
かつて2002〜2004年の間にDEEN's AORとして展開しリリースされた3枚のオリジナルアルバムからのナンバーをメインに、各ステージ10曲程度の楽曲を演奏する「AOR NIGHT CRUISIN'」シリーズ。2012年のスタート以降、数年に1回程度のペースでの公演が続き、2019年7〜8月には東京・大阪・愛知にて第4回目(4th Groove)を開催。過去の開催ではシングルやアルバムの初回特典ディスクという形でCD音源やDVD映像としてリリースされていましたが、今回はシリーズ初の単独タイトルでの映像作品として、7月27日のBillboard Live TOKYOでの夕方からの1st、夜からの2ndステージの両公演を、各ステージ1時間程度の尺で全曲完全収録。カットされている部分もあるとは思いますが、曲間のMCも随所に残され、自然な形での2ステージを1枚で観ることができるようになっています。
今回は初の試みとして、1st、2ndステージの演目が完全に異なる内容。この日は1stが「AOR NIGHT」、2ndが「NEWJOURNEY NIGHT」と冠されています。まず「AOR NIGHT」、これはDEEN's AOR楽曲を中心に披露していく従来通りの内容。さすがに4回目となると既にこのシリーズで披露済みの曲も多く、初映像化となった「雨上がりの空、この道を行こう」以外は結構定番だな…という感じで、DEENの二人以外の演奏メンバーが変わった以外は特に目新しい面はなし。
一方の「NEWJOURNEY NIGHT」は、この年に発売されたニューアルバム「NEWJOURNEY」の実質レコ発ライブとなっており、中盤のソロコーナーでのカバーを除けば完全な新曲として初披露の曲が多く、この年の始めのライブツアーも合わせると本アルバムからの新曲は全曲ライブ映像化されたという快挙(?)を達成。特に終盤での熱唱バラード「五番街のセレナーデ」、ラストの大団円的な「VIVA LA CARNIVAL」はかなりライブ映えのする曲だと実感したので、これっきりの披露ではなく、後のライブツアーなどでもまた演奏して欲しい、と思いました。
今回のサポートメンバーは池森・山根体制になってからの三人(侑音・石田純・矢野顕太郎)に加え、同じEPICレーベルのシンガーソングライター・ダイスケ(「Aloha」のレコーディングにもゲスト参加経験有り)をスペシャルゲスト枠のアコースティックギター担当として招いた六人編成。普段とは別のリズム隊や外国人ミュージシャンを起用した過去のビルボードライブとは異なり、現在のLIVE-JOYの延長+α的な演奏陣ではありますが、ギタリストがステージに二人いて役割分担をしながら演奏している、というのは見映えのみならず、一部オケも使用してはいますが、LIVE-JOYよりも生演奏の比率が上がってアンサンブル面でも聴きごたえあり…と、通常ライブとはまた違う楽しみどころのあったライブ作品でした。
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