
リスナーからリクエストを募り、著名なクラシック曲を彼ら流に仕立て直す「EAT A CLASSIC」シリーズ。ナンバリングを重ねる毎に原曲の壊し方がどんどん過激になる傾向は「〜5」辺りで極まった感があり、ジャケットデザインを一新した「〜6」ではアレンジ面でもやや落ち着いた印象がありましたが、今作は前作よりもより原点回帰…というか、どの曲も原曲を極端に崩さずにメロディー部分を尊重した「整った感じ」に統一してきたのが特徴でしょうか。
以前にも書いたように、ともすればオリジナル部分が原曲パートを食ってしまうような構成も目立つ楽曲も過去にいくつかあったのですが、今回選ばれた7曲に関しては原曲そっちのけでやりたい放題、叫びたい放題(苦笑)という曲はなく、静と動を繋ぎ合わせた組曲風の「ラプソディ・イン・ブルー」、ボサノヴァ調アレンジの「月光ソナタ」、口笛パートも取り入れ軽快な「別れの曲」など、意表をつくアレンジもありつつも演奏自体はあくまで正攻法。正直どこでアバンギャルドすぎる演奏が飛び出してくるかと結構身構えていたのですが、これといった壮絶な展開はなく聴き終わりました(笑)。
これまでのシリーズの「崩し」を楽しみにしていたリスナー層にとっては「もっと過激に!」という不満の声もあるかもしれません。ですが、第7弾まで続けてきたこの時点で初心者でも安心、シリーズ入門編的な作品が登場するのは却って新鮮かも。収録曲もいつもに増してポピュラーなラインナップだと思いますし、初→Pia-no-jaC←体験にもお薦めだと思える佳作でした。
コメント