chagebootup 2020年12月9日発売、Chageの通算7枚目となるオリジナルアルバム(ミニアルバムでは通算4作目)。先行配信シングル「君に逢いたいだけ」を含む全6曲収録。CDのみの通常盤、+オンラインライブの映像を11曲収録したDVD付きの初回限定盤、更にエコトートバック付きのUNIVERSAL MUSIC STORE限定セットの3種形態での発売(CD内容は同一)。本エントリーは通常盤となります。

 チャゲアス活動停止後の2015年以降のスタジオアルバムはベストを除いてミニアルバムという形が恒例となっているChage。これまでの3枚のミニアルバムにはチャゲアスや洋楽・邦楽のカバーが必ず1曲は収録されていましたが、本作は6曲すべてが未発表のオリジナルの新曲。先行の「君に〜」のプロデュースにはワーナー期のチャゲアスの編曲を担当していた超ベテランの瀬尾一三を起用。他の5曲には現在のジャパニーズポップシーンの著名アレンジャー・島田昌典を初起用。加えて松井五郎・澤地隆という80年代のチャゲアス作品を手掛けた作詞家も1曲ずつ参加(4曲はChageが作詞)するなど、Chageにとって新旧の顔触れが制作に参加して作り上げられたアルバムとなっています。

 インタビューによると、2020年のコロナ禍で、誰もが気持ちを落としている中、制作にあたって瀬尾・島田の両プロデューサーから「Chageだから明るくいこうよ!」という話になったとあり、それを反映してか全編どこか明るく、楽しいアルバムになっています。冒頭の「それが愛なら OK」ではこれぞ島田昌典!というピアノを軸に据えた生バンドサウンドでポップに、「Swing&Groove」では4ビートのスウィングサウンドに心を躍らせ掴みはバッチリ。「No.3」では島田とChageのビートルズ愛溢れる音楽的嗜好が全開、更にかつてのヒット曲「ふたりの愛ランド」のスピンオフという「僕だけのピンナップガール」では真夏の南国ムードが漂ったと思えば、「うたたね」ではアンニュイな雰囲気を醸し出すなど、いつになく曲調とアレンジのバリエーションが豊富で、歌詞も含めて気分的にライトな方向にリスナーを連れて行ってくれる印象。ライブはおろか旅行にもおちおち出掛けられなくなってしまった2020年の春以降、色々な意味で閉鎖された日常の中で、自宅で音楽の旅を愉しませてくれる良盤に仕上がっていました。

 ラストに収められた「君に逢いたいだけ」は、前述の通り瀬尾一三プロデュースということもあり、聴く前は「終章」みたいな純バラードで来るのかな…と思いきや、軽やかでポップな楽曲に打ち込みを含めたシンプルなオケが乗るという意表を突いた爽やかな佳曲。欲を言えば瀬尾氏にはもう1曲、せっかくだから現在のChageが書くバラードのプロデュースも是非…と思ってしまいましたが、それは今後の楽しみにとっておきましょう、ということで(?)。