
2年前の前作「〜Love Song Selection〜」はデビュー15周年を兼ねて「記念日に贈りたい曲、記念日に聴きたい曲」をテーマに選曲された作品。対して本作は「スキマスイッチの音楽で笑顔と元気を」をコンセプトに、「笑顔になれる曲」をメンバー自身が選曲したとのこと。今回は周年記念というわけではなく、恐らくは2020年の春以降、コロナ禍により通常の活動が難しくなってしまったことに対してのファンサービスという意図もあるのではないでしょうか。収録曲は過去の既発音源から13曲、ラストにまっさらの新曲を1曲配置している構成になっています。
選ばれた楽曲はシングル曲が中心で、最新シングル「青春」がアルバム初収録。「全力少年」「ガラナ」「ゴールデンタイムラバー」といった直球のハイテンションソング、変化球気味のメッセージソング「ミスターカイト」、軽やかなサウンドに乗せて昔の仲間達への想いを綴る「Hello Especially」など、アップテンポ〜ミディアム寄りの曲が満載で、バラード中心だった前作と好対照。またアルバム曲では懐かしい「かけら ほのか」(2ndアルバム収録曲)が選出され、中盤の空気を和らげる良いアクセントに。既発曲に関してはアレンジの変更などはなく、これまでの作品を集めてきたファンには物足りなさがあるかもしれませんが、個人的には旅の途中を描いた「トラベラーズ・ハイ」を聴くと今はなかなか行けない旅へと思いを馳せたり、「晴ときどき曇」は今の世の中の情勢を踏まえて聴くとより歌詞が心に残ったりと、発売当時とはまた違った感想を抱くことができました。
ラストに収録の新曲「あけたら」は、コロナ禍に対する直球なメッセージ+シンプルなオケという、彼らにしては異色のナンバー。インタビューによれば、大橋卓弥のソロを常田真太郎がプロデュースしたような感じと語られていて、なるほど納得。制作時(2020年春〜初夏にかけて?)のさながらドキュメントソングのような印象を受けました。本作発売から約半年が過ぎましたが、一日でも早く「あけたら」の状況になることを願わずにはいられません。
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