
デビュー30周年記念・T-BOLAN 全ベストアルバムレビュー
SINGLES
1996年8月8日発売、初のベストアルバム。全12曲+シークレットトラック1曲収録。
タイトル通りのシングルコレクション。出世作「離したくはない」を冒頭に、「じれったい愛」から「愛のために 愛の中で」までの全シングル曲を収録。1996年春の最新シングル「Be Myself」は未収録となった。
セールスの振るわなかったシングル曲をオミットし、全曲が知名度のあるヒット曲という徹底したベストヒットコレクションに加え、「LOVE」「SHAKE IT」「愛のために 愛の中で」はアルバム初収録、「離したくはない」「マリア」はシングルバージョン初収録と、コストパフォーマンスの優れたアルバムということもあり、T-BOLANのアルバムの中では唯一のミリオンセールスを達成したのも頷ける。結果的にこの後は実質活動停止状態になってしまうので、彼らのTOP10ヒット曲を抜けなく一気に入手できるという点では公認・非公認のベストが濫発された現在でも価値がある1枚だと思う。
なお、本編終了後の12曲目(「愛のために〜」)の後で5分程度のインターバルを置き、同一トラックにシークレットトラック「Hold On My Beat」が収録。この曲もアルバム初収録である。
BALLADS
1996年12月12日発売、バラードベストアルバム。全13曲収録。
前作「SINGLES」に封入されていたリリースペーパーに既に発売が告知されていたバラードセレクション。前作との被りが4曲あるが、「マリア」はアコースティックバージョン、「離したくはない」は未発表のアウトテイクバージョンでそれぞれ収録された。
アコースティックコンセプトのミニアルバム「夏の終わりに」シリーズからの選出が比較的多めであり、前半から中盤にかけてはアコースティック調のバラード、終盤になるとバンドの演奏も含めて熱いロッカバラードが顔を出す…という構成。T-BOLAN=バラードという一般的イメージに沿ったアルバム。1枚で彼らのバラードを堪能するのには最適なのだが、この時点でも彼らの代表的なバラード曲であった「Heart of Gold」が未収録だったのが唯一の不満点。
T-BOLAN FINAL BEST GREATEST SONGS & MORE
1999年12月1日(初回限定盤)、12月8日(通常盤)発売、解散発表と共に発売告知されたベストアルバム。全17曲収録。初回限定盤は本編の楽曲のカラオケディスクが同梱されたCD2枚組。
「BALLADS」以降はリリースもなくなり、98〜99年にかけての本人不稼働のリミックスシリーズ(当時は謎のリミックス展開としか思えなかった)を経て、ついに解散を発表。ジャンル縛りなしのオールタイムベストとなった。「Be Myself」「No.1 Girl」がアルバム初収録。また未発表曲として「Smile」が収録された。本編最後の「Heart of Gold」はライブバージョンでの音源収録。
オールタイムということでシングルのみならずアルバム曲、カップリング曲、アナザーバージョン等も含めた選曲となっており、ヒットシングルのうち「おさえきれない この気持ち」「傷だらけを抱きしめて」「わがままに抱き合えたなら」「SHAKE IT」「愛のために 愛の中で」は弾かれてしまったが、「びしょ濡れの優しさの中」「Heart of Stone」等のアルバム佳曲、「泥だらけのエピローグ」のアコースティックバージョンなど、T-BOLANの魅力を1枚に凝縮した内容で、彼らの音楽性の懐の深さを窺い知ることのできる楽曲が揃っている。現在ではこのアルバムでしか聴けないオリジナル音源はない(後述)が中古価格はさほどでもないので、ヒット曲以外の彼らの軌跡も辿りたい、というリスナーにはお薦め。
complete of T-BOLAN at the BEING studio
2002年7月25日発売、90年代に所属したビーイングアーティストを中心とした「at the BEING studio」シリーズ第1弾としてリリースされたビーイング主導の企画ベスト。全16曲収録。10年後の2012年9月には「BEING LEGEND」開催に関連して期間限定の廉価版で再発されている。
如何なるコンセプトで彼らを売り出し、その成果を1枚のCDに纏めるというリマスターシリーズ(だと思う)なので、選曲は基本的にヒットシングル中心。「SINGLES」からは「SHAKE IT」のみが未収録となり、「Happiness」がアルバム初収録。またシリーズのアピールポイントであったPremium Trackにはライブバージョン2曲、森友歌唱のカバー曲2曲が選曲されているが、未発表曲の類は収録されていない。
ビーイングサイドから見た彼らの活動に関するライナーノーツが封入されているなど、それなりに独自性はあるのだが、同内容のベストが数ある現状においては入手優先度はそれほど高くないと思う。
BEST OF BEST 1000 T-BOLAN
2007年12月12日発売、ビーイング創立30周年を記念し、10アーティスト同時発売、定価1,000円+税でリリースされた企画ベスト「BEST OF BEST 1000」シリーズの中の1作。新規ライナーノーツ封入、マキシシングル用の薄型CDケースでの販売仕様。全11曲収録。
「離したくはない」+「サヨナラから始めよう」から「わがままに抱き合えたなら」までの全シングル+「マリア」+オリジナル音源ではベスト初収録の「Heart of Gold」で構成。選から漏れたヒットシングルは「LOVE」+1995年以降のシングル曲ということで、ビーイング全盛期である1994年までの楽曲を集中的にピックアップした内容になっている。超有名どころの曲だけを廉価で聴きたいリスナー向け、という以外に大きな特徴はない。
T-BOLAN BEST HITS
2008年発売、高速道路のサービスエリアなどで販売されることを目的に企画されたビーイング制作・トレド販売の「BEST HITS」シリーズの一作。全16曲収録。
相変わらずヒットシングルのみを羅列した内容。「悲しみが痛いよ」「Be Myself」が「FINAL BEST」以来の収録になった以外は全く目新しさはない。立ち位置としては「BEST OF BEST」の選曲が物足りないリスナーへの上位互換作品か。
LEGENDS
2010年3月24日発売、森友嵐士のソロデビューシングルと同時にリリースされたベストアルバム。CD2枚+DVDの3枚組。なお、他社リリースの森友のシングルと連動しての応募特典(オルゴールの抽選応募券封入)があった。
Disc 1は全15曲収録のシングルコレクション。リミックスシングルと何故かはねられた「JUST ILLUSION」(3rdシングル)以外の全シングルタイトル曲を収録で、歴代のベストの中でも最高のシングル回収率を誇る。Disc 2はアルバム、カップリング曲からの選曲で、「Teenage Blue」はオリジナルバージョンアルバム初収録、「鏡の中の嘘が微笑むよ」はアルバム初収録、さらに未発表曲として「満月の夜」が収録された全15曲。タイアップの付いていた「あふれでる感情」や、「FINAL BEST」に初出の「Smile」も収録されるなど、ほぼ取りこぼしのないベスト選曲が実現している。
DVDは「T-BOLAN History of 1991-1999」。森友を中心としたバンド結成前史に関するインタビュー、代表曲のMVやライブ映像を約55分収録。こちらも含めてT-BOLANの歴史を3枚のディスクで纏めた集大成的な内容ということもあり、2021年時点では最もお薦めのベストアルバムである。
〜夏の終わりに BEST〜 LOVE SONGS+1 & LIFE SONGS
2017年8月17日発売、メンバー自身の選曲によるコンセプト・ベストアルバム。CD2枚全26曲+DVDの3枚組。
同年に数年振りの活動再開を宣言した直後に発売告知された久々のメンバー稼働作品。過去にアコースティックミニアルバムとしてリリースされた「夏の終わりに」シリーズを核に、楽曲のコンセプトを「LOVE」と「LIFE」に分けて2枚のディスクに収録。DISC 1には21年ぶりの新曲「ずっと 君を」を収録。また両ディスク共にボックスセット以外ではアルバム初収録となったカップリング曲「10 Years Love Story」「HOW DO YOU FEEL?」「いじけた視線を君に語るより 光を見たい」を収録。「夏の終わりに」シリーズの性質上、アコースティック編成のバラードが中心ということもあり、「BALLADS」の拡大版という印象も受ける作品。
DVDには特にタイトルはないが、1992〜1995年に開催されたライブツアーの中から彼らの代表曲を11曲収録。こちらはアコースティックアレンジではなく通常のバンド形態での演奏なので、ベスト選曲の特典ライブDVDといったところ。
SINGLES

タイトル通りのシングルコレクション。出世作「離したくはない」を冒頭に、「じれったい愛」から「愛のために 愛の中で」までの全シングル曲を収録。1996年春の最新シングル「Be Myself」は未収録となった。
セールスの振るわなかったシングル曲をオミットし、全曲が知名度のあるヒット曲という徹底したベストヒットコレクションに加え、「LOVE」「SHAKE IT」「愛のために 愛の中で」はアルバム初収録、「離したくはない」「マリア」はシングルバージョン初収録と、コストパフォーマンスの優れたアルバムということもあり、T-BOLANのアルバムの中では唯一のミリオンセールスを達成したのも頷ける。結果的にこの後は実質活動停止状態になってしまうので、彼らのTOP10ヒット曲を抜けなく一気に入手できるという点では公認・非公認のベストが濫発された現在でも価値がある1枚だと思う。
なお、本編終了後の12曲目(「愛のために〜」)の後で5分程度のインターバルを置き、同一トラックにシークレットトラック「Hold On My Beat」が収録。この曲もアルバム初収録である。
BALLADS

前作「SINGLES」に封入されていたリリースペーパーに既に発売が告知されていたバラードセレクション。前作との被りが4曲あるが、「マリア」はアコースティックバージョン、「離したくはない」は未発表のアウトテイクバージョンでそれぞれ収録された。
アコースティックコンセプトのミニアルバム「夏の終わりに」シリーズからの選出が比較的多めであり、前半から中盤にかけてはアコースティック調のバラード、終盤になるとバンドの演奏も含めて熱いロッカバラードが顔を出す…という構成。T-BOLAN=バラードという一般的イメージに沿ったアルバム。1枚で彼らのバラードを堪能するのには最適なのだが、この時点でも彼らの代表的なバラード曲であった「Heart of Gold」が未収録だったのが唯一の不満点。
T-BOLAN FINAL BEST GREATEST SONGS & MORE

「BALLADS」以降はリリースもなくなり、98〜99年にかけての本人不稼働のリミックスシリーズ(当時は謎のリミックス展開としか思えなかった)を経て、ついに解散を発表。ジャンル縛りなしのオールタイムベストとなった。「Be Myself」「No.1 Girl」がアルバム初収録。また未発表曲として「Smile」が収録された。本編最後の「Heart of Gold」はライブバージョンでの音源収録。
オールタイムということでシングルのみならずアルバム曲、カップリング曲、アナザーバージョン等も含めた選曲となっており、ヒットシングルのうち「おさえきれない この気持ち」「傷だらけを抱きしめて」「わがままに抱き合えたなら」「SHAKE IT」「愛のために 愛の中で」は弾かれてしまったが、「びしょ濡れの優しさの中」「Heart of Stone」等のアルバム佳曲、「泥だらけのエピローグ」のアコースティックバージョンなど、T-BOLANの魅力を1枚に凝縮した内容で、彼らの音楽性の懐の深さを窺い知ることのできる楽曲が揃っている。現在ではこのアルバムでしか聴けないオリジナル音源はない(後述)が中古価格はさほどでもないので、ヒット曲以外の彼らの軌跡も辿りたい、というリスナーにはお薦め。
complete of T-BOLAN at the BEING studio

如何なるコンセプトで彼らを売り出し、その成果を1枚のCDに纏めるというリマスターシリーズ(だと思う)なので、選曲は基本的にヒットシングル中心。「SINGLES」からは「SHAKE IT」のみが未収録となり、「Happiness」がアルバム初収録。またシリーズのアピールポイントであったPremium Trackにはライブバージョン2曲、森友歌唱のカバー曲2曲が選曲されているが、未発表曲の類は収録されていない。
ビーイングサイドから見た彼らの活動に関するライナーノーツが封入されているなど、それなりに独自性はあるのだが、同内容のベストが数ある現状においては入手優先度はそれほど高くないと思う。
BEST OF BEST 1000 T-BOLAN

「離したくはない」+「サヨナラから始めよう」から「わがままに抱き合えたなら」までの全シングル+「マリア」+オリジナル音源ではベスト初収録の「Heart of Gold」で構成。選から漏れたヒットシングルは「LOVE」+1995年以降のシングル曲ということで、ビーイング全盛期である1994年までの楽曲を集中的にピックアップした内容になっている。超有名どころの曲だけを廉価で聴きたいリスナー向け、という以外に大きな特徴はない。
T-BOLAN BEST HITS

相変わらずヒットシングルのみを羅列した内容。「悲しみが痛いよ」「Be Myself」が「FINAL BEST」以来の収録になった以外は全く目新しさはない。立ち位置としては「BEST OF BEST」の選曲が物足りないリスナーへの上位互換作品か。
LEGENDS

Disc 1は全15曲収録のシングルコレクション。リミックスシングルと何故かはねられた「JUST ILLUSION」(3rdシングル)以外の全シングルタイトル曲を収録で、歴代のベストの中でも最高のシングル回収率を誇る。Disc 2はアルバム、カップリング曲からの選曲で、「Teenage Blue」はオリジナルバージョンアルバム初収録、「鏡の中の嘘が微笑むよ」はアルバム初収録、さらに未発表曲として「満月の夜」が収録された全15曲。タイアップの付いていた「あふれでる感情」や、「FINAL BEST」に初出の「Smile」も収録されるなど、ほぼ取りこぼしのないベスト選曲が実現している。
DVDは「T-BOLAN History of 1991-1999」。森友を中心としたバンド結成前史に関するインタビュー、代表曲のMVやライブ映像を約55分収録。こちらも含めてT-BOLANの歴史を3枚のディスクで纏めた集大成的な内容ということもあり、2021年時点では最もお薦めのベストアルバムである。
〜夏の終わりに BEST〜 LOVE SONGS+1 & LIFE SONGS

同年に数年振りの活動再開を宣言した直後に発売告知された久々のメンバー稼働作品。過去にアコースティックミニアルバムとしてリリースされた「夏の終わりに」シリーズを核に、楽曲のコンセプトを「LOVE」と「LIFE」に分けて2枚のディスクに収録。DISC 1には21年ぶりの新曲「ずっと 君を」を収録。また両ディスク共にボックスセット以外ではアルバム初収録となったカップリング曲「10 Years Love Story」「HOW DO YOU FEEL?」「いじけた視線を君に語るより 光を見たい」を収録。「夏の終わりに」シリーズの性質上、アコースティック編成のバラードが中心ということもあり、「BALLADS」の拡大版という印象も受ける作品。
DVDには特にタイトルはないが、1992〜1995年に開催されたライブツアーの中から彼らの代表曲を11曲収録。こちらはアコースティックアレンジではなく通常のバンド形態での演奏なので、ベスト選曲の特典ライブDVDといったところ。
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