ggundam5 久々更新の「今週の1枚」は、これまた久々(でもないか?)のアニメ作品モノ。90年代中盤に制作されたガンダムシリーズの一つ、「機動武闘伝Gガンダム」の関連CD「GUNDAM FIGHT-ROUND 5」をご紹介いたします。

 1979年に第一作「機動戦士ガンダム」を放送開始以降、基本的にはテレビシリーズ作品においては原作者であり総監督の富野由悠季(と、制作会社のサンライズ)が携わり、「宇宙世紀」を舞台に物語が展開されていたのが90年代中盤までのガンダムシリーズであったのですが、本作「機動武闘伝Gガンダム」(以下「Gガン」と表記)の総監督には80年代末に「ミスター味っ子」の監督を務めた経験のある今川泰宏が富野氏の推挙で就任。非富野系では初のテレビシリーズでのガンダム作品、物語もそれまでとは設定がガラリと異なる「未来世紀」を舞台とし、ガンダムシリーズ上では大きな転換点となった一作でした。
 大まかな話の流れとしては「四年に一度、世界の覇権を巡って開催される各国代表のガンダム同士の武術大会(=ガンダムファイト)」を縦軸に、主人公ドモン・カッシュと因縁のある「デビルガンダムの追跡」を横軸にし、1994年の4月から翌年3月末までの一年間にわたってオンエア。この時点で既にブランドと化していた「ガンダム」への斬新な角度からのアプローチは当時賛否両論を招いたようですが、今川監督の癖のある演出や魅力的な各キャラクター、そして熱い展開を見せるストーリーによって新規のファンも多く獲得、関連商品の売り上げも上々で、その後に繋がるアナザーガンダムシリーズの処女作として評価を受けた作品となりました。

 本CDは、そんな「Gガン」関連CDアルバムのラストを飾り、最終話直前の1995年3月24日に発売。それまでのCD作品はサウンドトラックやドラマ編などでしたが、今回は主人公やヒロイン、各国の主要ライバルキャラの総勢9名が一堂に会したキャラクターソングCD+α。担当声優がボーカルを担当するキャラソンCDは80年代の頃から既にあり、発売元のキングレコードのアニメ専門スターチャイルドレーベルもキャラソンに関してはお家芸(?)的な貫禄がありましたが、ガンダムシリーズにおいてはここまで各キャラクターをフィーチャリングしたボーカルCDは作られていなかったはずで、ここでも新機軸を試そうとする制作陣の心意気を感じます。
 キャラクターソングは全部で11曲。基本的には主人公以外は1人1曲で、総じて歌詞もサウンドも物凄くベタ!(褒めてます・笑)。要するにアニメ本編で描かれた各キャラの特徴や生き様などをそのまんま描いた曲ばかりで、以前に同カテゴリーで紹介したこの作品にも相通じるものがありますが、これはこのアニメ本編自体がそういうノリ(例:ネオオランダ代表のガンダムが風車背負っている・等)なので、全く問題なし。曲調は如何にも90年代中盤のノリのポップソング「GET THE WIN」から、ド演歌「男道、獣道/マスターアジアの恨み節」、アイドルチックな「アレンビーの初恋」、実に渋い「ゲルマンブルース」、そして「Gガン」の世界観を象徴するような「戦闘男児〜鍛えよ勝つために〜」「勝利者達の挽歌」など多彩。各声優陣のボーカルレベルも総じて安定しており、中でも主役のドモンを演じた関智一、そして彼を作中で導いたシュバルツ・ブルーダーを演じた堀秀行の両者は抜群の歌唱力。欲を言えばキャスト全員で1曲歌う曲なんかもあったら…とも思いましたが、まあそれは贅沢というものでしょう。

 なお、キャラソン11曲以外には鵜島仁文が歌う後期オープニングの英訳詞バージョン「I'LL TRUST YOU FOREVER」や、劇中音楽担当の田中公平の手による主題歌のインストアレンジバージョンなども収録された、「Gガンの総まとめ」的な内容。発売時期からして、これまでこの作品に付き合ってくれた、楽しんでくれたファンへ向けた最終回への前夜祭といったところでしょうか。
 キャラソン収録のCDは次作以降のガンダムシリーズでもスタンダードなものとなり、00年代の作品になるとキャラクター別のマキシCDなども多数リリースされるようになるなど、本編のみならず歴代ガンダムシリーズの音楽史的にも後から振り返るとエポックメイキング的な立ち位置で実績を残した「機動武闘伝Gガンダム」。既に21世紀に突入し20年、年号も変わりましたが、時代が移ろっても記憶に残る、ワンアンドオンリーのガンダム作品(まあ模倣しようがない強烈な作風ですし・笑)の総決算として、「Gガン」ファンには是非聴いていただきたい1枚です。