1月29、30日のZepp Tokyo公演2daysを皮切りに、2月末まで仙台、名古屋、大阪、福岡の各都市を回るDEENのバンドライブツアー、LIVE JOY-Break22。
 先日開催された東京2日目に参加してきました。
 ネタバレ全開です。


DEEN LIVE JOY-Break22 〜All Your Request〜
2020年1月30日 Zepp Tokyo(東京・お台場)

 約1年振りとなるDEENのバンドライブツアー。
 前回のBreak21は全4公演というLIVE-JOY史上最短のツアーで、東京も初日1公演のみ、しかもカウントダウンライブということで参加を見送っていたのですが、今回は通常公演の2daysということでチケット入手。
 それにしても初日が水曜、2日目が木曜という、週末開催が基本だった彼らにしてはド平日、しかも開演時間が18時半と少し早め(今までは19時開演が基本)の本公演、都内での仕事を17時に上がって速攻で電車移動をし、Zepp Tokyo到着は開演約10分前。若干ヒヤヒヤしながらの移動となりました(苦笑)。


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 入口にて3月発売のビルボードライブBlu-ray/DVDの告知フライヤー入手


 会場入り後、18時35分過ぎぐらいに客電が落ち、オープニングSEからインストの流れに。
 今回はステージには演出用の幕はありませんでした。

1.VOYAGE(1998年3rdアルバム「The DAY」)
2.love me(1997年シングルc/w)

 「The DAY」関連の2曲からライブスタート。
 この流れ、2008年のBreak13を彷彿とさせますが、あの時と異なるのは
 ・メンバーの田川伸治が脱退、サポートギターに侑音
 ・サポートのリズム隊(宮野和也・HIDE)が新リズム隊(石田純・矢野顕太郎)に
 ・曲のキーが原曲と同一
 という三点。特に最後のキーの話ですが、本公演ではすべてオリジナルキーでの演奏・歌唱を完遂。2018年の武道館公演からオリジナルに戻して池森氏が歌い続けているわけですが、ホントにこれまでの15年間ぐらいのキー下げは何だったの?!と思えるほど、現在の声でしっかりと歌い上げていたのには感激しました。

 2曲目終了後、短く「LIVE JOY-Break22へようこそ!」と池森氏からのご挨拶。

3.このまま君だけを奪い去りたい(1993年シングル)
4.思いきり 笑って(1994年1stアルバム「DEEN」)
5.言葉で伝えたくて(2013年ベスト「DEENAGE MEMORY」)

 十八番のバラード三連発。
 田川氏に代わってギターサポートを務める侑音氏、DEENの曲は基本的にギターソロの間奏が圧倒的に多く、今回のライブでも弾きまくっていましたが、CD音源の忠実な再現を試みる堅実なプレイでした。あと、「思いきり〜」を始め、曲中でアコギとエレキを交互に演奏する曲が結構多く、終始忙しそうでした(?)。

 ここで池森・山根両氏の簡単な紹介。そしてサポートメンバー三人も下の名前を呼んで紹介。

6.未来のために(1995年シングル)
7.JUST ONE(1999年シングル)
8.少年(1995年シングル)

 90年代のシングル曲をまとめて。
 特筆すべきは「JUST ONE」。直近では2018年武道館でショートサイズ、その前は2017年のBreak20でも演奏されていましたが、原キーフル演奏は1999年の横浜アリーナ以来なのではないかと。オリジナルと異なりサビの一部のみファルセットを使用していました。

 この後で今回のツアーについてのMC。去年秋の「Ballads in Blue」の制作でファンからの投票を募った流れで、では次のツアーはファンのリクエストでセットリストを決めよう、というコンセプトになったとのこと(大意)。本人達いわく、「自分達にとって意外な曲にも票が集まった」と話していました。
 また、MC中に池森氏から「では皆さんここでお座りください。アコースティックコーナーはないので」という説明があり。確かにアココーナーがないと座るタイミングが掴めないな…と思いました。

9.日曜日(1996年シングルc/w)
10.白い記憶(2007年クラシックスベスト「DEEN The Best Classics」)
11.ひまわり(2016年16thアルバム「バタフライ」)

 従来ならばアココーナーの小編成で演奏されそうな楽曲達ですが、五人のフルバンドでの演奏。とはいってもバラード調なので、ドラムスの矢野氏も柔らかめ(?)のリズムアプローチでボーカルをバックアップしていました。

12.夢であるように(1997年シングル)
 短めのSEからピアノだけ(確か)の演奏でスタートでしたがすぐにオリジナル版に。本格的にバンドインする2コーラス目からは会場のミラーボールが回って幻想的な光景に。

 ここで一度池森氏が退場、ステージが暗転し、ストリングスのSE(多分「Ballads in Love」の曲のイントロだと思ったのですが失念)が流れる中、照明が会場をぐるぐる照らすいつもの展開。

13.Smile Blue(2007年クラシックスシングル)
14.君さえいれば(1998年シングル)
15.眠ったままの情熱(1998年3rdアルバム「The DAY」)
16.ひとりじゃない(1996年シングル)
17.瞳そらさないで(1994年シングル)
18.Burning my soul(1999年シングルc/w)

 アップテンポの曲を連続で演奏する盛り上げゾーン。池森氏もそれまでの白いスーツからカジュアルなジーンズスタイルに着替えて再登場。山根氏は「眠ったまま〜」からギター、「瞳〜」からショルキーに持ち替えていた記憶が(逆かも…)。
 演奏後に「ロックメドレーでした!」と言っていましたが、これまでとは異なり、全曲フルサイズ演奏。メドレーっぽく曲を繋いだという箇所も特になしの約30分に及ぶ演奏でした。「Burning〜」は三人時代は間奏でメンバーが踊っていましたが、今回はベース石田氏、ドラムス矢野氏のソロコーナーになっていました。

 「最後の曲です!」の辺りでここで本日初の少し長めのMCが。
 山根氏が「最近観に行ったアイドルのライブで、1ステージで同じ曲も3回も4回もやっていて、見事に記憶に刷り込まれた」という話と、DEENは今年の3月で27歳、DEENデビュー時に23歳だった池森氏はデビュー30周年の時は53歳になる、そして山根氏は昨日(1/29)53歳になりました、という話がメインだったような(笑)。

19.i...(2002年5thアルバム「pray」)
 これもリクエストが多く集まった曲とのこと。2010年の「ALL TIME LIVE BEST」の時も投票多数で選曲されましたし、結構人気曲なんですね。


 本編終了は20時20分ぐらい。5分ぐらいの間を置いてアンコールで、山根氏が普通の格好でギターを抱えて登場(=上海ロックスターではない)。「一階席〜!」「二階席〜!」と盛り上げるあたりはシャン様と何ら変わらないと思うのですが(笑)。

20.そばにいるだけで(2020年配信シングル)
 ツアー初日に配信解禁になった最新シングルをここで初披露。最近のDEENには珍しいロックテイストな曲ですが、歌詞は「そば」と「蕎麦」のダブルミーニングソング?すっかり蕎麦芸人となった池森氏の蕎麦愛あふれる新曲でした。

 ここで新たな試みとして、ライブグッズ紹介コーナー
 長いテーブルがステージに持ち込まれ、そこに載せられた今回のツアーグッズを池森司会、山根コメンテーターでひとつずつ紹介していく斬新な(?)コーナー。
 ツアーグッズの「手ぬぐい」を池森氏が「風呂敷」と間違えていたのには絶句(苦笑)。この辺のグダグダ感はまあご愛嬌(?)。


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 ライブグッズ紹介時に写メコーナー。光でボンヤリ(iphone6sで撮影)


21.広い世界で君と出逢った(1994年1stアルバム「DEEN」)
 この曲もかなりの票が集まったそうです。バンドでの演奏は2010〜2011年のBreak15以来でしょうか。

22.銀色の夢 〜All over the world〜(1998年ベスト「SINGLES+1」)
 大トリは今年開催されるオリンピックの話から、1998年の長野オリンピックのボランティアサポートソングとして制作されたこの曲を、ということで。
 池森氏が赤いエレアコを手に取ってイントロを弾く(本人いわく「渋公を思い出す(多分Break2の記憶?)」とのこと)珍しい編成。ラストもエレアコを抱えてステージを駆け回りジャカジャカ〜とかき鳴らして(バンドのギターボーカルがよくやるようなやつ)大団円。

 「Blue eyes」の「Ballads in Love」版インストが流れる中、改めてのサポートメンバー含む五人の紹介。
 山根っちコールもいつものノリでありました。これも廃止されたのかと思っていたのでひと安心(?)。
 今年もシングル、アルバム制作、ライブツアー、ファンクラブ温泉旅行など、色々な企画を用意しているのでお楽しみに、ということで、最後に池森インスタ用に客席を背にしての写真撮影を行い、全編終了。終演時間は21時。2時間半のライブでした。


所感
 最後に観た彼らのバンドライブが2017年2月のBreak20。DEENのライブフォーマットを忠実にトレースしていたその時のライブと比較すると、アコースティックコーナー無し、長尺MC無し、メンバーのソロコーナー無し、短縮メドレー無し、アンコールで上海ロックスター無しと、これまでのフォーマットをリセットし、「楽曲演奏」自体に主軸をぐっと傾けたライブだったと思います。
 上記の各コーナーはDEENのLIVE-JOYのエンタメ性という点で大いに貢献していたわけで、それらが一気に無くなった結果、彼らのライブの独自性というのは薄くなったと思います。ただ、筆者としては本編後半のメドレーで1コーラス程度の曲を矢継ぎ早に演奏されるよりも、今回のようにフルサイズでしっかり演奏してほしいと思っていたので、全22曲という楽曲数は従来とほぼ変化はないものの、「二時間半のライブを観た」という充実度に関しては今までになかった満足感を味わえました。

 今回はリスナーからのリクエストを反映してセットリストを決めたということで、主に90年代の楽曲が中心。
 「このまま〜」「瞳〜」「ひとり〜」「夢で〜」の超定番曲、「眠ったまま〜」「Burning〜」などの90年代末の盛り上げ曲、「白い記憶」「ひまわり」のようなレア曲を含めて結構バランスの良いセットリストという印象。ちょっと中盤バラード多いかな?とも思いましたが、後半のアップテンポ連発との良いコントラストになっていたと思います。個人的にはやはり「JUST ONE」なわけですが、「銀色の夢」も聴けて嬉しかったです。

 なお、この日の公演にはカメラクルーが入っており、全編にわたって映像収録がされていました。いずれ商品化されることでしょう。そちらも楽しみです。


【おまけ】
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 会場で配られたポストカードサイズのフライヤー。
 そういえば、会場前には「マツコの知らない世界」から花が届いていました。
 本人のMCによると、Amazonのランキングで1位になったそう(池森インスタによると発売直後の「売れ筋ランキング」の模様)です。