montylive 2020年12月23日発売、日本のインディーレコードメーカー、ウルトラ・ヴァイヴが発売元となってリリースした、オランダのレーベル「タイムレス」発のリイシューシリーズ「Timeless Jazz Syndicate」第4弾全20タイトルの1枚、日本初発売となるモンティ・アレキサンダーのライブ盤。全8曲収録。2021年2月末までの期間限定価格盤は1,078円(税込)、3月以降は1,320円(税込)で販売されるとのこと。

 モンティ・アレキサンダーは1944年ジャマイカ生まれのジャズピアニスト。本作の解説書によると、1964年に初のリーダー作を録音し、今日に至るまで80タイトルものCD作品をリリースしている大ベテラン。70歳を過ぎた現在でもバリバリの現役で、昨年2020年2月初頭には来日公演を行っていました。本作は1991年3月20日にスイスのキュリー・セレクト・ジャズ・フェスティバルに出演した際のライブ録音をCD化したもの。当時はほぼプライベートプレスのみで同国で発売されたレアアイテムだったそうですが、今回29年の時を経て最新リマスタリングを施して、オフィシャル日本盤としてリリースの運びとなった模様。

 総演奏時間は約73分。全ての楽曲が収録されたという前提で考えると、持ち時間約60分で6曲を演奏、観客の歓声や手拍子などからアンコールとして2曲を演奏したと推測。演奏パーソネルはモンティ(Pf)、リン・シートン(B)、ダフィー・ジャクソン(Ds)、スティーヴ "パコ" グレアー(Perc)という、ピアノトリオにパーカッションを加えての四人編成。モンティと言えば世間一般的には「物凄いテクニックで、朗々として明るく、音数多く弾きまくるピアニスト」というイメージがあるようですが、今回は持ち時間が潤沢にあるということもあってか、冒頭はピアノ独奏で初めてだんだんと他の楽器の演奏を重ねていき盛り上がっていく「Look Up」、ベースにも長尺の見せ場がある「Renewal」、パーカッションがワールドミュージック的なアプローチを見せる「Crying」など、モンティのみならず他の演奏者にも十分にスポットを当てたナンバーで構成されています。後半に登場するミディアムスローの「The River」なども、決して派手なだけでないモンティの歌心のあるピアノ演奏も聴くことができ、1枚で様々な面を感じ取ることのできるアルバムと呼べるでしょうか。

 …とはいえ、本編最後の「Got My Mojo Working」、アンコール1曲目の「Battle Hymn Of The Republic」(ヨドバシカメラのCMでお馴染み?)と、熱量の高いアッパーな曲が繰り出されると「待ってました!」的な感じで観客も盛り上がってるし、筆者もこの辺りの熱い演奏が好きだし、やっぱりモンティはこれだよな、と思ってしまうのが正直な感想(笑)。環境が許せば大音量で鳴らしてライブ感を全身で体感したい作品でした。