deenlivejoy2020 2020年11月25日発売、同年1〜2月にかけて行われたDEENのバンドライブツアー「DEEN LIVE JOY-Break22 〜All Your Request〜」の東京2日目開催となった1月30日の公演の模様を全曲収録した映像作品。映像特典も含めて同一内容のBlu-ray/DVDをセットにしたディスク2枚組が通常盤、加えてライブCD付きスペシャルパッケージ仕様のファンクラブ完全生産限定盤の2種での発売。本レビューは通常盤となります。

 筆者も参加した当日の感想はこちら(MC箇所の位置が間違っていましたがご愛嬌ということで・笑)。今回は公式サイトで演奏して欲しい曲のリクエストを募り、その結果を反映させたセットリスト+公演初日直前に配信で発表された新曲「そばにいるだけで」の全22曲。発売後にYouTubeの公式チャンネルにてリクエストTOP10楽曲の発表も行われ、また特典映像でのトークを信じる限りでは(?)投票上位を集めた楽曲を取り揃えた模様。その内訳は「このまま君だけを奪い去りたい」「瞳そらさないで」「ひとりじゃない」等の鉄板楽曲、「JUST ONE」「君さえいれば」など人気曲にも関わらずあまりフルで演奏されないシングル曲、「love me」「眠ったままの情熱」といったライブ映えのする盛り上げナンバー、さらには「白い記憶」「ひまわり」などマニアック枠に位置するレア曲などが選ばれるなど、コアになり過ぎず、ヒット曲だらけでもなくという絶妙のバランスに。これらが全曲フル、原キーのオリジナルアレンジで披露されるというのは当日参加して胸が熱くなるものがありましたし、時間を置いて映像で観る時も同じような感動が味わえる内容でした。

 また、今回は楽曲の合間のMCがアンコール時のグッズ紹介コーナー以外はほぼカットされずに収録。これまでもノーカットを謳ったわりにはMCをバサバサ切っていたライブ作品(まあ楽曲がノーカットってことなんでしょうけど)や、アンコール時のMC部分や最後の挨拶までもカットする作品など、特に25周年直前ぐらいまでは雑な編集が多くて不満に思っていたのですが、今回はMCも含めて「今のDEENはこういうライブをしています」という流れをほぼ完全に収録していたのが好ポイント。最後だけは前日(1月29日)が山根公路の誕生日ということもあり、バースデーサプライズのあった東京1日目の映像に差し替えられていましたが、これは映像として残すならこっちという判断でしょう。

 特典映像は、池森・山根がそれぞれ別のスタジオからの中継でやり取りする「Remoto Talk 2020」。本ツアーを終えての感想や、フリップを使ったクイズコーナー(?)などの約20分。過去の作品でステージ裏ドキュメンタリーや終演後のアフタートークなどはやり尽くした感があったので、これは今年の状況を上手くプラスの方向に持っていった好演出。映像中でも二人が自粛期間中の過ごし方をトークしていましたが、これらの映像、数年後に観返して「2020年ってこういう大変な年だったよな〜」と思う今後であって欲しいと切に思います。

 …というわけで、本編・特典映像共に満足のいく作品ではありましたが、今回初の試みであった「同一内容のBlu-rayとDVDをパッケージして商品価格を従来よりも上げる」商法には疑問。昨年の夏に発売された蔵出しライブ作品2公演分のDVDと値段が一緒というのはさすがにちょっとなぁ…と思いましたので、今回だけの仕様にして欲しいものです。