1999black1999blood
 2021年1月27日発売、Sony Music Shopの「日本の名盤復刻シリーズ」の新作ラインアップとして同時リリースされた聖飢魔兇離戰好肇▲襯丱2作を、本エントリーで一纏めにしてご紹介。

 本作の原盤は、聖飢魔兇年内での解散を発表した1999年にリリース。この時は2作同時ではなく、「1999 BLACK LIST」は同年5月21日に当時在籍していたBMGジャパンから、「1999 BLOOD LIST」は同年7月1日にデビューから1995年まで在籍していたソニー系列のキューンレコードからそれぞれ発売。レコード会社の違いはありますが、ジャケットや歌詞ブックレット、CD盤面デザインも統一された、公認の兄弟盤として発売されていました。今回の再発に際しては、BMGがソニーに吸収されたこともあり、発売元はどちらもSONY MUSIC DIRECTから。なお、同時にLP盤もそれぞれ制作され、そちらにはボーナストラックが2曲ずつ追加されているそうですが、本レビューはBlu-spec CD2仕様として復刻されたCD作品の方となります。

 「1999 BLACK LIST [本家極悪集大成盤]」は先行して発売されたリメイクシングル「蝋人形の館'99」を含む全19曲収録。選曲は1996年から在籍しているBMGからの楽曲…のみならず、デビュー初期の80年代中盤〜後半までの楽曲を何と12曲(「蝋人形〜」含む)新規演奏で再録音。これらはソニー期の楽曲だったので版権の壁もあったのでしょうが、結果、ある意味リメイクベストアルバムといった趣に。「1999 SECRET OBJECT」「FIRE AFTER FIRE」「悪魔組曲」「EL.DORADO」など、初期の代表曲が迫力を増して収録されています。この辺りの曲は世間一般的な聖飢魔兇離ぅ瓠璽検憤魔崇拝的なヘヴィメタル)そのままという感じですが、その他の曲に関しては「MASQUERADE」「真昼の月 〜MOON AT MID DAY〜」のようなメッセージソング、「BRAND NEW SONG」「SAVE YOUR SOUL 〜美しきクリシェに背をむけて〜」のようなハイテンポでキャッチーなロックナンバーなど、パブリックイメージだけではない彼らの音楽を堪能できる好盤。解散後に複数枚のオールタイム的なベストがいくつか出ていますが、未だに聖飢魔尭門編としては本作が最適ではないかと思っています。

 対となる「1999 BLOOD LIST [元祖極悪集大成盤]」は全16曲収録。旧在籍のキューンからということで、基本的にはオリジナル音源での選曲。とはいえ、「BATTLER」は新規録音、「WINNER!」「BAD AGAIN 〜美しき反逆〜」はボーカル録り直し、またいくつかの曲の冒頭では新しく前口上を収録したりと、「〜BLACK LIST」ほどではないものの手直しが加わっています。「〜BLACK LIST」と重複する曲はオリジナル音源の「蝋人形の館」のみ。こちらは1985年〜1995年の在籍音源からのセレクトになりますが、80年代に発表された代表曲中の代表曲は「〜BLACK LIST」の再録音に回されているため、選曲は若干地味。演奏やミックスにも少々当時の時代性を感じてしまう部分がありますが、「アダムの林檎」「有害ロック」「STAINLESS NIGHT」「世界一のくちづけを」「白い奇蹟」等のシングル曲もしっかり選ばれているので、「〜BLACK LIST」の次に聴く1枚としての役割は充分持っているベストといったところ。

 なお、原盤と本リマスター盤の違いを最後に列挙しておきますと、どちらも復刻は外箱ケース無しの通常盤仕様。ジャケット・ブックレットは発売元が変わったので微妙な変更箇所はありますが基本的には原盤と変わらず。新規で各4頁のライナーノーツが別紙で封入されているのでCDケースの厚さは通常のCDケースよりも数ミリ厚いものが使用されています(原盤の時点で結構キツキツでブックレットが傷みやすかったのでこれは嬉しい変更)。CD盤面には原盤にはなかった曲目表記があり、更にリマスター効果で音質には奥行きが加わった印象。原盤発売から約20年間、なかなか中古市場でも値崩れが起こらなかったこの2作でしたが、このリマスター盤の発売で今後はこちらにバトンタッチといったところでしょうか。どうせなら2枚組にして復刻、という手もあった気はしますが(笑)ともあれ合わせて4,400円の価値は充分にあります。聖飢魔兇剖縮のある方は、まずは「1999 BLACK LIST」から是非どうぞ。