deenself 来たる2019年11月6日に、ファン投票を基に収録曲が決定されたセルフカバー・バラードベスト「Ballads in Love -The greatest love songs of DEEN-」をリリースするDEEN。収録曲「このまま君だけを奪い去りたい」のショートMVなど徐々に情報が公開されつつあります。今回の「CD Review Extra」では過去に彼らが発表してきたセルフカバーアルバム3作をレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。
DEEN 全セルフカバーアルバムレビュー


DEEN The Best キセキ
deenkiseki
 2005年11月23日発売、デビュー12周年を迎え「干支が一周した」というタイミングで企画され、「胸にディーンと来る」というキャッチコピーが冠されたセルフカバーベスト。全15曲収録。
 同年10月の先行シングル「このまま君だけを奪い去りたい」「翼を広げて」の両A面をどちらも収録。当時のDEENは2002年から始まったセルフプロデュースによるAOR路線が続いていたので、過去の楽曲がAORアレンジで再録音される…と思いきや、島健、松浦晃久、CHOKKAKUなど日本のポップス界の著名アレンジャーに各曲のサウンドプロデュースを委ねたアルバムに(DEEN&時乗浩一郎名義でのプロデュースは3曲のみ)。
 収録曲は「このまま〜」から「君さえいれば」までのB-Gram在籍時代のシングル曲からのセレクトに加え、「思いきり 笑って」(1stアルバム収録曲)、「日曜日」「ひとりじゃない」c/w)といったこの時点でも既に初期の選曲に偏っているが、どの曲も原曲と異なるアプローチと、池森の当時の声質を活かしたアレンジで生まれ変わっており、トロピカルな「瞳そらさないで」、お洒落な「未来のために」、より悲しみを強調した「夢であるように」が特に印象に残る。加えてカバー曲「会いたい」、ラストに川島だりあ作詞、織田哲郎作曲、葉山たけし編曲という90年代ビーイング制作陣が集った新曲「TWELVE」も収録され、聴きどころ満載。
 初回盤にはPremium Discとして、これまでDEEN楽曲を提供してきたビーイング系アーティストによるセルフカバー音源が8曲収録されているがどの曲も既発音源。2018年3月の25周年ベストの初回盤において本ディスクに収録されなかった曲も含めた完全版がリリースされている。


DEEN The Best クラシックス
deenclassics
 2007年12月19日発売、1999年からスタートした「Classics」シリーズの集大成的なベストアルバム。キャッチコピーは「もう一度、胸にディーンと来る」。2枚組全23曲収録。
 DEENのアナザーサイドを見せるコンセプトマキシシングルシリーズとしてスタートした「Classics」シリーズ。新曲2曲+セルフカバー2曲+ショートインスト数曲というフォーマットで冬(1999年11月)、秋(2000年9月)、春(2007年4月)、夏(2007年8月)と四季をコンセプトに制作されてひとまず完結。本作には全シリーズの歌モノを全曲+シングルのカップリングで既出の「君がいない夏」のアコバージョン+新規のショートインスト4曲+新曲「I Promise You」「白い記憶」を収録。発売当時は「アコースティック・ベストアルバム」と銘打たれていた。
 冬はストリングス、夏はアコギメインなど、各マキシ毎に音楽性が異なっているので一貫したものはないが、Disc 1は冬から始まり、Disc 2が秋で終わるようになっているので2枚を続けて聴いて四季を感じたくなる構成。セルフカバーはB-Gram在籍時のシングル曲が選ばれており、「〜キセキ」と異なり基本的にはセルフアレンジになっているので、アカペラの「永遠をあずけてくれ」、ラッパーを招き新規のラップも制作された「Memories 2007」、ピースフルなシンガロングアレンジになった「未来のために」等、メンバーのプロデュース手腕も窺い知れる内容になっている。
 初回盤にはPremium DVDが付属。収録曲の既発MVや、当時行われた初の47都道府県ツアーからのライブ映像などが収録されているが、基本的にはCLIP集などの他の映像作品に後発を含めて収録されており、現在ではこのDVDにはほぼ価値はない。


Triangle Cover Album
deentriangle
 2012年8月8日発売、通算13枚目のオリジナルアルバム「マリアージュ」のDisc 2として制作されたセルフカバーベスト。全10曲収録。初回盤にはさらにライブDVDが付属するアルミケース入りの豪華盤であった。
 通算2度目の47都道府県ツアー開催時に打ち出された、メンバー三人のみの演奏でアルバムを作る「トライアングル・プロジェクト」の一環としてのリリース。選曲は既にセルフカバーをしたことのある曲が10曲中8曲。初セルフカバーとなったのは「哀しみの向こう側」「歌になろう」の2曲のみ。
 メンバー三人で演奏するといっても俗に言う一発録音の類ではなく、メンバーのみで全オケを制作するというコンセプトだったらしく、パーカッションの音やオーバーダビングも各曲盛り込まれている編成。演奏面での主役は明らかにアコースティックギターとコーラス(の重ね録り)であり、エレピやオルガンの音も曲によっては出てくるが味付け程度で、どの曲も似通ったアレンジに終始しているように感じる。むしろアレンジの幅が画一的な分、メロディーが引き立つような印象も受けた。楽曲面ではこれまで潤沢にセルフカバーしまくった「瞳そらさないで」がバラードアレンジで演奏されているのが新鮮。
 なお、本作での演奏バージョンはさらに数年後の47都道府県ツアー、また通常のLIVE-JOYなどのアコースティックコーナーでも披露される機会があり、定番曲のアレンジにバリエーションを与えたという意味では後に繋がったアルバム。