収録。ただしリクエスト上位30位を完全に収録したわけではなく、収録順も順位ではなく、Disc 1〜2にまたがって2001年までのシングル表題曲を基本的に時系列順に収録、その後は90年代リリースのアルバム・カップリング曲からの選曲を挟んで2003年以降のアルバム初収録となるシングル関連曲を並べて締め、というTWO-MIXの歴史を辿るには少し特殊な編成。まあ彼らの場合はデビューの時点で音楽性はテクノやユーロビートといった電子音楽系で固まっており、シングルの曲調も基本的にはアップテンポナンバーなので取り立ててこの時期から音楽性が変わった!という印象はないのですが、同じ楽曲パターンで30曲聴くというのは正直キツいものがありました(苦笑)。とはいえ、疾走感のあるデジタルビート、キャッチーなメロディー、どこか陰りを感じさせる儚げなボーカル、歌詞もある意味独創的(当て字とか)の四大要素(?)が詰まった良い曲を沢山リリースしてきたんだな、ということを改めて実感しました。
Disc 3は約40分に及ぶ新規制作音源の「TWO-MIX 25th ANTHEM MEDLEY The Collaboration between TWO-MIX & 月蝕會議」を1トラックで収録。永野椎菜監修のもと、クリエイター集団・月蝕會議が新旧TWO-MIX楽曲26曲を打ち込み+ストリングスでインストゥルメンタルメドレーとして構成。Disc1、2で選曲されなかった楽曲も選ばれた辺りは制作者のこだわりでしょうか。矢継ぎ早にドラマチックなメロディーが展開されていくのは圧巻。ただし、文字通りインストなのでボーカルは一切収録されていませんのでご注意を。
何といっても本作の意義は、公式・非公式含めて結構な数のTWO-MIXのベストアルバムでもなかなか成しえないレーベルの枠(キング、ワーナー、インディーズ)を越えて全シングル曲を収録しているという点。とはいえ、今回レビューした初回限定盤はコアファンアイテム(Blu-rayも付くし)なので、一般リスナーにはCD2枚組の通常盤をお薦めいたします。
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